ライブドアのニッポン放送買収への動きが発表されたかと思ったら、今度は、三井住友と大和証券の統合の話がでてきました。なにが飛び出してくるかわからない時代になってきました。
実際、さまざまな分野で買収、統合、提携といった動きが目立ってきています。つい先日も、DPEのキタムラとTUTAYAのCCC(カルチャー・コンビニエンス・クラブ)が資本提携して、店舗展開をはかるという記事も発表されました。
それぞれの企業が、それぞれの領域で変化に対応していくというだけでは、市場や社会が求める変化の速度に間に合わないばかりか、より新しい価値を求める市場や社会に応えていくことが難しい時代になってきたのかもしれません。しかも、変化に対応できなければ、あっという間に経営が危なくなってしまう大変な時代です。

現代は、スピードと範囲(組み合わせ)の経済だといわれて久しいのですが、まさにそれが大きなうねりとなって社会を揺り動かしはじめているようです。しかもいったんパンドラの箱が開いてしまうともう後戻りはできません。
しかし、どんな時代でも大きな変化に対しては、それに抵抗して、かたくなに古いしくみを守ろうとする人たちも現れてきます。そんな変化の狭間のせめぎ合いを、私たちはプロ野球騒動で見聞きし道路公団や郵政の民営化で見てきました。また今回のライブドアのニッポン放送株取得に関して、フジテレビ側の対応でも多くの人たちが感じたことだと思います。普通で考えれば、このままでは、フジサンケイグループに明るい将来も展望もないはずなのですが、変化をうけいれたくはないのです。

これまでの変化の多くは、新しい産業や、新しい業態、また新しいビジネスモデルをもった新勢力が成長し、やがて市場を変えてきました。セブンイレブンがはじめたコンビニが急成長し、もうすぐコンビニエンス業界が百貨店売上高を超す勢いです。先に触れたTUTAYAのCCCも、レンタルレコードという新しい業態で成功し定着させました。アスクルもオフィス向けの文房具の通販をはじめ、会社を設立して10年経たないうちに売り上げ規模が、はや1000億円を超えています。さらにIT、ネット企業群が登場してきました。こういった変化は、その会社に勤めていないか、競争によって打撃をうける会社にでも勤めていない限り、他人事として眺めていることができます。あの会社は勢いがあるなあと評論していればすみました。

しかし、そうはいってられない時代がやってきているように感じます。新興勢力が登場して成長して、ゆっくり産業が入れ替わっていくというだけでなく、合併や吸収による会社の組み替えが、これまで以上に起こってくるのではないでしょうか。
今でも金融、流通、医薬品などの業界では、すでに業界内で起こってきていることです。しかし、今後は、業界の枠内にとどまらず、業界の枠をこえて、もっと広範囲に、業界の違う企業と企業の組み替えも起こってきそうです。ある日、突然、合併が決まる、吸収する、吸収されるということが起こっても不思議ではありません。株の時価総額で、企業買収ができるようになると、これはさらに加速されてくるのではないでしょうか。
それは、企業経営にとってのリスクというだけではありません。個人にとっても、好むと好まないにかかわらず、いつ何時、企業と企業の合併・吸収と言った組み替えの波風に巻き込まれるかわからないということです。そういったリスクに備えるということが必要になってきているのかもしれません。すでに、管理職を対象として、新しい会社に残すかどうかの評価をするビジネスもでてきているぐらいです。
会社が変わっても、会社を変えてもやっていけることが安全ですが、きっと、さまざまな社会で取りざたされる変化を、我が身のリスクとして感じて、受け止めてみることが、そういったリスクの備えをつくる第一歩につながるのではないかと思っています。不思議なもので、変化を読む力がついてきます。
どんな変化が来ても、変化をも吸収できるやわらかさ、また変化をバネにしてチャンスを掴むしたたかさを持たないとやっていけない時代がきつつあるのかもしれません。

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