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aicezuki君が逮捕されました。この問題の根本的な原因は、たんに京大の試験監督をやっていた人たちの監視がまずかっただけですが、カンニングの手口が新しく、またネットを利用したことで、警察もマスコミもが飛びつき、また世間の関心を呼びました。

おそらく鉄道が普及していった時も、自動車が普及していった時も、従来では考えられない事故や問題が発生し、新しい出来事が起こるたびに人びとの関心を集め世間が騒いだのでしょう。

事件というほどの出来事だったかは別にして、この事件が起こった根本原因は、試験の監督を行っていた人たちの気の緩みでしょう。おそらく受験生たちはカンニングなどしない、試験会場にいるだけでカンニングに対する「抑止」ができるだろうという認識だったのではないでしょうか。

監視に当たっていたのは、きっと大学の教官のかただと思います。大学の先生の多くは、研究者としては一流だとしても、実務家としての能力が求められる機会は少なく、どちらかというと不得意な方が多く、しかたのないことだと思います。だから、現場に立った方の監視が不十分だったことを責める気はありません。むしろ大学当局が警察に通報したことは、自らの責任逃れだと非難されてもしかたがないと感じます。

しかし逆に、それだけ緩いから、カンニング方法が「紙」や「携帯のメモ」などから「ネット」を使う画期的な方法がaicezuki君は思いつき、実行できたということでしょう。それが結構重要な鍵だと思います。規制、監視が行き過ぎると新しいことは起こりにくいということです。

映画「ソーシャル・ネットワーク」で、規制や監視の緩いハーバード大学のシステムをを使って女子大生の人気投票のサイトをつくり、学生たちがそのサイトに殺到して、システムを麻痺させたエピソードがありましたが、それを思い出してしまいました。

さて、今回のカンニングで、その手口の巧妙さもさることながら、驚くべきは試験会場から試験問題をヤフー知恵袋に投稿して、即座に回答が返ったリアルタイムと言っていいほどの情報のやりとりの速さです。むしろそちらのほうに意味を感じます。

もちろん、普段からTwitterのタイムラインに流れるツイートの流れの速さや、リツイートの速さは体感していますが、試験問題というどちらかという特殊な質問であっても回答が戻されるネットワークの広がりと層の厚みです。それは、ネット社会がいかに進んできたかを象徴しているように感じます。

ネットの向こう側に膨大な人たちがおり、いつもつながっている状態であり、普通の人には解けない受験問題ですら即座に解く能力のある人が、なんら報酬もないのに即座に解答を返したという事実は、ネット社会の進展を象徴する出来事だったのではないでしょうか。

今回のカンニング問題に対するマスコミの反応もさまざまですが、あいかわらずネットの怖さとか影の部分を、いたずらに強調するものも見受けられます。おそらくまだ今起こっている時代の変化を理解出来ず、受け入れられないのでしょう。

自動車を使って犯人が逃げた、だから道路は問題だ、自動車は怖いと言っているに等しいものもあるので面白いですね。いくら制限速度という規制を設けたとしても、犯人が車を使って逃亡することは防げないのです。逃走手段の是非よりは、根っこの犯罪をいかに減らすのか、そこに問題を立てるべきです。

金髪のaicezuki君は、受験としては当然失格でしょうが、今回の件で悲観することはありません。こんな人材を欲しいという企業は、大企業はともかく、ベンチャー企業のなかにはあるはずです。いや今回受験した大学で入学を認めるところがでてくれば、むしろその大学は買いです。

報道によると、かなり受験のストレスがあり、ヤフー知恵袋に、近所でいい精神科はないかという質問も投稿されていたようですが、今回の逮捕にめげず、この体験を生かして、心の弱さを克服してくれたらと感じます。


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