昨日は、アイデアを選択する際の逆説的な傾向について書きましたので、今日はアイデアを発想するためのコツはないかということを考えてみたいと思います。いろいろとアイデア発想法に関しての書籍がありますが、今日は思いつくままに書いてみたいと思います。
若い頃に、製品アイデアをどんどん出していく仕事を続けていました。もちろん期限というか締め切りがあるので大変でした。大変でしたが、面白いといえば面白かったですね。アイデアを考えるというのは、連想ゲームとか、パズル集で遊んでいるというのに近いと思います。この頃のトレーニングが後にも役立ったように感じています。
これだけはいえるのですが、アイデアは結果を見れば単純で簡単なものが多いのです。答えのわからないパズルも解答を見てしまえば、なあんだというのと同じです。難しい数学を解くという類のものではありません。つまり、誰もがアイデアの達人になれる可能性を持っているということです。そう信じるきることで、はじめてアイデアへの扉は開いてくれます。
数が勝負。質を問わない
若い頃のトレーニング期間に学んだコツは、アイデアの「数」に目標を置くと言うコツでした。肩に力を入れて、いいアイデアをだそうとすればするほど、当たり前のアイデアしか出てきません。行き詰まってしまいリズムを失います。気楽に、たくさんアイデアを出してウォーミングアップを充分にするということです。そうです。ウォーミングアップです。一回のブレーンストーミングやアイデア会議で、いいアイデアが出るというのは宝くじに当たるようなもので、期待してはいけないのです。

無駄を恐れない。結論を急がない。
「仕事をてきぱきとこなす」というのと「アイデアを生み出す」とでは全く違う考え方が必要です。業務は効率性が求められます。効率を求めるということは、無駄を排除していくということです。
つねに無駄をなくそうとする仕事をしていると、アイデアを考えるというのは、ほんとうに無駄な時間を費やしているように思えます。だから時間内に結論や成果を作り出そうと急いでしまいます。それで成果が出ないとぼやくのは無理があります。
ウォーミングアップだと考えれば気楽です。ウォーミングアップはゲームをするのに必要ですが、ゲームそのものではないからです。だから、アイデアを考えるためのブレーンストーミングは、テキパキ、無駄をなくす仕事の匂いが染みついている普段の仕事の場ではなく、公園でもいいですし、保養所でも、仕事の場と違う環境で実施するのが望ましいですね。

リズムを大切にする
深く考えない。数を出す。質を問わない。どれだけ馬鹿になれるか。子供心になれるのかがウォーミングアップの目標には必要です。いつもの「真面目」、「一生懸命」をどうほぐすかに気を配ってみてはいかがでしょうか。そのためには、アイデアをだすリズムを重視するのもコツかもしれません。とにかく小気味よく数を出すことに集中するということです。

数を出す作戦
数を出していくためには、作戦が必要になってきます。ひとつの発想の軸を見つけると、連鎖反応でいくつかのアイデアがでてきます。それも、やがて行き詰まってきます。多くの優れたアイデアを出した人たちに共通しているのは、「問題」をたてたら、「縦横斜め、縦横無尽に考える」しつこさみたいなところだと思います。その「縦横斜め」という発想の軸を見つけていくことがコツかもしれません。
たとえば、常識リストをつくって、そのどれかをなくしたり変えたりするという発想の仕方があります。
なにかキーになる項目を定めて、他の業界ではどうやっているのだろうかとモデルを探す方法があります。さらに、もっと業界を離れ、自然界ではどうかとか、スポーツではどうかと参考になることを広げながらアイデアを求めていきます。
キーになる言葉を見つけて、連想ゲームをやって見るのもいいと思います。

アイデアは突然浮かんでくる
これは、アイデアの達人の多くの人たちが共通しておっしゃっていることです。皆さんも経験がありますね。考えているときには思いつかないのに、トイレの中とか、電車の中とか、布団の中とか、思いもかけない時にアイデアは浮かんでくるのです。専門家ではないのですが、人は問題意識を持つと、潜在意識のなかでも思考を続けており、その潜在意識が解き放たれたときにアイデアが浮かんでくるそうです。人の能力はたいしたものです。
だから、潜在意識に達するほど、しっかりウォーミングアップすることが必要なのでしょう。だからブレーンストーイングやアイデア会議などで結論をだそうとしないで、一旦持ち帰って、もう一度、ひとりで考える時間をつくることを忘れないでほしいですね。

コミットするということ
アイデアは、仕事は仕事と割り切ってしまうと生まれてきません。割り切れるほど生やさしいことではないのです。自分自身のための「問題」として考えないと潜在意識での思考が持続しません。いつも考えている。暇さえあれば考える。仕事をしながらも考える。そうとう「問題解決」に入れ込んでいないとできないことです。
面白いのは、せっぱ詰まるとアイデアがでるというのもありますね。ノーアイデアの場合、企画書を書いていて焦るのですが、なんとかしなきゃあという気持ちを抑えて、書けるところから書いているうちに浮かんでくることがあります。
きっと「ウォーミング・アップ」という準備、その後の「あたため」、そして再び「集中」という流れが必要なのかもしれません。

確信をもつこと
眠っていて夢の中でアイデアが浮かぶことがあると言われています。だから枕元にメモを置いておくという方もいらっしゃいます。私は、どちらかというと「いいアイデアを見つけた」という夢を見るほうです。朝になると、当然すっかり忘れています。しかし、解けたという感触が残っているので、どのように解いたのかを思い出そうとします。結局は思い出せないのですが、「解けた」と確信して考えていくうちにアイデアがでてくるということがあります。かならず「解ける」「アイデアが出る」という確信を持つこともきっと大切なことなのでしょうね。

もっといろいろ大切な事はあるとは思います。
若い頃に読んだ本ですが、A・オズボーンの『創造力を生かせ』はずいぶん参考になりました。本棚を眺めると、もっとアイデアに関した本があったのですが見あたりません。やはりいい「アイデア」はこっそり持ち去られてしまうもののようです。


創造力を生かせ

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