消費社会の成熟化、また情報化という大きな時代背景にくわえて、インターネットという新しいコミュニケーションメディアが発展し、ブランディングの新たな武器となってきたことで、ブランディングが再び注目を浴びるようになってきました。
そのために、ブランドを取り扱った書籍もビジネスもさまざまに登場してきており、ブランディングに対する関心も高まってきています。
しかしその多くに不満が残るのは、ブランディングは、実は3つのレイヤーをどう築いていくかということであり、その視点が欠けているということです。
そのブランディングの3つのレイヤーですが、第一のレイヤーは、経営や事業戦略そのもの、また経営や事業の質そのものです。第二は、プロダクトやサービスで、さらに三番目にコミュニケーションのレイヤーが乗ってきます。ブランディングとは、この3つレイヤーの相乗効果をはかっていくことであり、そのいずれかが破綻すると成り立ちません。多くの議論が第三のコミュニケーションのレイヤーでのみ語られていますが、実際のブランディングはそんな表層なオペレーションでできるものではありません。
船場吉兆事件に見るブランド崩壊
「船場吉兆」の事件は、このことを逆説的に物語っています。今回の偽装事件は、第二の製品・サービスのレイヤーの破綻でした。商品やサービスの品質の重要な鍵を握っている食品管理があまりにも杜撰というよりは、人々を欺く悪質なものでした。
その誘因となったのは第一の経営戦略のレイヤーの破綻でした。極めてセグメントされたお客様に、最高の料理とおもてなしを提供するという理念を貫くことが吉兆というブランド価値の本質だと見抜いていた創業者湯木貞一は、「屏風は広すぎると倒れる」という教えを残し、分割経営、小規模経営の戦略を残しましたが、船場吉兆は扱い商品を増やし、拡大路線、大衆路線に走ります。また拡大路線を取った他の吉兆でも、高い割には中味がないという評判が実はありました。
さまざまな偽装をアルバイト従業員に押しつけ、自らの責任から逃げた経営者の姿、さらに謝罪会見での母親が耳打ちする姿は、先代から譲り受けた資産に乗っているだけで、経営者としては能力も資質のないことをさらけ出してしまいました。
もうそうなっては第三のコミュニケーションのレイヤーだけを繕ってもブランドは事実上崩壊しているのです。
SONYのブランドパワーの低下
SONYの例をとっても、さすがにコミュニケーションのレイヤーはいまだに高いレベルに保たれています。とくにYouTubeのおかげで、海外でのCM展開が同時に見ることができるようになりましたが、流石とうならせるものがあります。しかしSONYのブランドのかつての輝きはもうありません。
まずは、製品やサービスのレイヤーで、SONYタイマーという品質への不信感が生まれています。さらにウィークマンの伝説が生まれ、またブランドイメージを支える牙城であったポータブルオーディオでAppleのiPodにコンセプトの斬新さでも、実際の売り上げでも敗北します。
さらに経営戦略のレイヤーでは、薄型液晶テレビで、低価格戦略に走ったり、PCでもどう考えてもパナソニックの後追いとしか見えないノートPCを発売するなど、これは独創のSONYを追求するという経営から経営が大きく変わってしまったということでしょう。
実際にブランディングを考えると言うことは、3つのレイヤーをどうオペレーションするかであり、経営そのものといっても過言ではありません。ブランディングは経営マターであり、経営戦略の中核に置くという発想が必要だと思います。
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そのために、ブランドを取り扱った書籍もビジネスもさまざまに登場してきており、ブランディングに対する関心も高まってきています。
しかしその多くに不満が残るのは、ブランディングは、実は3つのレイヤーをどう築いていくかということであり、その視点が欠けているということです。
そのブランディングの3つのレイヤーですが、第一のレイヤーは、経営や事業戦略そのもの、また経営や事業の質そのものです。第二は、プロダクトやサービスで、さらに三番目にコミュニケーションのレイヤーが乗ってきます。ブランディングとは、この3つレイヤーの相乗効果をはかっていくことであり、そのいずれかが破綻すると成り立ちません。多くの議論が第三のコミュニケーションのレイヤーでのみ語られていますが、実際のブランディングはそんな表層なオペレーションでできるものではありません。
船場吉兆事件に見るブランド崩壊
「船場吉兆」の事件は、このことを逆説的に物語っています。今回の偽装事件は、第二の製品・サービスのレイヤーの破綻でした。商品やサービスの品質の重要な鍵を握っている食品管理があまりにも杜撰というよりは、人々を欺く悪質なものでした。
その誘因となったのは第一の経営戦略のレイヤーの破綻でした。極めてセグメントされたお客様に、最高の料理とおもてなしを提供するという理念を貫くことが吉兆というブランド価値の本質だと見抜いていた創業者湯木貞一は、「屏風は広すぎると倒れる」という教えを残し、分割経営、小規模経営の戦略を残しましたが、船場吉兆は扱い商品を増やし、拡大路線、大衆路線に走ります。また拡大路線を取った他の吉兆でも、高い割には中味がないという評判が実はありました。
さまざまな偽装をアルバイト従業員に押しつけ、自らの責任から逃げた経営者の姿、さらに謝罪会見での母親が耳打ちする姿は、先代から譲り受けた資産に乗っているだけで、経営者としては能力も資質のないことをさらけ出してしまいました。
もうそうなっては第三のコミュニケーションのレイヤーだけを繕ってもブランドは事実上崩壊しているのです。
SONYのブランドパワーの低下
SONYの例をとっても、さすがにコミュニケーションのレイヤーはいまだに高いレベルに保たれています。とくにYouTubeのおかげで、海外でのCM展開が同時に見ることができるようになりましたが、流石とうならせるものがあります。しかしSONYのブランドのかつての輝きはもうありません。
まずは、製品やサービスのレイヤーで、SONYタイマーという品質への不信感が生まれています。さらにウィークマンの伝説が生まれ、またブランドイメージを支える牙城であったポータブルオーディオでAppleのiPodにコンセプトの斬新さでも、実際の売り上げでも敗北します。
さらに経営戦略のレイヤーでは、薄型液晶テレビで、低価格戦略に走ったり、PCでもどう考えてもパナソニックの後追いとしか見えないノートPCを発売するなど、これは独創のSONYを追求するという経営から経営が大きく変わってしまったということでしょう。
実際にブランディングを考えると言うことは、3つのレイヤーをどうオペレーションするかであり、経営そのものといっても過言ではありません。ブランディングは経営マターであり、経営戦略の中核に置くという発想が必要だと思います。

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