新しい分野の仕事をするとき苦労するのは、あまりにもその分野の知識がないことです。わからないことだらけで、情報を集めながら、ああなのだろうか、こうなのだろうかと手探りで調べていくしかありません。全体像を理解するのにも時間がかかります。また的のはずれた事を考えていたりします。
思考もいったりきたりで、効率が極端に悪いのです。
しかし、いろいろ調べていくうちに、さまざまな疑問がでてきます。なぜこうなっているのだろうかとか、なぜそうしているのだろうかと、理由を探して思いをめぐらしているうちに、生きた思考が全開で回り始めます。そのうちにアイデアも浮かんできます。それが馬鹿げたアイデアかどうかなんて考えません。そうしているうちに結構新しい発想が生まれてくるものです。知らないことが強みになってきます。

長くタッチしてきた分野は、周辺の知識もあり、事情もよく知っているので、あまりとんちんかんなことを考えません。回りの人たちと知識も共有しているので話も早いですね。しかし、自分でも気が付かないうちに思考の壁をつくってしまいがちです。
それは無理だ、現実的でない、誰がするんだと、さまざまな事情が、まっさきに浮かんできます。
しかも、いろいろ考えようとしても、いつの間にか思考のバイパスとか、ショートカットキーができあがってしまってあたりまえの結論に引き寄せられていきます。ほんとうのアイデアの宝は、その隙間に潜んでいるというのに、高速で考えが通り過ぎてしまい見失ってしまうのです。これがひとりひとりだけでなく、チーム全体も、そんな落とし穴にはまっていきます。どうもアイデアや新しい発想を生み出すパワーと仕事の慣れは反比例しているようですね。

こんな落とし穴に陥らないためには、自分たちが思っていることのなかになにか間違いがあるという確信を持っておくことではないでしょうか。しかも、すばらしいアイデアや発想は、とんでもないところにあるのではなく、身の回りの中にあって、それに気が付かないだけだと考えることかもしれません。
鍵がない。どこにあるのだろうと、いくら探し回っても、最後に置いたのはどこだっただろうかと思い起こしても見つかりません。あげくのはてに、誰かがどこかに持っていったのじゃないかと疑い始めて、側にいる人に聞いてみると、思わない返事が返ってきて愕然とします。
その人が目の前の机の上を指さして、

「鍵って、その鍵とは違う鍵ですか?」

こんな経験はありませんか。


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