dc4526c5.bmpDELLとHPは、世界のPCの両巨頭です。今朝の日経新聞の記事によると、2004年のパソコン世界出荷でDELLが16.4%、HPが14.6%と、三位のIBMの5.5%を大きく引き離しています。
シェアではこの両社は拮抗しているのですが、DELLは2004年10月-2005年1月期で、売上高も、純利益も過去最高を記録、一方、HPは売り上げが伸びなかったばかりか、収益力で大きく差が開き、一昨日フィオリーナ会長兼CEOの辞任が突然発表されるという事態にいたっています。
マーケティングとスピーチの異才を持つ女性として注目され、HPのCEOに抜擢されたフィオリーナさんですが、ソリューションではIBMに勝てず、PCでは、「PCは生鮮食料品」と位置づけ、部品在庫も極力押さえ、通販で、「売ってから造る」という独自のビジネスモデルに特化してきたDELLには勝てませんでした。

IBMがPC部門を中国のレボノに売却しで全世界に衝撃が走ったばかりですが、PCの世界は、ますますDELL一人勝ちになりつつあるようです。あらためて、商品やサービスの競争だけでなく、しくみの競争の時代、経営資源を何に集中するかという競争となってきているということが思い知らされます。
このフィオリーナさんの辞任、というよりは解任だと思いますが、時々おじゃまするブログで、さっそくとても参考になるエントリーがありました。
ひとつは「裏編集後記」さんの「拡大する企業と集中する企業」で、もうひとつが「R30::マーケティング社会時評」さんの「フィオリーナ会長辞任に思う、HPとソニーのたどる顛末」です。


私はあきらめない―世界一の女性CEO、カーリー・フィオリーナの挑戦


マイケル・ポーターはかつて「競争優位の戦略」を世に出し、今日の競争は、たんに製品やサービスの競争だけでなく、企業の資源やしくみでどうやって優位にたつのかという視点が必要だということを提起しました。また今日は範囲の経済の時代ともいわれています。つまり相乗効果が生まれる事業の組み合わせが重要といわれる時代、いかえれば取捨選択の時代です。集中したほうがいいのか、拡大したほうがいいのかは、市場の状況や競争関係で決まってくると思いますが、最悪は人・もの・金・情報の資源が分散してしまうことです。
かつて、ゼロックスは、あまりに広く自らの事業のビジョンを描きすぎ、経営資源が分散して苦境に陥ったたことがあります。その反省から、今日の「ドキュメント・カンパニー」として事業の集約と集中をはかって再生したという歴史があります。
そういった視点でSONYさんを眺めると、これまでもこのブログで書いてきましたが、いったいどこに行こうとしているのかが見えてきませんね。

 おひとり、おひとつのクリックが励みになっています。

 
よろしくお願い致します。(^_^.)