大手家電10社のうち、なんとソニー、東芝、NECなどの6社が4-6月期の連結業績で赤字だといいます。もちろん、勝ち組、負け組とかいうこともあるでしょうが、それよりも各社がスマイルカーブの厳しい現実をつきつけられており、もはや電機という分野では物づくりで稼ぐのが極めて難しくなってきているということのような気がします。
smileちなみにスマイルカーブというのは、開発や部分製造という風上の工程、またメンテナンスとかアフターサービスといった風下の工程は収益性が高い、つまり儲かるけれど、製品の製造は収益性が低く儲からない状態をいいます。その状態をグラフで示すとちょうどスマイルカーブになりますね。
業種で言うと、部品を供給している、たとえばインテルのCPUのようなチップを売っているような部品メーカーは儲かり、また風下の流通業は儲かるけれど製品を売っているメーカーは儲からないということです。問題なのは、こういうスマイルカーブの状態に陥ってしまった多くの分野で、日本は強みを発揮しているということなのです。
流通業の人には悪いですが、そんなにたくさんマージンを取るのはちょっとあこぎではないですかと思うぐらいです。分野によっては、普通のお客さまが知ったら、きっと呆れるほどすさまじい利益をとっていらっしゃるのが現実です。それなら、もっと店員さんが商品知識を持つなり、お客さまにもっと快適なサービスをする企業努力をして欲しいと思うのですが、現実はそうではないので、なにか歪みを感じますね。将来もそうやっていけるのかというのはちょっと疑問を感じます。
そういう意味では、お店で値切るのが文化となっている大阪のおばちゃんみたいに、「お兄ちゃん、もっと勉強できるんとちゃうの。まけてえな。頼むわ。あと千円ひいてくらたらこうてもええねんけどなあ」と買い手もしたたかな交渉術を身につけるべきでしょうね。

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