市場に乱気流が巻き起こって、先が見えない時代は、いち早く勝ち馬を見つけて、その勝ち馬にめざとく乗るというのもありかなと思います。今日は、勝ち馬に乗るというよりは、勝ち馬を真似てみるという話しです。
真似ると言うよりは、学ぶというほうがいい響きがありますが、勝ち馬が勝てている本質を知って学ぶことが出来るかどうかは疑問です。成功秘話を聞いたとしても、「戦略や成功の鍵は結果として描かれる」ことが多いので、本当のところはわかりません。それなら真似てみて、自分で体感するなかで得るというほうが真実味があります。伝統芸能などはそうだといいますね。まずはカタチから覚えていけということです。

そのひとつの勝ち馬の特徴ですが、営業支援のシステムを提供するビジネスをやっていて痛感するのは、好業績で勢いのあるの会社、つまり勝ち馬ほど、営業情報の共有を大切にしており、その管理や活用に熱心で積極的だということです。だから情報システムの活用度も高くなります。またそういう勝ち組は、情報の共有、またきめこまかな社内のコミュニケーションを促進することで、営業の質も高まっていき、生産性が高くなってくるので、ますますそうでない会社との差が付いていきます。善循環というやつでしょうか。
なぜ好業績な会社が情報の共有を大切にするかですが、きっと業績が伸びても、そう簡単に営業戦力を広げるということは難しく、慢性的な営業戦力不足が起こっているということがあるようです。だから、より効果的な営業活動をやらないとやっていけないという切迫感が現場にあり、その鍵は情報共有だと感じていらっしゃるからだと思います。
逆に業績が思わしくない会社、あるいは停滞している会社は、どこに手をつければいいのかが見えずらい状態になってきます。社内も、営業現場も元気がありません。営業の人たちがそれぞれ孤立していらっしゃいます。
それに業務を変えるということには消極的です。営業支援システムの導入の話しが持ち上がっても、異口同音のように「忙しいのに、そんなレポートを書いている暇なんかない」という声があがってきます。ほんとうに成果をあげており、もっと忙しい営業部門ではそんな話しはでてきませんから不思議なものです。そうやって、営業現場の情報力にどんど差がついていくのですが、これは慢性病みたいなもので気が付くのが難しいのです。

話しを戻しますが、カタチからでも、小さなことからです、「徹底してやってみなはれ」ということだと思います。ある会社で営業部門の大改革のお手伝いをしたことがあるのですが、参考になりそうな営業力の優れた会社の体制やしくみ、また行われていることを徹底的に調査して、追いつけ追い越せとやったことがあります。いわゆるベンチマーキングです。カタチを徹底的に真似たに過ぎません。しかしきわめて短期間で大きな成果がでました。
着手できること、たとえそれが真似であっても、本気で始めると、かならず新しい変化や流れが会社の中に生まれてきます。忍耐強く、愚直に徹底してやっていくうちに本質がわかってくるということもあるでしょう。たとえ真似であれ、うまく社内に新しい変化と流れをつくりだして、上手に育てていくのも経営の妙味に違いありません。

最新の人気blogランキング