ＪＲ西日本の尼崎脱線事故は、ＪＲ西日本の企業体質問題へと波及しはじめています。一部の報道は、まるで魔女狩りを楽しんでいるようにすら感じますが、懲罰的な「日勤」教育や縦割り型組織で部署が違えば他人事、上司にもの申せない体質なども明らかになってきました。
特に、ＪＲ西の経営の弱さ、特にリスク管理の甘さや社内の隠蔽体質などは三菱自動車を彷彿させます。平成３年の信楽鉄道衝突事故という教訓がありながら、安全に対する意識改革が不足し、また安全への投資水準も他の鉄道会社より低いというのは普通で考えると信じがたいことであり、非難されて当然のことです。しっかり教訓をいかしていれば防げた事故であったと思えるだけに残念でなりません。
特に、ＪＲ西の経営の弱さ、特にリスク管理の甘さや社内の隠蔽体質などは三菱自動車を彷彿させます。平成３年の信楽鉄道衝突事故という教訓がありながら、安全に対する意識改革が不足し、また安全への投資水準も他の鉄道会社より低いというのは普通で考えると信じがたいことであり、非難されて当然のことです。しっかり教訓をいかしていれば防げた事故であったと思えるだけに残念でなりません。
この事故は、視点を変えると、ＪＲの民営化は成功物語として語られてきたのですが、実は失敗の側面があったということを証明したようなものです。民営化すれば、素晴らしい企業活力が生まれ、なにもかもがうまくいくという楽観的な幻像が粉々に砕け散りました。
確かに、ＪＲ東日本、ＪＲ東海、ＪＲ西日本は黒字経営であり、またＪＲ負担とした国鉄債務の14、5兆円は利息も払って返済してきているので、そういうった点では成功したのかもしれません。国鉄清算財団が持った 22、7兆円は、なまじ政治が介入したためにさらに増えてしまったのとは対照的です。
しかし、黒字化したとはいえ、さまざまな体質改善ができず、さらに鉄道にとっての最大の品質である安全性が守れなかったということでは失敗です。経営は結果であり、経営の質が悪かったということに他なりません。三菱自動車とまったく同じことです。
それならば、どうすれば、経営の質を上げていくことができるのでしょうか。ライブドアとフジテレビのニッポン放送をめぐる攻防で企業統治が問題となっていましたが、今回も、問われるべきは、経営の監視や企業統治のあり方になってくると思います。
会見を見る限り、経営側のリーダーシップも極めて弱く、組織の隅々、また現場へも浸透していないようです。どう見てもＪＲ内部だけの努力では限界があるのじゃないでしょうか。もちろん社内の情報のパイプとなる人材抜きに改革ができるとは思いませんが、社内の人材だけでは難しそうです。
ＪＲ西日本の経営をどのように立て直し、社内の改革を行えばいいのかを、現在の経営陣の皆さまは、それこそ我が身を捨てて考えて欲しいものです。そうしなければ、犠牲になったかたがたは決して浮かばれません。
追記：旧国鉄の巨額の債務ですが、国労や動労によるストや劣悪なサービスで生まれたという情報操作が当時ありました。債務問題だけでなく、すさまじい国労や動労つぶしがあったのですが、日勤教育なども国労や動労の組合員のリストラのためのいじめで生まれたモノかも知れません。
実際には当時、国鉄は営業黒字であり、債務は国鉄に群がった政治家やゼネコンなどが高い工事費で、無茶な投資をどんどんしてきた結果であり、それは今も続いているというこの国の異常さも忘れたくないですね。
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確かに、ＪＲ東日本、ＪＲ東海、ＪＲ西日本は黒字経営であり、またＪＲ負担とした国鉄債務の14、5兆円は利息も払って返済してきているので、そういうった点では成功したのかもしれません。国鉄清算財団が持った 22、7兆円は、なまじ政治が介入したためにさらに増えてしまったのとは対照的です。
しかし、黒字化したとはいえ、さまざまな体質改善ができず、さらに鉄道にとっての最大の品質である安全性が守れなかったということでは失敗です。経営は結果であり、経営の質が悪かったということに他なりません。三菱自動車とまったく同じことです。
それならば、どうすれば、経営の質を上げていくことができるのでしょうか。ライブドアとフジテレビのニッポン放送をめぐる攻防で企業統治が問題となっていましたが、今回も、問われるべきは、経営の監視や企業統治のあり方になってくると思います。
会見を見る限り、経営側のリーダーシップも極めて弱く、組織の隅々、また現場へも浸透していないようです。どう見てもＪＲ内部だけの努力では限界があるのじゃないでしょうか。もちろん社内の情報のパイプとなる人材抜きに改革ができるとは思いませんが、社内の人材だけでは難しそうです。
ＪＲ西日本の経営をどのように立て直し、社内の改革を行えばいいのかを、現在の経営陣の皆さまは、それこそ我が身を捨てて考えて欲しいものです。そうしなければ、犠牲になったかたがたは決して浮かばれません。
追記：旧国鉄の巨額の債務ですが、国労や動労によるストや劣悪なサービスで生まれたという情報操作が当時ありました。債務問題だけでなく、すさまじい国労や動労つぶしがあったのですが、日勤教育なども国労や動労の組合員のリストラのためのいじめで生まれたモノかも知れません。
実際には当時、国鉄は営業黒字であり、債務は国鉄に群がった政治家やゼネコンなどが高い工事費で、無茶な投資をどんどんしてきた結果であり、それは今も続いているというこの国の異常さも忘れたくないですね。
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