
さらに、この原油高騰、穀物をはじめとした資源高騰とその影響による経済の異常事態が起こっているさなかに、財務省の描いたまるで詐欺そのものの増税論を担ぐ閣僚がでてきたり、ガソリンの暫定税率を延長してしまい、行革はどこに行ってしまったのかというお寒い印象を受けます。
もし渡辺行革相が担っている行革が停滞し、うやうやになってしまえば、福田政権は持たないでしょうし、自民党の衆議院選挙の大敗が待っているという瀬戸際だと思うのですが自覚のない閣僚が目立ちます。
橋本内閣から始まった行革ですが、小泉内閣で、郵政民営化の民営化方法がよかったかどうかは再評価が必要としても、行革が加速化される流れになりましたが、また民主党とのせめぎ合いの中で緩んできた印象がぬぐえません。
日本の官僚制度は明治の頃の発展途上国型の考え方に基づいてつくられており、明治の日本の近代化を支えたのも事実ですし、戦後復興と高度成長を支えたのですが、今日の成熟した社会のなかでは機能しなくなってきています。機能しなくなったばかりか、世界でもたぐいまれな無能な集団というそしりまで受け、さらにその停滞感のなかで、倫理も崩壊し、利権だけを追求してさまざまな腐敗が起こってきています。
日本の停滞を生み、成長性の乏しい、非効率な国にしてしまった責任の大半は官僚の制度にあるわけですが、またそれを統治できなかった政治にも大きな責任があります。官僚のなかにも十分に気づいている人もいるでしょうが、おそらく内部からは変革できない状態で、変革への外圧が必要になってきているのではないでしょうか。
よく年金問題で、世代間の対立だと問題を矮小化する人がいますが、制度設計の問題であり、ドラッカーが変化で最も確実なのは人口構成などのデモグラフィックな構造変化だと指摘しましたが、早くから少子高齢化社会の到来は分かっており、年金制度の破綻は分かっていたにもかかわらず、変革を怠り、さらにありえない出生率などの数字を使って誤魔化し、また百年安心などという偽装をやってしまったのも官僚であり、それに乗ったのは脳天気な政治家でした。問題の本質から目をそらしてはいけないと思います。

>>若林亜紀のブログ
また、文藝春秋のこの特集以外にも、高橋洋一氏の「大増税キャンペーンに騙されるな」もそのトリックを見事に斬っており参考になります。
さあ、渡辺行革相はどこまで踏み込んだ改革ができるでしょうか。実質的に日本の権力を握っている官僚制度に手を突っ込むと言うことは革命に匹敵することですから、その抵抗もすさまじいと思います。NHKですら、経営委員会が現在の経営陣の改革プランが生ぬるく「橋本会長再任せず外部から起用する」という厳しい姿勢を示しましたが、隠微な反撃が起こってきているようですから、官僚の利権の砦となっている特殊法人などの改革となると想像を絶する抵抗があるのでしょうね。

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http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007122100986
日本の政治は停滞のしっぱなしですね。やはり政権交代がない国では、官僚がのさばってしまうのでしょうか。
民主党も自民党と度合いは違ってもやはり保守ですから、日本という変化を嫌う国民にも、民主党はひとつの選択肢になるとおもうですが・・・。(30年以上前には、まだ可能性のあった社共政権はもうありえないのですから、もっと気軽に選択してもよさそうなものなのに)