シリコンバレーに在住でコンサルタントをなさっている海部美知さんのブログ Tech Mom from Silicon Valleyで、『日本はホントに、ブロードバンド大国なのか?』という記事がありました。
OECDのブロードバンド普及に関する統計で、30カ国の人口100人あたりの回線数による比較データがありますが、2003年末に日本はアメリカを抜いて勢いがあり、アメリカの普及はいまひとつ進んでいないようなイメージがあるけれども、しかし実際には2005年末で、日本は人口100人あたりの回線数では11位で17.6人、アメリカは16.8人でそれに続いて肩を並べており、アメリカでもブロードバンド普及も進んできているという海部さんの実感と一致しているということです。
しかし普及率という数字はともかく、日米のブロードバンド普及を促進している中身が違うという視点は同じく感じるところです。
アメリカは、4940万人で世界最大、日本は2250万人でそれに続いて世界第二位とはいえ、曲者は、イギリスが 950万人、ほぼ6割が英語圏であるカナダが671万人、さらにオーストラリアの279万人を加えただけでも英語圏のブロードバンド人口はきわめて巨大です。本当にブロードバンド大国、ブロードバンド先進国と名乗るにふさわしい姿となるためには、この巨大市場をも席巻するビジネスが生まれてこないとおこがましいという感が否めません。
そうなると日本発の先進的な技術やアイデアを生み出せるかということが課題になってくるのですが、残念ながら日本のネット業界は、アメリカで生まれたアイデアの後追いをやっているのが多いというお寒い状況ではないでしょうか。海部さんのブログでisrcさんというかたのコメントで、winnyがブロードバンド普及を引っ張ってきたということを触れていらっしゃいますが、winnyについては、議論の余地はあるかもしれませんが、確かにブロードバンド普及の牽引車ともなり、さらに世界標準となりえたWinnyもあっさり潰されてしまって、その後遺症としかいえないようなファイル流出事件が起きているという不幸もありますね。
しかし、日本にそういったビジネスが発展する可能性がないかというと、人口100人当たりのブロードバンド回線数では日本は11位とはいえ、総務省の発表している契約数を世帯あたりの普及率で見ると、平成17年8月8日の段階で39.15%で、東京、神奈川はもう50%を超えており、こちらのほうが実感としては近く、機は熟しつつあるのではないでしょうか。
ブロードバンド先進国である韓国は現在光ファイバー普及に力を入れており、アイスランドに首位の座を譲っていますが、ブロードバンド人口は1220万人であり、日本のほうが市場は大きいわけで、まだまだ日本のコンテンツが伸びていく可能性はあると考えたいところです。
↓クリックするとグラフが拡大されます。

ところで、OECDのデータを見ていて面白いことに気がつきました。1キロ平方あたりの人口密度とブロードバンド普及率がでているグラフがあったで掲載しておきますが、韓国、オランダ、日本、ベルギーなどは、ブロードバンド普及率も人口密度も高い国です。
人口密度が高く、ブロードバンドの普及率も高いということは、インターネットに代替するメディアも豊富だと考えられますが、視点を変えると、リアルとバーチャルの世界の融合がしやすいということもいえそうです。
mixiなどでは、頻繁にオフ会があるようですが、それも人口密度が高く、集まりやすいということでしょうし、またエリア・マーケティングという視点でも、インターネット利用の高度化がしやすいということもあるように思います。以前書きました『地域密着型のインターネット・マーケティング』もあわせてお読みいただければと思います。
日本はハード、さらにゲームソフトなど、多くの分野で世界市場を押さえています。インターネットでも特徴あるアイデアや技術を結集すれば、世界市場を狙うということも夢ではないわけで、コンテンツ提供側の成長を期待したいところです。
>>OECDによるブロードバンド普及の国際比較
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【参照リンク】http://d.hatena.ne.jp/michikaifu/20060905
OECDのブロードバンド普及に関する統計で、30カ国の人口100人あたりの回線数による比較データがありますが、2003年末に日本はアメリカを抜いて勢いがあり、アメリカの普及はいまひとつ進んでいないようなイメージがあるけれども、しかし実際には2005年末で、日本は人口100人あたりの回線数では11位で17.6人、アメリカは16.8人でそれに続いて肩を並べており、アメリカでもブロードバンド普及も進んできているという海部さんの実感と一致しているということです。
しかし普及率という数字はともかく、日米のブロードバンド普及を促進している中身が違うという視点は同じく感じるところです。
何よりも、アメリカの場合、「ユーザー主導」というか、「コンテンツ主導」で、今年にはいってYouTubeが大ブレークしたり、テレビ局ががんがん番組の有料・無料配信を始めていて、ちゃんと「中身を伴って、入れ物がそれに合わせて大きくなっている」感じがする。それに対して日本では、赤字覚悟の料金競争で入れ物だけが大きくなった、いわば補助金で無用の美術館や演劇場を建てても中身がはいらない、「ハコモノ行政」っぽい発展の仕方をしてきた。また指摘されているように既得権益に乗っかっている放送局の腰が重いのも気になります。常時接続がインターネットの利用を高度化していく上で鍵となるので、日米を比較するときに、常時接続であるブロードバンドの普及率はインターネットが発展していくための重要な指標として気になるところですが、問題はインターネットの市場の大きさもあると思います。つまりブロードバンド人口の問題です。
アメリカは、4940万人で世界最大、日本は2250万人でそれに続いて世界第二位とはいえ、曲者は、イギリスが 950万人、ほぼ6割が英語圏であるカナダが671万人、さらにオーストラリアの279万人を加えただけでも英語圏のブロードバンド人口はきわめて巨大です。本当にブロードバンド大国、ブロードバンド先進国と名乗るにふさわしい姿となるためには、この巨大市場をも席巻するビジネスが生まれてこないとおこがましいという感が否めません。
そうなると日本発の先進的な技術やアイデアを生み出せるかということが課題になってくるのですが、残念ながら日本のネット業界は、アメリカで生まれたアイデアの後追いをやっているのが多いというお寒い状況ではないでしょうか。海部さんのブログでisrcさんというかたのコメントで、winnyがブロードバンド普及を引っ張ってきたということを触れていらっしゃいますが、winnyについては、議論の余地はあるかもしれませんが、確かにブロードバンド普及の牽引車ともなり、さらに世界標準となりえたWinnyもあっさり潰されてしまって、その後遺症としかいえないようなファイル流出事件が起きているという不幸もありますね。
しかし、日本にそういったビジネスが発展する可能性がないかというと、人口100人当たりのブロードバンド回線数では日本は11位とはいえ、総務省の発表している契約数を世帯あたりの普及率で見ると、平成17年8月8日の段階で39.15%で、東京、神奈川はもう50%を超えており、こちらのほうが実感としては近く、機は熟しつつあるのではないでしょうか。
ブロードバンド先進国である韓国は現在光ファイバー普及に力を入れており、アイスランドに首位の座を譲っていますが、ブロードバンド人口は1220万人であり、日本のほうが市場は大きいわけで、まだまだ日本のコンテンツが伸びていく可能性はあると考えたいところです。
↓クリックするとグラフが拡大されます。
ところで、OECDのデータを見ていて面白いことに気がつきました。1キロ平方あたりの人口密度とブロードバンド普及率がでているグラフがあったで掲載しておきますが、韓国、オランダ、日本、ベルギーなどは、ブロードバンド普及率も人口密度も高い国です。
人口密度が高く、ブロードバンドの普及率も高いということは、インターネットに代替するメディアも豊富だと考えられますが、視点を変えると、リアルとバーチャルの世界の融合がしやすいということもいえそうです。
mixiなどでは、頻繁にオフ会があるようですが、それも人口密度が高く、集まりやすいということでしょうし、またエリア・マーケティングという視点でも、インターネット利用の高度化がしやすいということもあるように思います。以前書きました『地域密着型のインターネット・マーケティング』もあわせてお読みいただければと思います。
日本はハード、さらにゲームソフトなど、多くの分野で世界市場を押さえています。インターネットでも特徴あるアイデアや技術を結集すれば、世界市場を狙うということも夢ではないわけで、コンテンツ提供側の成長を期待したいところです。
>>OECDによるブロードバンド普及の国際比較
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