村上ファンドは、発行済み株式総数の7・45%を取得していたTBS株の大部分を、10月末までに売却していたんですね。市場を通じて楽天が買ったということです。うまく売り抜けました。
木村剛さんは、「四面楚歌の楽天に勝機はある?」でマスコミがTBS寄りの報道であることに疑問を投げかけていらっしゃいますが、すくなくともブログでは、私だけでなく、当初からあまり楽天寄りのものがなかったという気がします。楽天というか三木谷さんは、伝統的なエスタブリッシュメントの世界には人気がありましたし、TBSとの経営統合に関しても理解を示すむきもありましたが、株を買い増したことで自らその流れを絶ってしまったように感じます。
ちょっと不自然な動きでした。今となって、村上ファンドの売り抜けだと分かると、肝心なところで楽天は村上ファンドからジョーカーを引いてしまったと感じます。
将棋や碁で言う敗着の一手というやつかもしれません。
ではエスタブリッシュメントではなく、一般の人びとからの支持とか、期待感を獲得してきたのかというと、後出しじゃんけんでのプロ野球参入とか、読売の渡辺会長との関係とか、サッカーも野球も最下位でスポーツ経営のセンスがないのじゃないかとか、ちょっと企業イメージ、あるいは三木谷さんのイメージがかなり劣化してしまっていて難しかったと思います。そうやって考えてみると、結局は自ら四面楚歌の状況をつくってしまったのではないでしょうか。
しかも、「放送と通信の融合」というのは、ライブドアの堀江さんが波紋を投げかけましたが、実際は、そういった方向で、YAHOOもUSENもインデックスも、イーアクセスといった各社も動きが急になってきており、さらに楽天のTBS株購入がきっかけとなって、TBSの重い腰を動かして、各社との提携を一挙に進めるという皮肉な結果となりました。
楽天はその点では「放送と通信の融合」の促進に貢献したということかもしれません。しかし、いずれにしても、なにかよほどの魔球でも三木谷さんが投げない限り、もはや終局という雰囲気になってきたのではないでしょうか。実際に魔球があると面白いとは思いますが、ちょっと想像がつきません。
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