いやはや異常でした。ほとんどの人は、新聞の『特殊指定』問題など興味がなかったはずです。なにが問題だったかもわからなかった人も多かったのではないでしょうか。そりゃそうでしょう。ひとつにはそれこそ新聞社の『特殊問題』であり、さらに新聞社各社が反対の大合唱をやって、一方的なキャンペーン報道を展開、なんの議論もないままに、さらに与野党も加わって大騒ぎしたのですから。
自民党はわざわざ、高市早苗議員を座長に新聞販売懇話会の議員立法検討チームまでつくって、新聞を独占禁止法の『特殊指定』からはずさせない法律を検討していたのですが、高市早苗議員も、そんな暇があったら、年金問題をもっとしっかりやりなさいといいたいですね。
このマスコミと与野党の、まるで大政翼賛会そのものの前に、公正取引委員会も、ついに『新聞特殊指定は継続』ということで降参です。
しかしこの間の新聞各社のジャーナリズムとしては異常でした。政治とマスコミがつるむという最悪の事態が進行していました。
すべての新聞報道を見てきたわけでないのですが、この大政翼賛会的キャンペーへの疑問が新聞で取り上げられたのは、産経新聞の『正論』で、慶応大学阿川教授が書かれた「新聞は自身への異論にも寛容たれ」があったぐらいでしょうか。
そのなかで、実質値引きは行われている、戸別配達がなくなると新聞の多様な選択ができなくなるとは思えない、新聞協会の決議に反対の主張がほとんど新聞で報じられないという指摘をされていたわけですが、特に最後の点が問題ですね。
本当にはたして公正取引委員会は、それほど無茶なこと、新聞を崩壊させるような暴挙をやろうとしてきたのでしょうか。国会のなかでも、新聞報道に疑問を投げかけた答弁がありました。

昨年の十一月以来、関係業界、新聞協会等々と議論を重ねておりますが、いろいろ新聞に報道はされておりますが、公正取引委員会の言い分というものが紹介されたことは一度もないということでございます。特殊指定の廃止は反対であるという記事は出ておりますが、公正取引委員会が何ゆえにそういうことを提案しているかということについて説明された記事は残念ながらありません。
国会答弁;政府特別補佐人 竹島一彦氏
公正取引委員会の主張は、ここにわかりやすくまとめられています。ざっといえば、そもそも新聞は一般的には独占禁止法で禁止されている 再販制度が認められており、価格についてはその再販制度のなかでやればいいことで、わざわざ独占禁止法のなかで『特殊指定』する必要がない、本来は『特殊指定』のなかでも、長期購読割引,口座振替割引,一括前払い割引,学生・高齢者向け割引などが柔軟にできるにもかかわらず、『特殊指定』を口実にやらなかったから、口実にされるぐらいなら『特殊指定』を解除したいということとでした。主張としては、まともじゃないですか。すくなくとも、静かに議論すればいいことです。
あんなに、マスコミと政治家が大騒ぎしたということは、それだけ裏に潜んでいる利権を必死で守ろうとしているんだなと感じるのが自然でしょう。規制を撤廃しろという主張をどんどんやっておいて、自分たちだけは別だという虫のいい話、権力と規制に守られてのジャーナリズムって情けないと思わないのでしょうか。
今回の『特殊指定』問題とは違いますが、新聞の価格という点では、他紙が中途半端な価格であるのに産経新聞朝刊が100円のジャストプライスだというのはうれしいですね。ついコンビニでは産経新聞の価格付けに共感して手が出ます。価格を柔軟にできるというのは別に新聞社にとって致命傷でもなんでもないはずです。

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追記:「新聞に生き残る道はあるのか 新聞サイト アクセス伸びず」という記事がありました。何をなすべきかの判断を新聞社は間違っているのではないかと思いますね。