ひとには、きっとなにかのこだわりというものがあると思います。しかし、たまに、こだわる必要のないことまで頑なにこだわり、変化を嫌う人がいます。個人の生き方としてはそれも良いとは思うのですが、ことビジネスとなるとそうはいきません。
時代はどんどん変化していっています。お客さまも、社会が求めるものも変わり、またIT化の影響もあり仕事の仕方もどんどん変わってきました。変化への適応力は最低限必要だという時代となってきました。もっというなら、変化するチャンスを見つけだし、また変化を生み出せる人でないと評価されない時代になってきています。ではどうすれば、変化に向き合って対処していく能力が身に付いてくるのでしょうか。
生活のなかでリスク慣れ、楽しむ
ひとつは生活態度があると思います。マーケティングの分野で育ってくると、若い頃から先輩たちに、新しい話題の店ができたら必ず行け、いい店を自分で探せ、趣味を持て、料理ひとつできなければ失格、自分で買い物をしないと駄目だと、生活そのものに変化をつけるように厳しくしつけられてきました。いろいろお目にかかった有能なマーケッターや事業家の人たちに、こういった態度は共通しているように思います。
生活に変化がなくなると日常的に「自ら考え、自ら判断する」ことをしなくなります。自ら判断するというのはリスクをともないます。せっかく大枚はたいて買ったスーツがまったく似合わなかったということだってありえるわけです。だから、雑誌をみたり、街でウォッチングしたりして、できるだけリスクを減らし、いい買い物ができるように判断材料を収集するようになりますね。
つまり、リスクを感じると、ひとは積極的に情報を収集したり、いろいろな店や商品を自らの足ででかけて調べ、人の意見も聞き、リスクをなくそうとします。最初はめんどうでも、やがてそうすることが結構楽しくなってきます。それが楽しくなったら、もう変化に向き合い対処する基礎態度や基礎能力ができているということです。それが仕事にもでてくるから怖いですね。

今やっていることには必ず間違いがあると考える
仕事に慣れて来るときが、変化に向き合い対処する能力の退化が始まるときです。どんな仕事の仕方にも絶対正解というものなどありえません。どこかに、旬がすぎてしまって、効果が薄れ、非効率なところが生まれてくるものです。
それを改善的に発見するのか、理想の姿と現実のギャップから発見するのかはいろいろあると思います。大切なのは、自分は「間違ったことをやっていないか」という疑問をいつも頭の片隅にもっているかどうかです。
会社のやっていることが間違っているとか、上司のやっていることは間違っているという批判精神をもつ人は多いのですが、「自分のやっていることが間違っている」と考える人は案外少ないですね。また「岡目八目」で、横にいる第三者はすぐに気づく事でも、自らの間違いを見つけるのは至難の業です。もし身近に「あんたは間違っている」という指摘をしてくれる人がいたら大切にしたいですね。

ロジカルに考える
変化した環境、変化した市場に対処するには、これまでの仕事の組み立て方ではうまくいかないものです。また正しいと信じ、疑ったこともない常識が最大のネックであるというのがほとんどです。このレベルになるとロジカルに考えていかないと正解はでてきません。
イノベーションは、最初のアイデアは思いつきであっても、実際に実行していくためには、なにが求められているのか、市場とのギャップは何なのか、物事をきめる基準や価値観の何を変えなければならないのか、どこに、これまでの仕事の間違いがあり、また社内を動かし変えていくためにはどうすればいいのかということを考えなければなりません。
しかし注意したいのは、ロジカルに考えることは、決して難しく考えるということではないのです。「シンプル イズ ベスト」です。こだわりをすて、積み木細工のように考えかたを組み立てていくということです。あとはいろいろ議論すればどんどん精度は高まってきます。

ぜひ、こういった変化と向き合い対処するチャンスがあれば、どんどん積極的に手をあげるてください。大きなイノベーションが起こった現場にいたというだけで、貴重な体験がえられます。大きなリスクも知恵をだして汗をかけば乗り切れるという自信にもつながります。
どうせ慣れるなら、変化やリスクに慣れたほうが将来の備えにもなりますね。

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