エビジョンイルの辞任も時間の問題になりましたが、これでNHK問題が収まってしまうと後世に悔いを残すことになりそうな気がします。不祥事再発の防止ということだけでなく、NHKのありかたについて、今後のインターネットとの融合時代も見据えた深い議論が始まることを期待したいものです。
NHKも民放にしてしまえという声もありますが、しかし、今や斜陽産業化しつつあるフツーの民放にしてもつまらないですね。どのチャンネルを見ても、同じタレントが同じようなくだらない番組を垂れ流すというだけという放送局が増えても面白くありません。
民営化するなら、どう民営化するのか、NHKはこれからの時代にどんな貢献ができるのかをしっかり議論することでしょう。このNHKの問題について、国際大学池田教授の「池田信夫blog」に、「NHK民営化の道」のタイトルで3回に渡るエントリーがあり、興味深く読みました。ぜひご覧になることをオススメします。

NHK民営化の道(1)
NHK民営化の道(2)
NHK民営化の道(3)


NHK問題は、エビジョンイルにしても、ナベツネにしても、政治とメディアが暗い関係で結ばれる、まるで発展途上国型さながらの負の遺産から抜け出すためのいい機会となりました。トップが腐っていると、当然内部から腐敗が芽生えてきます。
ナベツネとともに自滅するのは読売の勝手ですが、NHKは視聴者のお金で運営され、築かれてきた公共資産ですから、私物化は許されません。プロ野球問題でプロ野球機構がまったく機能していないことに大きな問題があることが浮き彫りになりましたが、NHKも同じです。経営得委員会が機能していません。まずは、誰がNHKを経営し、また経営をチェックするのかという問題の解決が第一の焦点ですね。
NHKは、その資産を活かせば、視聴率で右往左往する現在の民放にはできない独自の道を開拓できるはずです。NHKはそれをハイビジョンに賭けてきました。これが大いに間違いです。ハイビジョンは、今日の大画面テレビというハードのプロモーションには役立ちましたが、それ以上の意味はあまりありません。
「NHK民営化の道(3)」のなかで
「今の放送がデジタル時代にふさわしいメディアとして生まれ変わることは、むしろきわめて重要な問題だと思っている。ただし、その鍵となるのは解像度ではなく情報の多様性であり、インフラ(電波)ではなくコンテンツだ」とありますがまったく同感です。12年前に、神戸大学大学院の現代経営学研究所が発信する季刊誌「ビジネス・インサイト」に投稿した原稿のなかで、「焦点はコンテンツであり、ハイビジョンには限界が来る」と書いたことを懐かしく思い出しましました。

プロ野球問題を思い起こして貰いたいのですが、ライブドアの堀江さんや、ソフトバンクの孫さんが力説されたのが、「コンテンツとしてのプロ野球」ということでした。つまり通信の発展で、インターネットでもテレビと同じように番組が流せるようになりますが、流して見てもらう番組を持っていなければ話になりません。流すパイプのほうは、地上波、CATV、衛星放送、光ファイバー、携帯とどんどん広がっていくのですが、流す中味としてのコンテンツがないと、なんの意味もありません。
情報通信時代の発展の鍵を握ってくるのはコンテンツです。見る側が望んでいるのは、画質よりはまずは、面白い、あるいは見る値打ちのある番組内容です。つまりコンテンツです。

ゲームの内容がどんどん高度化するにつれ、ゲームソフトの市場が縮小していったことは、このことを考えるいい例です。ゲーム内容が高度化して、ゲームソフトの開発に巨額の資本が必要となり、コンテンツ開発の壁がどんどん高くなり、開発できる会社がどんどん減ってしまいました。結局はゲームのバリエーションも、ゲーム人口も減るという皮肉な結果になってしまいました。
NHKは過去の番組でも、いいコンテンツをたくさん抱えています。それが自由に取り出せたらどんなに素晴らしいでしょう。視聴率という、もはや過去の時代になりつつある指標でなく、番組の値打ちはなになのかを考え直していけば、これからのユビキタス時代を牽引する存在としてのNHKという姿が自然に浮かんでくるように思います。おそらく次世代の日本の競争力を培う上でもNHKは重要な役割を果たせるようにも思えるのです。

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