幸運なことに、私は、マーケティング・プロジェクトのチームメンバーとして、いくつかの成功を経験させてもらってきました。プロ野球でしたら、ピッチャーの勝率とか、防御率、あるいは打者の打率という数字がありますが、マーケティングの世界でもそういった数字があるとすると、かなりの勝率だと勝手に思っています。成功体験というのは、財産です。つい最近も、目薬の分野で面白い仕事をさせてもらいましたが、その会社のトップから、なぜ成功したのかとご質問を受けましたが、どのようなマーケティングのしかけを行ったかを説明しました。しかし、「戦略は結果として描かれる」ものです。一番確実なのは、グッドチームを作ったからにほかなりません。グッドチームが生まれると、課題に対して次々にアイデアが膨らんでいきます。生き生きしたコラボレーションが生まれてきます。これまでの成功体験の背景には、必ず、グッドチームが存在していました。マーケティングは、ひとりの情報や知恵だけでは、なかなか生きた解決は生まれてきません。まずはグッドチームは、ピンチを救う、あるいは成功の女神を引き寄せるゴッドチームともいえます。いいマーケティングを展開したいと思われたら、まずはグッドチームを編成し育てる。そこからはじめてみてはいかがですか?
マーケティングを追求していくと、どうしても人を育てること、またどのように組織を編成し、どのように業務を組み立てるかを考えざるをえなくなってきます。
マーケティングは、まさに「情報」と「知恵」の競争の世界です。それだけに「人」と「組織」の質が重要です。マーケティングというと、ともすれば、机上でできる仕事と考えている人もいらっしゃるようですが、実際は、現場の運営が鍵を握っているということを忘れないで欲しいところです。