iPodに対抗するために、マイクロソフトが開発し東芝が生産するMP3プレイヤーZUNE(ズーン)ですが、14日に全米で発売開始したものの販売予約も埋まらず、また店頭でも買う人がほとんどいないという惨めなスタートとなったようです。これは多くの人が想定していた通りの結果だと思います。資金力がいかにあってもそう簡単に奇跡は起こらないということです。
ソーシャルニュースサービスのDIGGで目に留まったアメリカのMiddle East Times紙の記事によると、サンフランシスコのユニオンスクエアの近くにあるVirgin Mega Soreでは、店員の人もお客さんからいわれるまでZUNEが店どこにおいてあるかもわからない状態で、発売当日の午前中にやっとひとりが購入し、もうひとりの人が質問をしたにすぎなかったというエピソードを紹介しZUNEのスタートの不調を報道しています。またDIGGへの書き込みを見ても他の地域や店でも同様の状態のようです。
「ZUNEの保存容量は30ギガ(1ギガは10億)バイト。価格を250ドル(約3万円)とiPod並みに抑える一方、ZUNE同士で楽曲や写真を無線で交換できる機能や、3インチと大きめの液晶画面を装備し、差別化を図った」(>>フジサンケイBusiness-i )ということですが、75%のシェアを持つiPodに対抗するのに、後発のマイクロソフトがiPodがやろうとすればすぐできそうな機能で小さな差別化を行っても、独占状態のトップブランドは切りくずせません。それはマーケティングの世界の常識ともいえます。かつての重厚長大の煙突産業のように、いいものを出せば売れるだろうと本気で考えているのでしょうか。
いかにマイクロソフトが、OSの世界で独占状態とはいえ音楽プレイヤーの領域ではマイクロソフトはマイナーなプレイヤーでしかありません。しかもマイクロソフトには音楽の香りがしないのです。Appleのコマーシャルで「Work」と皮肉られているようなイメージだというのがほんとうのところでしょう。
なぜ、マイクロソフトは、ZUNEで、もっとユーザーを絞ったピンポイントの戦略、こんな人のために開発したという明確な特徴づけやイメージづくりをしなかったのかが不思議でなりません。あるいはアメリカはチープな製品のマーケットもあるので、大幅な赤字覚悟の徹底した低価格戦略で、まずはある程度のシェアを獲得するという線はあるかもしれません。いずれにしてもマーケティングが中途半端、というかマーケティングの発想が感じられません。
もうずいぶん前のことですが、カセットテープ全盛時代に、2%しかシェアのなかったブランドを一年で15%に、さらに3年ほどで25%程度のシェアを獲得するという成功体験をしたことがあります。プロジェクトのメンバーは技術の人以外は、カセットという業界に経験のないメンバーで進め、業界の常識のこだわらない徹底したニッチ戦略を展開しました。新ブランドや新製品を社内会議で披露したときに、だから素人にやらしたら駄目なんだという猛反発があったことを思い出しします。それぐらい違いを出したということです。
技術が飛躍的に伸びているような分野では、新しい技術で一発逆転するということも夢ではありませんが、音楽プレイヤーの歴史はすでに長く、そうそう目新しい技術が突然生まれてくるという世界ではありません。もっとiPodとは、リーダーのiPodが馬鹿馬鹿しくて相手にできないというような違う土俵や焦点を創って競争しないと無理だということでしょう。
iPodは、「ユナイテッドなど6社の航空機でiPod接続サービス」を2007年中に行うという発表をしていましたが、こちらのほうは教科書に書かれているようなリーダー戦略です。リーダーは、その製品やサービスの市場をより広げていくことでさらに市場のリーダシップを固めていくことができます。
OSの世界では大成功したマイクロソフトですが、PCに近いゲーム機ではXboxで日本では駄目としても海外では参入に成功しました。しかし音楽プレイヤーの世界となると、今のところは畑が違うので二匹目のドジョウはいないということのようです。アメリカでそんな状態だと日本での発売が危ぶまれますね。
いずれにしても1社独占というのは、長期的に見てかならずしもユーザー利益にはなりません。できれば強力なライバルの登場が望ましいと思うのですが、iPodに対抗できる潜在力を持っているのはSONYぐらいでしょうか。しかしハードに偏った戦略展開で本来のSONYの潜在力をひきだせず成功できなかったのが残念でなりません。
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ソーシャルニュースサービスのDIGGで目に留まったアメリカのMiddle East Times紙の記事によると、サンフランシスコのユニオンスクエアの近くにあるVirgin Mega Soreでは、店員の人もお客さんからいわれるまでZUNEが店どこにおいてあるかもわからない状態で、発売当日の午前中にやっとひとりが購入し、もうひとりの人が質問をしたにすぎなかったというエピソードを紹介しZUNEのスタートの不調を報道しています。またDIGGへの書き込みを見ても他の地域や店でも同様の状態のようです。
「ZUNEの保存容量は30ギガ(1ギガは10億)バイト。価格を250ドル(約3万円)とiPod並みに抑える一方、ZUNE同士で楽曲や写真を無線で交換できる機能や、3インチと大きめの液晶画面を装備し、差別化を図った」(>>フジサンケイBusiness-i )ということですが、75%のシェアを持つiPodに対抗するのに、後発のマイクロソフトがiPodがやろうとすればすぐできそうな機能で小さな差別化を行っても、独占状態のトップブランドは切りくずせません。それはマーケティングの世界の常識ともいえます。かつての重厚長大の煙突産業のように、いいものを出せば売れるだろうと本気で考えているのでしょうか。
いかにマイクロソフトが、OSの世界で独占状態とはいえ音楽プレイヤーの領域ではマイクロソフトはマイナーなプレイヤーでしかありません。しかもマイクロソフトには音楽の香りがしないのです。Appleのコマーシャルで「Work」と皮肉られているようなイメージだというのがほんとうのところでしょう。
なぜ、マイクロソフトは、ZUNEで、もっとユーザーを絞ったピンポイントの戦略、こんな人のために開発したという明確な特徴づけやイメージづくりをしなかったのかが不思議でなりません。あるいはアメリカはチープな製品のマーケットもあるので、大幅な赤字覚悟の徹底した低価格戦略で、まずはある程度のシェアを獲得するという線はあるかもしれません。いずれにしてもマーケティングが中途半端、というかマーケティングの発想が感じられません。
もうずいぶん前のことですが、カセットテープ全盛時代に、2%しかシェアのなかったブランドを一年で15%に、さらに3年ほどで25%程度のシェアを獲得するという成功体験をしたことがあります。プロジェクトのメンバーは技術の人以外は、カセットという業界に経験のないメンバーで進め、業界の常識のこだわらない徹底したニッチ戦略を展開しました。新ブランドや新製品を社内会議で披露したときに、だから素人にやらしたら駄目なんだという猛反発があったことを思い出しします。それぐらい違いを出したということです。
技術が飛躍的に伸びているような分野では、新しい技術で一発逆転するということも夢ではありませんが、音楽プレイヤーの歴史はすでに長く、そうそう目新しい技術が突然生まれてくるという世界ではありません。もっとiPodとは、リーダーのiPodが馬鹿馬鹿しくて相手にできないというような違う土俵や焦点を創って競争しないと無理だということでしょう。
iPodは、「ユナイテッドなど6社の航空機でiPod接続サービス」を2007年中に行うという発表をしていましたが、こちらのほうは教科書に書かれているようなリーダー戦略です。リーダーは、その製品やサービスの市場をより広げていくことでさらに市場のリーダシップを固めていくことができます。
OSの世界では大成功したマイクロソフトですが、PCに近いゲーム機ではXboxで日本では駄目としても海外では参入に成功しました。しかし音楽プレイヤーの世界となると、今のところは畑が違うので二匹目のドジョウはいないということのようです。アメリカでそんな状態だと日本での発売が危ぶまれますね。
いずれにしても1社独占というのは、長期的に見てかならずしもユーザー利益にはなりません。できれば強力なライバルの登場が望ましいと思うのですが、iPodに対抗できる潜在力を持っているのはSONYぐらいでしょうか。しかしハードに偏った戦略展開で本来のSONYの潜在力をひきだせず成功できなかったのが残念でなりません。
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ここの記事によると売れてないのはマイクロソフトの目論見通りで
>Microsoft自身も、Zuneへの投資が実を結ぶのは数年後になるかもしれないと認めており、アナリストもその予測を支持している。
なんて文章が。
xboxは大失敗でしたけどxbox360は成功してるようですし、この会社は先見性はないけど後追いについては凄まじい会社だと思います。