
北米のクリスマス商戦で、大手ディスカウントストアCostcoでは、50インチのプラズマHDTVが999ドル(およそ11万4千円)、シアーズでは同価で42インチ液晶HDTVが売り出されていたそうです。超安いですね。
これが以前に書いた北米で日本勢、サムスンも押さえてトップブランドに躍り出たVIZIOの価格です。たった90人ほどで、工場を持たず、すべてOEMで調達する小さな会社が、いまや居並ぶ大企業を根底から揺さぶりはじめています。
>>液晶テレビVIZIOはアジア型産業にとっての脅威になるか
液晶やプラズマで、どんどん低価格品のシェアが伸びてくると、低価格が売り物の、厚みもあり、画質も劣るリアプロジェクションTV(背面投射型)の入り込む余地はなく、SONYもたまらずリアプロジェクションテレビの製造・販売から全面撤退する方針を固めたことですが、いっそのこと、テレビ市場から撤退した方が賢明なのではないかとすら思ってしまいます。
こうなっては、売れ筋サイズでは価格が厳しく、日本勢としては技術的に差別化できる大型化に向かっていく流れができてきており、松下も人間が等身大に映る150インチのプラズマを発表していますが、いかにスペースの広い北米の家庭とはいえ、どれだけ市場があるのかは疑問です。特殊な市場で生き延びていこうということでしょうか。
日韓の大企業が技術開発、生産設備への膨大な投資を行い、VIZIOのような会社が、古い償却済みの設備で生産される製品をOEMで調達して、利益を刈り取っていくという嫌な構図が始まっているのかもしれません。
さすがに日本では画質にこだわるユーザーが多いので、低価格品がすぐに市場を席巻するとは思えないとはいえ、海外市場のほうが規模が大きく、またこれから市場が伸びる北米以外の途上国の市場では、まして価格志向が強いので、日本勢にはとって厳しいのではないでしょうか。
大きなイノベーションが求められてきているということですが、モノからアプローチすれば、SONYがこの市場での復活を賭け、12月の始めに発売を開始した有機ELに期待が寄せられていますが、それも、液晶やプラズマと比べて価格差が受け容れられるだろうかと考えるとちょっと心許ない感じがします。それよりは、テレビという概念を破壊する新しい製品なりシステムを出していくということでしょうが、そういった発想の転換が生まれてくることに期待したいですね。

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