男性巡査長のPCから警視庁の情報1万件がインターネットに流出するという不祥事が起こり波紋を投げかけています。「少年事件の捜査資料や、カジノとばくに関する捜査報告書や供述調書、捜査対象者の銀行口座の分析資料かなり広範囲な情報が含まれていた」(讀賣オンライン)ようですし、Nシステムの位置情報もあったということです。気の毒に、ある女優さんなんかは組織暴力団幹部と関係しているというメモが流れ大きくイメージダウンしてしまいました。
同記事によると警察庁は今年3月、ウィニーがインストールされた私物パソコンの使用禁止や捜査情報の無断持ち出し禁止を徹底する通達を出したばかりといいますが、それでも起こったのですからその意識の低さ、また杜撰さには驚くばかりです。
というよりは自衛隊もそうですが、そんな機密情報は暗号化しておくというのが常識でしょう。通達程度で防止できるというのは甘すぎるのではないでしょうか。
通常の犯罪なら個人のレベルで終わってしましますが、官庁や会社の情報流出に関してはひとたび起こると影響、損失が大きすぎます。もっといえばこれだけ甘いと、自衛隊のイージス艦の情報流出のように狙われかねないということです。イージス艦の情報流出問題については、国際的にも日本の信用は大きく損なってしまったといいます。それに、巨額の税金を投じて装備しても、情報が流出してしまえば抑止効果が薄れてしまうことは素人でもわかることなので、国民の資産を損なったということにもなります。
民間でも、最近よく存じ上げている会社がウィニーでの情報流出問題を起こしていました。問題が起こって対策を講じたようですが失った信用回復には時間がかかります。
いろいろ原因はあるのですが、最大の問題はトップや幹部に、ITに関する知識や常識が低すぎるのです。だから情報システム部任せになり、情報システム部の守備範囲を超える対策を打つことができません。
官民ともに、経営幹部、また上層部の人たちのITに関する知識不足、認識不足がある限り情報流出はとまらないものと思います。たまたまウィニーから流出すると発覚することがあるのですが、それ以外で発覚せず潜在的に流出しているケースって相当あると想像するのが自然でしょう。
ウィニーからいったんネットに流出すると対処できなくなるし、被害や影響も大きいから、なんとかウィニー対策をしようというなら、ウイニーの作家の金子氏に対策のソフトを開発してもらうのがもっとも有効でコストがかかりません。
しかし昨年末に、京都地裁は「著作権法違反のほう助罪」で有罪にしてしまいました。それで対策をとれなくなってしまっています。この有罪判決は、あくまで「情報流出の責任」ではなく「著作権問題」です。もうすこし現実を考えた判決ができなかったものかと思えてなりません。
まあ、根本的な対策ができないのだから、ウィニーを狙ったウィルスは絶えないでしょうし、不用意に情報をもち出そうという人もなくならないでしょうから、「ウィニー問題」はいつまでも終わりそうにもないですね。


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