新市名「南セントレア市」採用を巡って混乱した愛知県美浜町と南知多町で、合併の是非と、新市名選びを兼ねた住民投票が行われた結果、合併反対が過半数を超え、新市名どころか合併そのものが破綻しました。ブログ「プログレッシブな日々」さんは、「お笑い市町村合併」というタイトルで、このことを取り上げ、「住民投票の投票率の高さに、『セントレアなんかぜったい嫌!」』という住民の切迫した気分がありあり」とコメントされています。
まず市町村合併だけを決める投票であったならば、結果はどうだったのでしょうか。きっと違ったような気がします。「南セントレア市」という名前を聞いて、この市長村合併の実態、底の浅さを住民のかたがたが感じてしまったのではないでしょうか。合併後の新市名を「中央アルプス市」としていた長野県駒ケ根市と飯島町、中川村の合併劇もひきつづき住民反対で破綻しました。まさに「名」は合併の動機の軽さを象徴しているかのようです。
もちろん合併した方がいいケースもあるとは思います。過疎化が進み、単独ではもはや行政がなりたたなくなってしまった村もあると思います。しかし、今回進んでいる市長村合併は、ちょっと違います。総務省の手切れ金(補助金)政策であり、手切れ金欲しさに合併に走っているところも少なくないように思えます。地方の借金を増やしておいて、総務省支配を維持する政策でしかないという批判もあります。

それはさておき、よく地方にいくと、気恥ずかしい名前が付いている観光地があります。かつてのリゾートブームに乗って命名したのでしょうが、よけいに時代のズレや嘘っぽさを感じて興ざめしてしまいます。具体例には事欠きませんが、書くことはやめておきましょう。
それぞれの地域は、それぞれの文化を持っています。小さな界隈にも、古い町には歴史があります。それも含めての地域の魅力ですね。今や悪名高くなった大阪市は、地名変更をおこないましたが、まったくそういった文化を無視して古い名前の大半が消えてしまいました。文化破壊もいいところでした。

大切なのは、合併ではなく、地域の価値ということをもう一度よく考えることではないでしょうか。地域の価値をどのように上げていくかということが本質であって、その議論がないままに、市町村合併が先行するというのはいただけません。行政がくっついたところで、地域の魅力が増していくとはとうてい思えませんからね。くっつけるなら、市町村ではなく、県と県の合併、道州制への移行のほうがはるかに重要だったはずです。

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