週刊新潮の記事問題があって5万円を割っていた楽天の株価が「ここを絶好の買い場と見た個人投資家を中心に買いが集まっている」ようで、今週に入って再び5万円台に回復しています。
IT株の不振にひき引きずられるように、好決算の発表にも市場は反応しませんでした。さらに追い討ちをかけるように週刊新潮の記事問題があっての5万円割れでしたが、
悪い材料がでつくしたと市場は判断したのでしょうか。
楽天といえば、再びテナント店舗から個人情報漏えいがあったとか、Wikipediaの楽天証券の都合の悪い記述を社員が書き換えたことが発覚し、抗議に楽天証券が謝罪したといった雑音がこのところあったのですが、それよりも気になるのは、真偽の程はわからないのですが、週刊新潮でベテラン社員が大量に辞めていっていると書かれていたことでした。見切りをつけたということでしょうか。

社員の人たちはよく知っている
外部から得られる情報には限界があります。しかし社員の人たちは、その会社でどんなことが起こっているのかの実態をよく知っているものです。いくつかの活性化のプロジェクトをコンサルタントとして経験してきましたが、なにがネックとなっているのか、またどうすれば問題が解決するのかということのヒントのほとんどは社内から収集できるといって過言ではありません。
商品でも、いい商品は社員の人たちがよく知っていて、すすんで買いますが、そうでなければ社員のほとんどがライバル会社の商品を買っているということも冗談ではなくあります。

しかしなかなか核心の問題ほど顕在化しない
外部の立場として社員の人たちからお話を聞くと、あるいはワークショップを開いて導き出すと、そういった課題は見事に浮かび上がってくるのですが、普段はなかなか水面下に潜っていて顕在化しません。
理由は、それがとうてい改革・改善できない課題だと考えていたり、下手に提案すると火の粉が降りかかると恐れていたり、実際に解決をはかることのできるリーダーが気づいていなかったり、なんとか自分の責任範囲で解決しようにもハードルが高いと考えているということがあります。
しかし、そういった壁をとりのぞき、問題を客観的に解きほぐしていけば、解決の方策はでてきます。

リストラからリチャージへ
不況が長く続き、また株式の持ち合いが崩れ、株主圧力が高まるとともに、本来の企業再構築という意味ではない、人員削減が『リストラ』という風になってしまいましたが、そのさまざまな後遺症が傷跡として残ってしまっていると感じます。
ひとりひとりへの負担が増大しすぎたり、社内の知恵の集結のパワーが落ちてきていており、元気がなくなってきているのではないでしょうか。
IT企業にしても、日本の場合は『残酷物語』が聞こえてくることが多いのですが、グーグルなどアメリカのIT企業では、社員がアイデアを生み出せるように手厚い配慮がなされているという話が聞こえてきます。
本来追求すべきは社内の生産性であり、生産性をあげていくのは社員の人たちの知恵や活力です。
ふたたびそういった社員の人たちの知恵や活力をひきだす経営の流れが生まれてくることを期待してやみません。それとともに、そういった社員の人たちのモチベーションやモラールをリチャージすることに貢献できるサムシングを開発することにチャレンジしたいと思い始めた今日この頃です。


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