Appleが、iPodのデザイン一新とバージョンアップ、またiPhone touchの追加によるラインアップの拡張を発表した直後に、SONYが「手のひら」サイズのオーディオプレーヤー「ローリー」を発表しました。
Appleがいよいよ市場での揺るぎない地位を固めはじめたこのタイミングで、オーディオプレイヤーですか。タイミングをずらして発表するという手もあったのではないかと思います。
>>ソニー、「手のひら」サイズのオーディオプレーヤー「ローリー」を発表

まずは「ローリー」がなにものかをお確かめください。
<動画>音楽に合わせて動き回るローリー(WindowsMedia形式)
下のようなブログ用のパーツも用意されています。


「ローリー」のブログでの商品担当者の言葉では、

1.出会いは「おーっ!!」 
2.触れて「ほーっ!!」 
3.眺めて「えーっ!!」

だそうですが、ご覧になって、癒されそうだとか、面白いとか、きれいだとか、感動するとか、お感じでしょうか。
「蚊取りブタ」のような物体が踊っていてもなにも面白くありません。

記事ではソニーはいわゆる「ティザー」広告と呼ばれる手法で、今回のローリーが特別な音楽プレーヤーであることを公表し注目されていたと書かれていますが、よほどのSONYファンの方か、業界以外のほとんどの人は、iPodがどうなるのかに関心を奪われていたのじゃないでしょうか。

次に、こちらをご覧ください。昨年の8月末に発表された株式会社ゼットエムピーのmiuroですが、「ローリー」は、この音楽に合わせて移動してくれるmiuroとは違うといえば違うかもしれませんが、どこか発想が似ています。技術供与を受けたのかどうか、偶然の一致なのか、そのあたりはわかりませんが、かつては「独創」のSONYだったはずなのに後発の類似品だという印象を受けてしまいます。




このmiuroは10万円を超えていますが、こちらの「ローリー」は39,800円です。miuroのほうは理解できます。おそらくターゲットを展示会やイベントなどでのビジネスユース、あるいは、こういったメカには出費を厭わない熱狂的なファンと考えているのでしょう。そんなニッチな市場はきっとあると思います。
「ローリー」のほうはあきらかに量産を考えた価格ですが、そんな大きな市場があるとは考えられません。しかもiPod touch8ギガならおつりがきます。いったいどんな人が買うのでしょうか。このプロモーションサイトを見てもよく分かりません。

あえて良い点を探すとすれば、ブルートゥース通信対応のパソコンで再生した音楽をローリーが受信して再生することもできる、つまりワイヤレスで使えるということぐらいでしょうか。それもべつに新規性があるわけではありません。

モノにこだわるということは結構ですが、それ以上にユーザーにとっての楽しさや夢、わくわくする体験を提案するほうが本来の企業の使命であり、そのためにはもっと違ったアプローチもあったのではないでしょうか。

そういえばAIBOが懐かしい気がしますが、昨年にロボット事業から撤退していたはずですが、まだこだわりがあるのでしょうか。いったいSONYに何が起こっているのでしょうか。

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