置かれた状況や立場を考え発言しないと、それがたとえ正しいことだとしても軋轢を起こすということは世の中にはいくらでもあります。
それなのに自らをコントロールできなかったり、状況や立場をよく考えず、うっかり思ったことをそのまま口にしてしまって冷や汗かくということもあります。冷や汗程度、またちょっと不適切な発言だったと反省してすめばそいれでいいでしょうが、場合によっては致命的な問題に発展することだってあるので怖いですね。
なかには人生いろいろとなど、不謹慎かつ不真面目なとんでもない発言をしても押し通せる稀有のキャラクターの人もいますが普通はそうはいきません。久間防衛大臣はどうなんでしょうね。
今年はじめにイラク戦争を支持している内閣の防衛大臣の立場で、ブッシュのイラク戦争は間違いだという発言をしたことで、それなら防衛大臣を引き受けるというのは筋がとおらない、そういうなら自衛官もイラクから引き上げろよといういうことになったり外交問題にまで波紋が広がるという出来事となってしまいました。イラク戦争が間違いだったというのは欧米の世論の流れでもあり、正しいことだとしても現職の大臣の発言としては適切ではありませんでした。
今回の発言も、原爆投下によってソ連の参戦を防いだというのはアメリカから見ればそうかもしれないとしても、正しいことであればどんな手段をとってもいいと言っているのと同じで、当然批判が巻き起こってきます。
ブッシュ批判ととられた今年はじめの発言をカバーするために、アメリカを擁護する発言もしておきたかったということなのかもしれませんがちょっと唐突な感じがします。
政府税調の本間正明会長のスキャンダルによる辞任、適切な会計処理におる佐田行政改革担当相の辞任、松岡大臣の「自殺」、緑資源の談合問題、社保庁問題など安倍政権を揺るがす試練が次々と起こってきたさなかであるだけに影響は避けられず、弱り目に祟り目じゃないでしょうか。
先ほど早朝のテレビで宮沢さんを偲ぶ番組をやっていましたが、バッチを外したら、自由に発言できるようになったのではありませんかという質問に、宮沢さんが、いや長年発言を慎重に選ぶということをやってきたので、それが癖になり、なかなかそうはならないといったことをおっしゃっているシーンが印象に残りました。
まあ私たち庶民としては、なにを発言しても宮沢さんや久間さんのような影響力はないとしても、口は禍の元といいますからお互い気をつけましょうということで本日は締めくくらせていただきます。

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