北朝鮮のまるで在庫処分セールのようなミサイルショーは、瀬戸際外交の一線を踏み外してしまい、自らを窮地に追いこむ愚かな行動としか思えません。軍部強硬派の暴走なのでしょうか。映画好きで自ら瀬戸際外交を演じてきた金正日のシナリオとしては駄作もいいとところであり、本人も知らなかったのではないかと疑いたくもなります。金英男さんと家族の再会劇を演じた政治ショーとも矛盾します。まったくわかりません。わからないのが北朝鮮です。
窮鼠猫を噛むというか、また焦りとしか思えない北朝鮮の今回の行動は、経済がさらに悪化し、軍部に相当不満が生じてきており、こういう極端な行動にでないと内部統制がきかなくなってきているということもあるのでしょう。
アメリカの北朝鮮の資金封鎖は、それ自体の資金を引き出せなくしたというだけでなく、偽ドルのマネーロンダリングを困難にして効果をあげてきているのかもしれません。ただでさえ不足している石油価格の高騰も北朝鮮経済をさらに圧迫しているはずです。石油が不足し、車両や戦車もまともに動かせず、航空機も飛ばせない北朝鮮に残るのはミサイルと核の脅しだけという姿が読み取れます。
それにしても、その核にしてもミサイル開発にしても、これまで日本から流れていった資金がその支えになってきたのではないかという疑いがでてきます。90年代初めには、国民総所得が二兆円そこそこの国に、日本政府機関の調査では年間二千億円ほど流れていたわけで、バブル崩壊以降は減ったといわれていますが、いかに在日の人たちの世代交代によって送金の温床となってきた総連離れが進んでいるとはいえ、日本経済の景気の回復にともなって再び送金が増えてきているのではないかと想像したくなります。
それにしても、不良債権処理と金融危機を乗り切ったことが小泉内閣の成果だとすると、その中に汚点もあります。北朝鮮の資金源であった総連が支配していた朝銀の破綻に1兆円もの公的資金を投入したことです。
しかも、違法な融資も発覚したにもかかわらず、誰一人逮捕者もでなかったという謎めいた処理でした。2000年に放映された「サンデープロジェクト」の『北朝鮮送金疑惑−血税一兆円!? 朝銀破綻の真相−』をもとにまとまられた記事がありました。その裏になにがあったのか釈然としませんね。
経済制裁強化に向かって日本政府は動くでしょうが、それだけでなく、スパイ防止法など足元を固めることも同時にやらないと、資金や技術の北朝鮮への流出に歯止めがきかないのではないかという気がしてなりません。

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