経営
2008年06月24日
サントリーのビール事業が参入45年で初めて黒字化とは
サントリーのビール事業が08年12月期に黒字化する見通しで、しかも1963年にビール事業に参入して以来初めてだそうです。
サントリー、ビール事業悲願の黒字化へ 参入45年で初
45年間赤字でやっていたということですから、執念のようなものを感じるとともに、赤字事業を半世紀近く継続できたのも非上場企業だからでしょう。恐れ入ります。ウィスキーの熟成には長い年月が必要であり、長い目で事業を見るという文化があるのかもしれません。
そういえば、お世話になっている会社が創業50周年を迎えられましたが、古い樽から厳選されたサントリーのウィスキーを頂きました。こういった記念になるものを提供できる企業って少ないですね。思わず、山崎の蒸溜所に眠る樽の列が目に浮かんできました。
ホームページで決算資料を確かめると、一貫して売り上げ、経常利益ともに伸びてきており、2007年の売り上げが1兆4948億円、経常利益が758億円となっています。ビール事業は売り上げの15%を占める2252億円という規模ですが、ビール事業が、経営に緊張感をつくり、チャレンジ精神を育てる健全な赤字部門の働きをしてきたのではないかと思えます。
缶ビールの価格を据え置き、今期中にサッポロを抜いて3位に浮上する見通しであることにに関しても、朝日新聞の佐治信忠社長へのインタビューで「3、4位の争いは大して関心がない。シェア20%、25%を狙わないと意味がない」と語っておられるところを見ると、やはりビール事業には特別な思いやこだわり、もっと大きな夢があるということでしょう。
缶ビールの価格据え置きでサントリーがサッポロ逆転へ
2008年05月31日
プリントゴッコが消える
年の瀬となってくると、百貨店でプリントゴッコのデモンストレーションがおなじみの光景であり、プリントごっこは年賀状づくりの定番的な存在でした。そのプリントごゴッコが、この6月で販売を終了することになります。
理想科学工業は「需要回復までには至らなかった。Eメールの普及などで、日本の年賀状文化が衰退してきていることも要因の1つ」としているそうですが、それよりは、やはり、PCやインクジェットプリンター、またデジカメの普及で、年賀状作成ソフトで作成したり、お店でポストカードを作成する人が増えてきたことが原因でしょう。プリントごっこもデジタルへの対応をしていたものの、インクジェットには勝てなかったということだと思います。時代ですね。
プリントゴッコが販売終了 年賀状文化の衰退も後押し
理想科学といえば、雑誌のインタビュー記事かなんかで、創業者のかたが「開発はごっこでないといけない」と語っておられたのを思い出します。
現場で、現物をいじりながら、こうしたらどうか、ああしたらどうかと、みんなでワイワイ、ガヤガヤやっているといいアイデアが出てくる、いいアイデアは自由な遊び感覚のなかから生まれるということでしょう。まさにその通りだと思います。
理想科学の創業は、輪転謄写機に使用するエマルジョンインクの開発に成功したところから始まるのですが、「世界に類のないものを創る」という志と、そういった自由な開発の哲学があるからこそ、ゼロックスやキャノン、リコーやシャープなどがひしめく複写機市場とは違う、リソグラフという簡易印刷の領域をうまくつくってこれたのではないでしょうか。
2008年05月29日
『白い恋人』も『赤福』も復活したのに『船場吉兆』は廃業
老舗の「のれん」と「ブランド」は違うという考え方もありますが、ちょっと無理かなと思います。「のれん」も立派な「ブランド」です。のれんもブランドも、いったん人びとの心の中に刻まれ、しっかりしたポジションを得ると、それは商品やサービスを超えた重要な市場資産となり、そう簡単に壊れるものではありません。
だから、北海道の『白い恋人』も賞味期限の改ざん問題であれだけ非難を浴びたにもかかわらず人気が復活し、石屋製菓のホームページを見ると、「品薄状態が続いているめ、ご購入頂けないことがあります」というお詫びが掲載されているほどです。『赤福』も伊勢に行くと並ばないと買えない人気復活ぶりだそうです。
船場吉兆も、食品偽装でマスコミをあげての非難の嵐があり、さらに記者会見の女将のささやきがおもしろおかしく報道されましたが、営業再開後は予約が入り、お客さまも戻っていていたといいます。ブランドはそう簡単には壊れないということをまざまざと感じさせてくれます。
ブランドがいかに市場資産として重要かという、こんな経験をしたことがあります。かつてはトップブランドであったある商品が、特許切れからその後に新規参入を招き、それに対して手をこまねいているうちに、どんどんシェアが低下し、事業存続も風前の灯火となっていました。
その再建の陣頭指揮にたつことを依頼されたのですが、残っていたブランド力を生かし、マーケティングの改革を行ったことで、わずか3年でトップと並ぶところまで復活させました。マーケティングの魔法で奇跡を起こしたようですが、もし市場資産としてもブランド力が残っていなかったら到底再建は実現できなかったに違いありません。
しかし、今回の使い回し問題は、それが正しい、正しくないという理性の評価を超え、人が手をつけたものを出すというのは気持ち悪いという感覚的というか生理的な拒否感を生み出してしまいました。
感覚的な、生理的な拒否感が生まれてしまうと、いくら悔い改める、努力すると弁解しても心に届きません。アパレルなどのようにトレンド性が価値となっている分野では、「あのブランドはダサイ、イケてない」といわれるようになっしまうと厳しいのと同じでしょう。
恋愛や夫婦関係も同じかも知れません。いくらケンカしても、感覚的な、また生理的な拒否感がなければなんとかなります。しかし、相手が気持ち悪いというようになってしまったら、もう手のつけようがありません。
記者会見の席で、女将が涙ながらに、この使い回し問題が発覚してから、客足がどんどん減り、ついに廃業を決心せざるを得なくなってしまったと語る姿はほんとうに痛々しく感じました。
使い回し問題の余波は、きっと船場吉兆の廃業では終わらないでしょう。吉兆グループの各社にも甚大な影響を与えているといいます。創始者である先代の湯木さんが間違ったのは、生命線となるのれん管理、ブランド管理を、のれんわけということで分散化させてしまったことではないでしょうか。しかも本家の意向が効く通常ののれんわけとは違うカタチでのれんわけしてしまったことでしょう。
船場吉兆問題は、ブランドを守ることがいかに重要か、ブランンド管理ができる経営でなければ危ういという教訓を残したのではないでしょうか。
2008年05月15日
弁当戦国時代がいよいよスタート
今日から、ほっかほっか亭総本部から離脱したプレナスが、新ブランド「ほっともっと」への一斉切り替えを行い、いよいよ「ほっかほっか亭」と「ほっともっと」の激突が始まります。
こういった事態にいたったのは、フランチャイズ本部としての「ほっかほっか亭総本部」が本部機能や統治能力が弱体化し、実質的には、九州と東日本で展開していた地域本部会社としての株式会社プレナスと関西・中部で展開している株式会社ハークスレイが主導権を握っていたこと。さらに考えられないことですが、フランチャイズの要となる「ほっかほっか亭」の商標すら、総本部が押さえていなかったことでした。事態はねじれにねじれて今日に至ったようです。
ほっかほっか亭総本部よりさらに創業が古い株式会社ほっかほっか亭をダイエーが買収し、さらにそのダイエーのもっていた株をプレナスが買い取ったことで、プレナス側が東日本でのFC展開と、商標権を握ったわけですが、さらに総本部の株式の44%を取得して、実質的には、プレナスがほっかほっか亭の支配体制ができます。しかし、創業者と折り合いがうまくいかなかったのか、総本部の創業者が、ハークスレイに株式を売却したことで、ハークスレイ対プレナスの対立と言う構図に移ったようです。しかしそれにしても、そもそもスタートからブランドを甘く見ていた感がありますね。
商標権を巡る争いに加え、プレナスがオフィス街でワゴン販売を始めたことに総本部がフランチャイズを逸脱した行為だとクレームがつけていた問題の係争が重なったのですが、係争が長引くことを嫌って、プレナスが最終的にフランチャイズを離脱し、新ブランド「もっとほっと」での展開に踏み切ったというのがおおまかな経緯だと思います。
公家(総本部)から武家社会(地域本部)への移行があり、さらに一挙に天下分け目の戦いが始まったという風に見えますが、この先どうなるのでしょうか。
総力戦は避けがたく、商品の質と価格、ビジネスオペレーションの質、ブランディングの質の競争が始まります。
最初はFC加盟店の争奪戦、また一部地域での競合となるでしょうが、地域の制約が無くなったプレナスのハークスレイのお膝元の中国、北陸、中部、関西圏などへの攻勢も長期的に見れば避けられないでしょう。もちろんハークスレイ側からのプレナスの膝元への進出も想定され、全国で全面戦争が展開されてくるのかもしれません。
企業体力では、プレナスが連結で売上高1239億円、営業利益112億円、ハークスレイが連結で、売上高137億円、営業利益18億円で、企業体力では、かなりプレナスが上回っており、新ブランドへの切り替えで勢いづいてくると思います。
新ブランド「ほっともっと」の誕生で、「ほっかほっか亭」ブランドのイメージが陳腐化する危険性もありますが、後は、ほっかほっか亭総本部、またハークスレイが、どのようにブランド資産を活かしたブランド戦略を展開できるのか、商品だけでなく、ビジネスモデルでどのような差別化が見いだせるのかに焦点が移ってきそうです。
いずれにしても、いい競争関係が生まれて、お弁当の世界が、より楽しく、安全で、おいしくなってくれればいいですね。
2008年05月13日
迷走するドコモ - なんと自社PRサイトをパケット有料にする神経
ところで、新しいドコモのコマーシャル”Answer”をご覧になりましたか?
ドコモのロゴタイプがでてきてやっとドコモのコマーシャルだと気がつきましたが、なにが言いたいのかがよくわからない、また印象が薄いコマーシャルだと感じましたが、皆さまはいかがでしょうか。
この新ロゴタイプが発表された際に、そのステートメントがあまりにも抽象的で、具体的にどのような新しい展開をしてくれそうかという期待が持てないものだったということ、お客さまの声に応えていく、イノベーションをしますというわりには、どのような新しい体験を届けてくれるのか、どのような明日を見せてくれるかということがまったく感じられず、教科書のような言葉が並んでいるようにしか見えませんでした。
docomo2.0キャンペーンで、「そろそろ反撃していいですか?」とお客さまではなく競争相手ばかり見ている体質がでてしまいましたが、今度は答えを見いだせないドコモの内部事情をさらしてしまったようです。
ブランディングは、お客さまのハートにどのような感動や共感をつくりだすかということであり、いずれもお客さまよりは、競争相手や内部にばかり視点がいってしまっているという印象を受けます。
さて話を戻して、この新コマーシャルはドコモの”Answer Factory”という新ブランドのPRサイトで見ることができますが、このサイトもあれもいいたい、これもいいたいというものでなにが中心のテーマかがわかりません。
Answer Factory
この新コマーシャルを、FireFoxで見ると、コマーシャルの音声とBGMと音が重なってしまいます。IEで見るとBGMが消えましたが、ドコモならそれぐらいの配慮はしておくべきじゃなかったかと思います。
まあ表現にはいろいろ意見もあるでしょうが、驚いたことがあります。”Answer Factory”をmodeで見ようとすると、なんとパケット有料!?になっているのです。酷い話ですね。
自社のPRにも通信料を課すあたり、どんな神経をしているのかと驚きます。最初からお客さまを見ていません。善意で解釈すれば、他のサイトと公平性を保つためにあえてパケット有料にしたということでしょうか。
NTTドコモは、もっと大きな使命を持っているはずです。「手のひらに、明日を乗せる」のという情緒的でかわいい発想ではなく、ほんとうに何をしてくれるのか、もっとシンプルなメッセージが欲しいのです。各論に逃げずに、もっと堂々としたメッセージを届けて欲しいと願うばかりです。
2008年05月05日
Yahoo!を諦めたMicrosoftは企業分割したらとなんとなく思う
MicrosoftがYahoo!の買収を断念したというニュースは、もっと長引くと思っていただけに思わず目を疑いました。
今思うと、Microsoftにとっては誤算につぐ誤算で終わってしまった買収劇だったのではないでしょうか。
Yahoo!の強い反発、さらにYahoo!が買収を避けるためにGoggleとの提携に走ったこと、なによりも世論を味方につけることができなかったことなど、いろいろありましたが、最後はYahoo!が好決算をだし、Microsoftが欧州での制裁金支払い減益の決算をだしたことがだめ押しになったのかもしれません。
Microsoftは、PCやサーバーのOSとアプリケーションでは、欠かせない存在であることは間違いありませんが、しかし、インターネットの利用に比重が移れるにつれ、存在感がすこしづつ希薄になってきたように感じます。
自分自身のPC環境という点でも、今使っているPCに入っているマイクロソフト製品は、ついにOSのWindowsXPだけとなってしまいました。
インターネットエクスプローラ(IE)は、IE7の使い勝手をチェックするために使った後はアンインストールしてしまい、たまにFirefoxでIEタブの機能をつかってIEのエンジンを利用するだけです。
オフィス製品のワードとか、エクセル、パワーポイントも、互換性のあるOpenOffice.orgを使っていて、普通の利用ではなんの不便さも感じません。企業亜ITの経費削減を狙うなら、まずOpenOffice.orgを導入効果は高いかもしれません。
ネットではMSNも、WindowsLiveを試していたのですが、なにか使い勝手が悪く、やがていつのまにか利用が途絶え、ニュース記事を見る以外は開かなくなりました。かつては、PCを使うためにはマイクロソフトが絶対必要な存在であったのが、いつの間にか、じわじわと縁遠い存在となってきていますう。
残るのはOSのWindowsですが、OSそのものは、安定して動いていてくれれば、それ以上の機能は必要ないので、Windows2000以降は安定性が高くなったため、もう新しい製品がでることは逆に迷惑な話だと感じるようになってきています。
使い方がかなり変わってしまったVISTAは、別にOSを使いこなすことにはなんの価値観も持っていないのでXPで十分です。
現在Linuxは、まだまだWindowsのように誰もが使えるという代物ではなく、利用目的が限られていますが、Linuxのディストリビューション(製品)のひとつであるUbuntuは、新しいバージョンはWindowsと同じように誰もが使える操作性をもっているそうです。そうなると利用の仕方によってはWindowsも必要なくなってくるかもしれません。
2000年にASPサービスでSFAアプリケーションを提供し始めたころは、いくらご説明してもネット経由ではセキュリティが心配だという声が圧倒的で、サービスを始めたのが早すぎたかと打ちのめされた経験がありますが、いまやそれも当たり前のようになってきたどころか、さらに発展してITの主戦場となってきそうな勢いです。
その主戦場ではMicrosoftの影はさらに薄くなってきています。Microsoftは、PCやサーバーが主役という時代のパラダイムから抜けだせないのかもしれません。
というか、Microsoftのネットでの遅れは、技術的な問題ではなく経営がやはりOSのビジネス、オフィス製品のビジネスからの収益に集中していて、ネット戦略が中途半端に終わってしまっていることではないかと思えてなりません。
Yahoo!を買収するのではなく、思い切って、求められる企業文化が違うOS事業と、ネットやゲーム事業とに企業を分割したほうがいい結果になるのかもしれません。
【今日の一枚】藤を揺らして風が通り過ぎていきました
2008年04月23日
「危」を「機」にという楽観主義のオススメ
カゴメが「トマトジュース」や「野菜生活100」の値上げを発表しています。世界的な資源高の影響による値上げは今後とも止まる気配がありません。日経商品指数17種も「第二次石油ショックの影響が続いた1980年11月以来、27年半ぶりの高水準」(日経)となったそうです。
カゴメ野菜飲料など66商品6・5%値上げ
第二次石油ショック当時と比べて違うのは、国内経済がどんどん減速どころか、悪化しはじめていることです。しかも経済・社会の変化に、政府が対応しきれず、総理まで「しかたない」と無関心ですから、当然ながら消費者も、企業も自衛に走らざるを得ません。
とくに国内経済立て直すという発想も政策もありませんから、当然中小企業の景況感も悪化の一途を辿りってきています。また日経の行った消費消費者調査でも、値上げラッシュの影響を節約で乗り切ろうとしているという当然の結果となりました。
中小企業の景況感、4期連続で悪化・1―3月期調査
値上げで9割が買い物で節約・日経消費者1000人調査
政府与党は、暫定税率の強行突破をはかろうということですが、それどころではない事態が訪れているわけで、危機に対する感度を持ってほしいものです。暫定是率の復活を行わないと、税が不足するということですが、国内経済が悪化するとさらに税収は落ち込みます。
経済を立て直すためには、まずは強いビジョンを示して、国民が希望を持てる政策を打ち出す強いリーダーシップがまず必要ですが、財務省のリモコン装置で政治が動いている印象を強く受ける状態では、創造的な変革は期待薄というところでしょうか。輸出は好調続いていますが、国内が元気にならないと、日本は沈んでいく一方となてしまいます。そろそろ発展途上国型の発想から抜け出してほしいですね。07年度の貿易黒字、13.4%増の10兆2246億円
さてマーケティングの視点から言えば、消費が冷え込んでくると、市場のパイが縮小され、生き残りをかけた熾烈な競争が激化してきます。しかも、かつてのように、中国などの途上国から安く商品を輸入して、価格勝負で切り込むというのも難しい状況であり、焦点は非価格競争に移ってきます。
さらに、それぞれのカテゴリーでシェアが強いブランドに集約されていくということになってきます。消費が冷え込めば冷え込むほど、ブランド間競争が激しく起こるということです。これまで以上に淘汰のメカニズムが強く働き始めます。
ところで、景気が悪化し、競争が激化してきて、なにが一番怖いとみなさんは思われますか。消費マインドの冷え込みでも、ライバルの動きでもありません。それは、経営やビジネス現場のマインドが萎縮してしまうことだと思います。
不況期ほど物事は悲観的に考えすぎない方がいいというのが昔からの教えですが、ビジネス・マインドが萎縮し、変化に流されてしまうというのが最悪だとということです。
視点を変えれば、ライバルに差をつける絶好のチャンスが来ているということでしょう。鍵となってくるのは非価格競争でなにができるかです。いくら景気が悪いと行っても市場そのものがなくなるわけではありません。
変化への感度とか知恵比べの競争が始まってきています。「危」を「機」としてとらえる発想力や想像力、楽観主義がこんな時代こそ求められているのだと思います。
カゴメ野菜飲料など66商品6・5%値上げ
第二次石油ショック当時と比べて違うのは、国内経済がどんどん減速どころか、悪化しはじめていることです。しかも経済・社会の変化に、政府が対応しきれず、総理まで「しかたない」と無関心ですから、当然ながら消費者も、企業も自衛に走らざるを得ません。
とくに国内経済立て直すという発想も政策もありませんから、当然中小企業の景況感も悪化の一途を辿りってきています。また日経の行った消費消費者調査でも、値上げラッシュの影響を節約で乗り切ろうとしているという当然の結果となりました。
中小企業の景況感、4期連続で悪化・1―3月期調査
値上げで9割が買い物で節約・日経消費者1000人調査
政府与党は、暫定税率の強行突破をはかろうということですが、それどころではない事態が訪れているわけで、危機に対する感度を持ってほしいものです。暫定是率の復活を行わないと、税が不足するということですが、国内経済が悪化するとさらに税収は落ち込みます。
経済を立て直すためには、まずは強いビジョンを示して、国民が希望を持てる政策を打ち出す強いリーダーシップがまず必要ですが、財務省のリモコン装置で政治が動いている印象を強く受ける状態では、創造的な変革は期待薄というところでしょうか。輸出は好調続いていますが、国内が元気にならないと、日本は沈んでいく一方となてしまいます。そろそろ発展途上国型の発想から抜け出してほしいですね。07年度の貿易黒字、13.4%増の10兆2246億円
さてマーケティングの視点から言えば、消費が冷え込んでくると、市場のパイが縮小され、生き残りをかけた熾烈な競争が激化してきます。しかも、かつてのように、中国などの途上国から安く商品を輸入して、価格勝負で切り込むというのも難しい状況であり、焦点は非価格競争に移ってきます。
さらに、それぞれのカテゴリーでシェアが強いブランドに集約されていくということになってきます。消費が冷え込めば冷え込むほど、ブランド間競争が激しく起こるということです。これまで以上に淘汰のメカニズムが強く働き始めます。
ところで、景気が悪化し、競争が激化してきて、なにが一番怖いとみなさんは思われますか。消費マインドの冷え込みでも、ライバルの動きでもありません。それは、経営やビジネス現場のマインドが萎縮してしまうことだと思います。
不況期ほど物事は悲観的に考えすぎない方がいいというのが昔からの教えですが、ビジネス・マインドが萎縮し、変化に流されてしまうというのが最悪だとということです。
視点を変えれば、ライバルに差をつける絶好のチャンスが来ているということでしょう。鍵となってくるのは非価格競争でなにができるかです。いくら景気が悪いと行っても市場そのものがなくなるわけではありません。
変化への感度とか知恵比べの競争が始まってきています。「危」を「機」としてとらえる発想力や想像力、楽観主義がこんな時代こそ求められているのだと思います。
2008年02月28日
迷走しはじめたGM?
販売台数で、トヨタがGMを抜いたとか、いや抜いていなかったとかの報道が流れていましたが、トヨタが国内では販売が落ちたものの世界では勢いづいていることと、GMが不調だということは事実であり、今年中には、売上高、販売台数ともにトヨタがGMを抜くことは確実だと思います。おそらくガソリンの高騰もトヨタにとっては追い風になっているのではないでしょうか。
一方のGMは、サブプライム問題の影響で金融子会社に損失がでたこともあり、昨年の第4・四半期決算が7億2200万ドル赤字となり、ニューヨークの中心地マンハッタンの目抜き通りにあるオフィスビル、通称「GMビル」を30億ドルで売却する見通しだといいます。
そんなさなかに、副会長Robert Lutz氏が、地球温暖化は「まったくのたわ言」と発言し、ウェブ上で大きな波紋を呼んでいるという記事がCnetにでていました。同氏は個人的見解だと釈明しているそうですが、経営上層部の発言としてはKY(空気読めない)としか言いようがありません。
>>「地球温暖化はたわ言」--GM副会長の発言に消費者から怒りの声
また2012年までにGMは米国で半分をエタノール車にする計画だそうですが、そうだとすると、ただでさえ食料と競合しはじめ、穀物の高騰が起こっているだけに果たしてどうなのかと疑問に感じます。世界の水使用量は急増してきており、水資源の危機といわれているだけに、エタノール燃料の需要が増えるとそちらの影響も気になるところです。
【今日の一枚】立つ跡を濁さずといいますが、足跡はくっきり残していました。

一方のGMは、サブプライム問題の影響で金融子会社に損失がでたこともあり、昨年の第4・四半期決算が7億2200万ドル赤字となり、ニューヨークの中心地マンハッタンの目抜き通りにあるオフィスビル、通称「GMビル」を30億ドルで売却する見通しだといいます。
そんなさなかに、副会長Robert Lutz氏が、地球温暖化は「まったくのたわ言」と発言し、ウェブ上で大きな波紋を呼んでいるという記事がCnetにでていました。同氏は個人的見解だと釈明しているそうですが、経営上層部の発言としてはKY(空気読めない)としか言いようがありません。
>>「地球温暖化はたわ言」--GM副会長の発言に消費者から怒りの声
また2012年までにGMは米国で半分をエタノール車にする計画だそうですが、そうだとすると、ただでさえ食料と競合しはじめ、穀物の高騰が起こっているだけに果たしてどうなのかと疑問に感じます。世界の水使用量は急増してきており、水資源の危機といわれているだけに、エタノール燃料の需要が増えるとそちらの影響も気になるところです。
【今日の一枚】立つ跡を濁さずといいますが、足跡はくっきり残していました。

2008年02月06日
安易なブランディングが呼んだ生協の危機
中国製冷凍餃子中毒事件は、いまだに原因がわからないまま、再び「メタビドホス」とは別の高濃度の殺虫剤が、回収された「CO・OP手作り餃子」から検出されたと生協が発表しました。消費者の不安が高まり、冷凍食品全体の売れ行きも激減したと言います。今回の事件は、生協も被害者であるとはいえ、ミートホープによる偽装が発覚した牛肉コロッケにつづいて、CO・OPブランドの冷凍食品で中毒事件が起こったことで、生協の信頼が大きく揺らいでいることはいうまでもありません。
実際には、ミートホープの偽装食品も、今回の天洋食品の冷凍食品も他のスーパーも扱っていたのですが、生協の場合はCO・OPブランドであったために、事件の表舞台に引き込まれ、また加害者の側に立ってしまいました。
事件の真相がどうであれ、生協がPB(プライベートブランド)商品を増やし「競争優位な価格の実現と事業への貢献を図っていく」という方針を掲げた安易なPB政策のツケが大きくまわってきたということです。生協が、こんな方針を掲げたことは、ブランドはお客さまへの約束であり、また保証だという重みをわかっていなかったということに他なりません。
わかっていなかっただけでなく、ミートホープ事件の反省がないままに、ずるずるとCO・OPブランドの冷凍食品を売りつづけてきたことは、経営の根本的な質の問題だといわれてもしかたないことだと思います。ミートホープ事件のあとに、生協が安易なPB開発を行うと必ず生協の首を絞めることになると書きましたが、怖れていたことがこんなに早く起こってしまいました。
『加ト吉』も『生協』も被害者のはずだけど
しかも、「競争優位な価格の実現」は本来の生協の使命だったのでしょうか。日本生活協同組合連合(生協連)によって各生協がつながっているとはいえ、生協は各都道府県単位、また生い立ちの違う組織が独立して経営しており、集中仕入れや配送の効率ということを考えると、しくみそのものが決して他のスーパー価格競争で勝てないことは誰でもわかることです。
生協も経営の効率化がなければならないことはいうまでもないことですが、本来生協が果たさなければならないのは、他のスーパーより安い商品を売ることではないはずです。無理な安売りは歪みを生み、生協の存在価値を根底から揺るがします。
生協がCO・OPブランドを掲げるなら、、「競争優位な価格の実現」をめざした商品ではなく、会員の人たち、またその家族が安心して食卓にだせる「健康と安心の実現」であるべきだったのではないでしょうか。
今回のあいついで起こった事件は、1世紀を超える生協の歴史に泥を塗ったというばかりか、生協連の人びとが生協の理念を失い、経営が迷走しているということであり、生協とはなにか、生協の使命はなにかという自らの問いかけから再出発しないと信頼回復できない問題だと思えます。もし、仕入れ管理の問題にすり替えるなら、生協はもはや存在理由を失ったといわれてもしかたないことだと思います。
生協さんは普通のスーパーと変わらなくなったという主婦の人たちの声は、生協連の幹部の人たちの耳にはたして届いているのでしょうか。
2008年02月01日
新聞をくらべる「あらたにす」を見て
朝日、日経、讀賣合同のニュースサイト「あらたにす」が昨日公開されさっそく見てみました。話題にはなっていたので、さっそくご覧になった方も多いのではないでしょうか。
>>あらたにす
見てみた感想ですが、地味で、あまり新鮮さは感じられず、まあそんなものかということですが、今後どうなっていくのだろうかというほうに関心を持ちました。
社説の比較は、これまではブックマークから各社説を開いてやっていましたが、こちらのほうが便利そうです。地味にコツコツやっていくという雰囲気がありますが、各紙が業務提携を実験的に行いまずはスタートさせたということでしょう。
ガ島通信さんがご指摘のように、ポータルをめざさなかったことで、「くらべる」という、それなりのサイトとしてのポジションはあるように感じます。ガ島通信さんが、ご紹介の共同通信と地方紙がやっているニュースポータルサイト「47NEWS」も、ポータルというコンセプトから離れ、もっと絞って特徴をだせば全国紙ではこぼれてしまう各地方でなにが起こっているかがわかって案外面白くできると感じます。新聞社が、Yahoo!とかiGoogleとまともに競争しようというのは、競争戦略としては間違いでしょう。
.>>[ネット時代の新聞]日経・朝日・読売3紙のサイト「あらたにす」がオープン(ガ島通信)
紙媒体という点では、インターネットの影響だけではないでしょうが、すでに雑誌は発行部数が減ってきいますが、新聞はさらにインターネットの影響を受けやすいので購読者減少による経営圧迫が起こってくることは避けられません。ダボス会議における未来論者のパネル討論で、「新聞が消えるかどうかを議論すべきではない。いずれ終焉するのは間違いないので,問題はいつ頃に輪転機が止まるかである。おそらく2014年にも新聞が消えるであろう」という厳しい予言まででてきたそうです。
>>新聞終焉2014年説,ダボス会議でも未来論者が予言(メディアパブ)
新聞から輪転機が実際に止まるかどうかは別にして、どんどん効率化を図っていく動きがでてくるのでしょうが、海外と違って再販制度による宅配制度が新聞社を支えているので、案外長生きしそうであり、変化は海外と比較すると緩やかなものとなりそうで、ネットで稼がないといけないという切迫感ももてず、じわじわと劣化していくと見る方が自然かなと感じます。
まあ、今回の「あらたにす」は、Parsleyの「添え物は添え物らしく」さんが書かれているように、紙媒体という市場が衰退していく中で、「三社にとっては、今後進むであろう販売・印刷といった部門での提携や、産経・毎日や地方紙のシェアを奪ってなんとか生き残るための一里塚的な存在」なのかもしれません。
>>『あらたにす』を見てみた(Parsleyの「添え物は添え物らしく」)
販売店の囲い込みで、棲み分けが効いているうちに、まずはコンテンツで競い合って三紙の存在感をつくっておこうということでしょうが、はたして競い合って差別化が進むのか、いや横並びが好きな日本のことですから、今以上に同質化していくのか、ウォッチしていくには面白いサイトではないでしょうか。
>>あらたにす
見てみた感想ですが、地味で、あまり新鮮さは感じられず、まあそんなものかということですが、今後どうなっていくのだろうかというほうに関心を持ちました。
社説の比較は、これまではブックマークから各社説を開いてやっていましたが、こちらのほうが便利そうです。地味にコツコツやっていくという雰囲気がありますが、各紙が業務提携を実験的に行いまずはスタートさせたということでしょう。
ガ島通信さんがご指摘のように、ポータルをめざさなかったことで、「くらべる」という、それなりのサイトとしてのポジションはあるように感じます。ガ島通信さんが、ご紹介の共同通信と地方紙がやっているニュースポータルサイト「47NEWS」も、ポータルというコンセプトから離れ、もっと絞って特徴をだせば全国紙ではこぼれてしまう各地方でなにが起こっているかがわかって案外面白くできると感じます。新聞社が、Yahoo!とかiGoogleとまともに競争しようというのは、競争戦略としては間違いでしょう。
.>>[ネット時代の新聞]日経・朝日・読売3紙のサイト「あらたにす」がオープン(ガ島通信)
紙媒体という点では、インターネットの影響だけではないでしょうが、すでに雑誌は発行部数が減ってきいますが、新聞はさらにインターネットの影響を受けやすいので購読者減少による経営圧迫が起こってくることは避けられません。ダボス会議における未来論者のパネル討論で、「新聞が消えるかどうかを議論すべきではない。いずれ終焉するのは間違いないので,問題はいつ頃に輪転機が止まるかである。おそらく2014年にも新聞が消えるであろう」という厳しい予言まででてきたそうです。
>>新聞終焉2014年説,ダボス会議でも未来論者が予言(メディアパブ)
新聞から輪転機が実際に止まるかどうかは別にして、どんどん効率化を図っていく動きがでてくるのでしょうが、海外と違って再販制度による宅配制度が新聞社を支えているので、案外長生きしそうであり、変化は海外と比較すると緩やかなものとなりそうで、ネットで稼がないといけないという切迫感ももてず、じわじわと劣化していくと見る方が自然かなと感じます。
まあ、今回の「あらたにす」は、Parsleyの「添え物は添え物らしく」さんが書かれているように、紙媒体という市場が衰退していく中で、「三社にとっては、今後進むであろう販売・印刷といった部門での提携や、産経・毎日や地方紙のシェアを奪ってなんとか生き残るための一里塚的な存在」なのかもしれません。
>>『あらたにす』を見てみた(Parsleyの「添え物は添え物らしく」)
販売店の囲い込みで、棲み分けが効いているうちに、まずはコンテンツで競い合って三紙の存在感をつくっておこうということでしょうが、はたして競い合って差別化が進むのか、いや横並びが好きな日本のことですから、今以上に同質化していくのか、ウォッチしていくには面白いサイトではないでしょうか。
2008年01月21日
京阪電車は、ほんとうにユニークだ

京阪電気鉄道、通称京阪電車といっても大阪以外の人は、それなに?という感じでしょうが、大阪と京都、さらに滋賀県を結ぶ私鉄です。1910年(明治43年)の開業と歴史が古く、淀川沿いの町をつないでいったため、急カーブが多く、京阪カーブ式会社と揶揄するむきもありました。松下電器と取引のある会社の方なら、この京阪電車の門真に本社があるので、ご利用になった経験もあるのではないでしょうか。
そういえば松下電器がブランドをPanasonicに一本化するというニュースがありましたが、ブランドだけ統一したってブランド価値があがるわけでもなく、またユーザーとして感動するモノもなく、いったいなにをしようというのか気になるところです。
テレビカーってご存じ?
その京阪電車の特急に乗る機会があったのですが、なつかしいテレビカーでした。テレビカーってなんなのよとお感じでしょうが、なんと1954年(昭和29年)からこのテレビカーを京阪電車は走らせているのです。テレビ放送が始まったのはその一年前ですから、いかにも先進的な試みでした。その後、さまざまな鉄道がテレビカーを採用したこともありましたが、京阪電車がかたくなに走らせつづけているのは、きっと京阪電車のアイデンティティの重要なシンボルだからだと思います。
>>テレビカーの歴史
もともとが京阪沿線で育ったので、タイムスリップした気分でもあったのですが、やっていた番組がNHKで、画家の金子国義さんが渋沢龍彦の耽美的エロスの世界について語っていたものでした。しかし、周りには若い女性が多かったのに、『O嬢の物語』の挿絵や『咲く乙女たち1』などのエピソードや絵の紹介があったものですから、おいおい朝からなんという番組流すかと思いましたが、これも立派な文化だと言い聞かせて見ておりました。
参考:クロカル超人の面白半分日記 超人のドキッとする絵画 8 横須賀美術館『澁澤龍彦 幻想美術館』続々
まあそんなことがありましたが、ほんとうに京阪電車は面白く、もうすぐ大阪市内も淀屋橋から、中之島公園や、昔は大阪の商売の中心地であった中之島へ伸びるので、大阪もちょっと便利になりそうです。今後ともご発展をお祈り申し上げます。
2008年01月18日
NHKの経営改善
思えば、橋本会長はNHK経営委員会に終始抵抗していらっしゃったわけですが、今回のインサイダー取引問題という経営の緩みの極みとしかいいようのない事件が幕引きとなってしまいました。
もちろん倫理の問題が第一だと思いますが、池田信夫ブログに重要なことが書かれています。問題になっている3人は同じ職場になったことはなく、それぞれ面識もなかったということですから、事前に自由に情報を閲覧できるしくみそのものに問題があるということです。放送人としての倫理の崩壊と情報システムの欠陥が重なったということでしょう。今回の事件に限らず、発覚しないまでもこれまで同じことが起こっていたと想像するほうが自然です。
>>NHKのITリテラシー
情報システムの構築に当たって、情報の取り扱いに無神経だったということであり、情報に対する考え方や価値観、倫理観が緩んでいたということでしょうし、それは経営に対する哲学にまで遡る問題だと言う気がします。また経営陣とか幹部が情報システムを利用していなかったのじゃないかとさえ疑いたくなります。
25日に福地茂雄アサヒビール相談役がNHK会長に就任されますが、受信料をいただいているという重みやNHKの社会的使命はなにかをNHKの内部に徹底するということを望んでやみません。昨今、政治家や官僚が税収が減る云々を軽く言っていますが、こちらも緩みだと言う気がします。財源がどうのこうのというなら、なにをするのかというビジョンを示せといいたくなります。どうも税金が所与のものだという発想を背後に感じてしまいますね。
もちろん倫理の問題が第一だと思いますが、池田信夫ブログに重要なことが書かれています。問題になっている3人は同じ職場になったことはなく、それぞれ面識もなかったということですから、事前に自由に情報を閲覧できるしくみそのものに問題があるということです。放送人としての倫理の崩壊と情報システムの欠陥が重なったということでしょう。今回の事件に限らず、発覚しないまでもこれまで同じことが起こっていたと想像するほうが自然です。
>>NHKのITリテラシー
情報システムの構築に当たって、情報の取り扱いに無神経だったということであり、情報に対する考え方や価値観、倫理観が緩んでいたということでしょうし、それは経営に対する哲学にまで遡る問題だと言う気がします。また経営陣とか幹部が情報システムを利用していなかったのじゃないかとさえ疑いたくなります。
25日に福地茂雄アサヒビール相談役がNHK会長に就任されますが、受信料をいただいているという重みやNHKの社会的使命はなにかをNHKの内部に徹底するということを望んでやみません。昨今、政治家や官僚が税収が減る云々を軽く言っていますが、こちらも緩みだと言う気がします。財源がどうのこうのというなら、なにをするのかというビジョンを示せといいたくなります。どうも税金が所与のものだという発想を背後に感じてしまいますね。
2007年08月16日
ブランド戦略は経営の中心課題だということ
みのもんた氏が『朝ズバ』で、不二家に「廃業してもらいたい」と発言したことを正式に謝罪したそうです。しかし、今から思えば、このTBSの微妙な内部告発報道とみのもんた氏の発言への世間の怒りが、それまで加熱していたマスコミ報道を一気に沈静化させたばかりか、はからずも不二家に同情的な感情を広げたように思います。だから再建のチャンスも生まれたのではないかと感じます。皮肉なことに神風が吹いたのかもしれません。
しかし、有名ブランド『白い恋人』の石屋製菓の場合は、不二家のケースよりも状況が厳しく、最悪の事態まで追い込まれるかもしれません。ブランドで生きてきた会社が一瞬にしてそのブランドの信頼を失ってしまいました。
なぜなら、『白い恋人』はお土産として買われ、また人に差し上げる贈答品です。自家消費ブランドである『不二家』よりもブランドの重みははるかにあります。自分が食べるのなら問題ではなくとも、品質問題を起こしたブランドをお土産として渡すわけにはいきません。
第二に、同業の不二家であれだけ問題になった同じ間違いをやってしまったことは、会社への致命的な不信感をつくってしまいました。なぜ不二家問題を学ばなかったのか、ちょっと信じられません。しかも問題を起こしたのは、一品だけではなかったのですから体質そのものに原因があると世間は受け止めます。
第三には、不二家のケースでは加熱しすぎたマスコミの姿勢への反感がもともとあったと思うのですが、今回はそういった雰囲気はありません。
『白い恋人』は石屋製菓の売り上げの75%を占めるそうです。新しいブランドを立ち上げても、育てるには時間がかかります。それに逆境のなかでは販売店の協力も思うようには得られません。
今回の石屋製菓の教訓は、当たり前のことですが、ブランドはかけがえない企業資産であるということです。しかもブランドの価値を築くには、企業努力と歴史が必要にもかかわらず、それを失うのは一瞬だということです。品質問題だけなら謝罪して改善すればいいのですが、ブランドそのものが傷ついてしまいました。もしブランドに対する意識がもっと高ければ、賞味期限を延長して再出荷という行動はありえなかったはずです。
ブランド戦略あるいはブランド・マネジメントをともすれば広告や販売促進だと考える人もいらしゃるようですがそうではありません。ブランド戦略、またそのマネジメントとは、企業資産であるブランドの価値をどう上げていくか、またどう守っていくのかという重要な経営戦略であり経営課題です。間違うと不二家や石屋製菓のように企業の存続すら揺るがず事態を生み出します。
石屋製菓でも、ほんとうに『白い恋人』のブランド価値がなになのかを常に経営のなかで取り上げ、社内の意識をつくっていれば、今回のような問題は起こるはずがありません。
企業活動のなかでは、マニュアルでは対応できないさまざまな不測の事態が起こってきます。そんなときに正しく判断するためには企業理念に立ち返ることや、お客さまとの『約束』であるブランドに照らし合わせてどう行動すべきかを判断することが重要です。
食の分野で、さまざまなブランドが揺らぐ事件が起こっていますが、食の分野に限らずブランドについてもう一度考えてみるいい機会かもしれません。
←いつもクリックありがとうございます
しかし、有名ブランド『白い恋人』の石屋製菓の場合は、不二家のケースよりも状況が厳しく、最悪の事態まで追い込まれるかもしれません。ブランドで生きてきた会社が一瞬にしてそのブランドの信頼を失ってしまいました。
なぜなら、『白い恋人』はお土産として買われ、また人に差し上げる贈答品です。自家消費ブランドである『不二家』よりもブランドの重みははるかにあります。自分が食べるのなら問題ではなくとも、品質問題を起こしたブランドをお土産として渡すわけにはいきません。
第二に、同業の不二家であれだけ問題になった同じ間違いをやってしまったことは、会社への致命的な不信感をつくってしまいました。なぜ不二家問題を学ばなかったのか、ちょっと信じられません。しかも問題を起こしたのは、一品だけではなかったのですから体質そのものに原因があると世間は受け止めます。
第三には、不二家のケースでは加熱しすぎたマスコミの姿勢への反感がもともとあったと思うのですが、今回はそういった雰囲気はありません。
『白い恋人』は石屋製菓の売り上げの75%を占めるそうです。新しいブランドを立ち上げても、育てるには時間がかかります。それに逆境のなかでは販売店の協力も思うようには得られません。
今回の石屋製菓の教訓は、当たり前のことですが、ブランドはかけがえない企業資産であるということです。しかもブランドの価値を築くには、企業努力と歴史が必要にもかかわらず、それを失うのは一瞬だということです。品質問題だけなら謝罪して改善すればいいのですが、ブランドそのものが傷ついてしまいました。もしブランドに対する意識がもっと高ければ、賞味期限を延長して再出荷という行動はありえなかったはずです。
ブランド戦略あるいはブランド・マネジメントをともすれば広告や販売促進だと考える人もいらしゃるようですがそうではありません。ブランド戦略、またそのマネジメントとは、企業資産であるブランドの価値をどう上げていくか、またどう守っていくのかという重要な経営戦略であり経営課題です。間違うと不二家や石屋製菓のように企業の存続すら揺るがず事態を生み出します。
石屋製菓でも、ほんとうに『白い恋人』のブランド価値がなになのかを常に経営のなかで取り上げ、社内の意識をつくっていれば、今回のような問題は起こるはずがありません。
企業活動のなかでは、マニュアルでは対応できないさまざまな不測の事態が起こってきます。そんなときに正しく判断するためには企業理念に立ち返ることや、お客さまとの『約束』であるブランドに照らし合わせてどう行動すべきかを判断することが重要です。
食の分野で、さまざまなブランドが揺らぐ事件が起こっていますが、食の分野に限らずブランドについてもう一度考えてみるいい機会かもしれません。
2007年07月10日
まずは、情熱をもったプロたちを社保庁に投入すべきと思う
社保庁問題について日経ビジネスで参考になる記事が3つ掲載されていました。
ひとつは、コールセンター・マネジメント研究所 代表 多田 正行氏による 片山さつき議員の「システムは数カ月でできる」発言に思う
もうひとつは、民主党藤末議員による
消えた年金記録の裏側で何が起こっていたのか
そして馬場完治記者の
社保庁改革、届かなかった警告 「犯人捜し」の政争で年金不安は解消しない
です。
それぞれ登録しないと全文を閲覧できないので申し訳ないですが、3つをあわせて読むとかなり社保庁問題について見えてきます。
まずは、多田氏の記事ですが、「朝までテレビ生テレビ」で、片山氏が「(新しい年金システムは)数カ月でできる」と発言したのを聞いて驚き、思わず目が覚めてしまったそうです。そういった官邸サイドの楽観的な読みが、安倍総理の照合システム完成前倒し宣言となっているのだと思います。
まさか、前倒しのシステム構築が無理な話だとしても、どうせ選挙さえ終わってしまえばといいという認識での宣言ではないもの、ほとんどITについては素人の官邸サイドが、システム構築は、現実にはそうそう思い描いたようにはいかないのが普通だという現場感覚もなく、耳障りのよい情報に飛びついて誇らしげに前倒し宣言をしてしまったという気がしてなりません。
社保庁のシステムの現状について、民主党藤末議員が「日経コンピュータのような内容になってすみません」という詳しい記事がありますが、要は、きわめて古い化石のようなシステムで、しかも、日立、富士通、NECのOSも違い、互換性のないシステムが違う場所にあるといったことに象徴されるように「全てがバラバラで複雑なシステム」だということですしかもそのバラバラのシステムを動かすために、屋上屋を重ねるように、とんでもない膨大で複雑なソフトがあるということです。
藤末議員は、柳沢厚労相に次のふたつの提案をされたようすが、突合に無駄な費用をかけるよりは、新しいシステム導入を前倒しするという提案は一理あるように思えます。
情報システム以上に社保庁の組織問題がありますが、馬場完治記者の「犯人捜し」の政争で年金不安は解消しないというのは正論で、自民党は自治労を犯人だとし、民主党は社保庁だとする議論ほど空しいものはありません。
自治労が無茶苦茶であることはいうまでもないとしても、社保庁だけでなく、監督省庁である厚生労働省も含め、組合と馴れ合い、その場のトラブルがなければよいという当事者意識欠如も酷いものです。民間企業は、さまざまな労働争議も経てきたのですが、経営側がそんな逃げ腰、無責任だと会社は潰れるのでしっかり組合と対話してきたわけで、社保庁の場合はどっちもどっちということです。
また、いきなり民営だとかいう器の話が先行していますが、問題は統治なき組織をどうするのかというのが本当の議論で先にあるべきです。
馬場完治記者は、「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」のメンバーを務めた香川県坂出市の松浦稔明市長が、「宙に浮いた年金は社保庁労使の共犯のようなもの」として、「だからこそ、再発防止につながる内部統制、監査の仕組みを作り上げることが大事」とおっしゃっているそうですが、その通りだと思います。
またそういった内部統制や監査の仕組みだけでなく、停滞した組織を蘇らせる情熱と能力をもったリーダーを経営陣に送り込まないと、いくらカタチだけ民営化しても改革が推進されるわけがありません。情報システム構築とあわせて、人材を投入して、まずは将来像を描かせることからはじめてはどうなんでしょうか。急がば回れっていいますからね。
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ひとつは、コールセンター・マネジメント研究所 代表 多田 正行氏による 片山さつき議員の「システムは数カ月でできる」発言に思う
もうひとつは、民主党藤末議員による
消えた年金記録の裏側で何が起こっていたのか
そして馬場完治記者の
社保庁改革、届かなかった警告 「犯人捜し」の政争で年金不安は解消しない
です。
それぞれ登録しないと全文を閲覧できないので申し訳ないですが、3つをあわせて読むとかなり社保庁問題について見えてきます。
まずは、多田氏の記事ですが、「朝までテレビ生テレビ」で、片山氏が「(新しい年金システムは)数カ月でできる」と発言したのを聞いて驚き、思わず目が覚めてしまったそうです。そういった官邸サイドの楽観的な読みが、安倍総理の照合システム完成前倒し宣言となっているのだと思います。
まさか、前倒しのシステム構築が無理な話だとしても、どうせ選挙さえ終わってしまえばといいという認識での宣言ではないもの、ほとんどITについては素人の官邸サイドが、システム構築は、現実にはそうそう思い描いたようにはいかないのが普通だという現場感覚もなく、耳障りのよい情報に飛びついて誇らしげに前倒し宣言をしてしまったという気がしてなりません。
社保庁のシステムの現状について、民主党藤末議員が「日経コンピュータのような内容になってすみません」という詳しい記事がありますが、要は、きわめて古い化石のようなシステムで、しかも、日立、富士通、NECのOSも違い、互換性のないシステムが違う場所にあるといったことに象徴されるように「全てがバラバラで複雑なシステム」だということですしかもそのバラバラのシステムを動かすために、屋上屋を重ねるように、とんでもない膨大で複雑なソフトがあるということです。
藤末議員は、柳沢厚労相に次のふたつの提案をされたようすが、突合に無駄な費用をかけるよりは、新しいシステム導入を前倒しするという提案は一理あるように思えます。
【1】社会保険庁の2、3世代前の古いコンピュータシステムでは5000万件の突合作業に対応できない。新しいシステムを平成23年から導入する予定であるが、その一部でも繰り上げて導入し、作業を行うべき。国税庁の応援を得るかどうかは別として、社保庁にIT部門の運営ができるプロ(CIO)がいないことは問題で、いかに実際のシステム構築は外注しても、それを監督し、また精査、検収できる発注側の体制がなければ、突合のしステム構築にしても、新しいシステム構築にしても話にならないとこはいうまでもありません。
【2】現在の社会保険庁ではコンピュータシステムを的確に運用できない。年間約1000億円のお金(皆様の年金から拠出)を使っているが、全てNTTデータや日立に丸投げしていて内部に知見がない。コンピュータをうまく使える省庁、たとえば国税庁の応援をお願いすべき。
情報システム以上に社保庁の組織問題がありますが、馬場完治記者の「犯人捜し」の政争で年金不安は解消しないというのは正論で、自民党は自治労を犯人だとし、民主党は社保庁だとする議論ほど空しいものはありません。
自治労が無茶苦茶であることはいうまでもないとしても、社保庁だけでなく、監督省庁である厚生労働省も含め、組合と馴れ合い、その場のトラブルがなければよいという当事者意識欠如も酷いものです。民間企業は、さまざまな労働争議も経てきたのですが、経営側がそんな逃げ腰、無責任だと会社は潰れるのでしっかり組合と対話してきたわけで、社保庁の場合はどっちもどっちということです。
また、いきなり民営だとかいう器の話が先行していますが、問題は統治なき組織をどうするのかというのが本当の議論で先にあるべきです。
馬場完治記者は、「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」のメンバーを務めた香川県坂出市の松浦稔明市長が、「宙に浮いた年金は社保庁労使の共犯のようなもの」として、「だからこそ、再発防止につながる内部統制、監査の仕組みを作り上げることが大事」とおっしゃっているそうですが、その通りだと思います。
またそういった内部統制や監査の仕組みだけでなく、停滞した組織を蘇らせる情熱と能力をもったリーダーを経営陣に送り込まないと、いくらカタチだけ民営化しても改革が推進されるわけがありません。情報システム構築とあわせて、人材を投入して、まずは将来像を描かせることからはじめてはどうなんでしょうか。急がば回れっていいますからね。
2007年06月30日
TBSが楽天に圧勝したけど
TBSへの仮処分申請却下に対する楽天の即時抗告が東京高裁から棄却され、さらにTBSの株主総会でTBS側の圧勝となりました。またこのタイミングでTBSがリクルートと株式を相互に取得し、「TBSの番組制作力とリクルートのマーケティング力を組み合わせて、ワンセグ(携帯端末向け地上デジタル放送)やインターネットなどを利用した新しい情報サービスを共同で開発する」という発表をしていましたから、楽天は完全に蚊帳の外に置かれてしまいました。TBS井上社長としては、横浜ベイスターズが連勝中の快挙であり、さぞかしご機嫌麗しいのではないでしょうか。一方のTBSからコケにされた三木谷さんの心中を察するに穏やかではないでしょうね。
>>TBS、リクルートとの資本・業務提携を正式発表
それにしても楽天とTBS問題はいまひとつ盛り上がりません。楽天の主張にいまひとつ共感が集まらず、楽天は三木谷さんとともに、CCCの増田さんを担ぎだしてTBSの社外取締役就任を求めていたのですが、こうもあっさり負けてしまうと担がれた増田さんも拍子抜けという感じでしょうか。
ホリエモンの後追いだというイメージがいまだに払拭できていないのか、それともTBSがどうのこうのというよりは、いまだにテナントからの個人情報流出がとまらないとか、また以前書いた楽天テナントの夜逃げ詐欺事件の対処もスピードが勝負にもかかわらず、また対応のしかたによって企業イメージが左右されるというのに、弁済は決めたものの中身がはっきりしないニュースリリースをだして、いまだに被害者の人たちの怒りを静めることができないなど、先行きが見えないTBSとの経営統合というよりは、自らの事業の足元をもっとしっかり固めてはいかがなものかという批判も散見されます。
>>商品代金の代位弁済のご案内(ニュースリリース)
>>みんなのレビュー
楽天は、いまだに成長しているとはいえ、ネットレイティングスの調査結果ではついに楽天のネット利用者数が昨年から5%程度しか伸びておらず、事業の成熟化の兆しかもしれず、そろそろ新しい切り口が求められているのでしょうが、特に目に見えるイノベーションも感じられず、自らの経営努力というよりは、TBSとの経営統合という他力本願で将来の糸口を見出そうとしているように見られてしまっているのかもしれません。
かつて絶頂期には1兆円を超えていた時価総額もいまや5千4百億円程度となりました。またホリエモンがあって存在感が引き立った三木谷さんでしたが、ホリエモンが姿を消したとたんに影が薄くなってしまった感があり、もはや三木谷パワーで世の中の共感を得ることは難しくなってしまった感があり、サイトの革新も含め、ブランド戦略の新しい切り口をつくり、思い切った戦略転換からはじめたほうがよさそうに感じますね。
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>>TBS、リクルートとの資本・業務提携を正式発表
それにしても楽天とTBS問題はいまひとつ盛り上がりません。楽天の主張にいまひとつ共感が集まらず、楽天は三木谷さんとともに、CCCの増田さんを担ぎだしてTBSの社外取締役就任を求めていたのですが、こうもあっさり負けてしまうと担がれた増田さんも拍子抜けという感じでしょうか。
ホリエモンの後追いだというイメージがいまだに払拭できていないのか、それともTBSがどうのこうのというよりは、いまだにテナントからの個人情報流出がとまらないとか、また以前書いた楽天テナントの夜逃げ詐欺事件の対処もスピードが勝負にもかかわらず、また対応のしかたによって企業イメージが左右されるというのに、弁済は決めたものの中身がはっきりしないニュースリリースをだして、いまだに被害者の人たちの怒りを静めることができないなど、先行きが見えないTBSとの経営統合というよりは、自らの事業の足元をもっとしっかり固めてはいかがなものかという批判も散見されます。
>>商品代金の代位弁済のご案内(ニュースリリース)
>>みんなのレビュー
楽天は、いまだに成長しているとはいえ、ネットレイティングスの調査結果ではついに楽天のネット利用者数が昨年から5%程度しか伸びておらず、事業の成熟化の兆しかもしれず、そろそろ新しい切り口が求められているのでしょうが、特に目に見えるイノベーションも感じられず、自らの経営努力というよりは、TBSとの経営統合という他力本願で将来の糸口を見出そうとしているように見られてしまっているのかもしれません。
かつて絶頂期には1兆円を超えていた時価総額もいまや5千4百億円程度となりました。またホリエモンがあって存在感が引き立った三木谷さんでしたが、ホリエモンが姿を消したとたんに影が薄くなってしまった感があり、もはや三木谷パワーで世の中の共感を得ることは難しくなってしまった感があり、サイトの革新も含め、ブランド戦略の新しい切り口をつくり、思い切った戦略転換からはじめたほうがよさそうに感じますね。
2007年06月20日
『加ト吉』も『生協』も被害者のはずだけど
牛肉偽装のニュースがPC画面に上げって来たので見てみると、北海道の「ミートホープ」という会社が、豚肉を牛肉と偽って加ト吉に卸し、生協の「CO・OP 牛肉コロッケ」などとして売られていたそうです。
加ト吉や生協はおそらくは被害者ということでしょうが、加ト吉というと、利上げ至上主義が行き過ぎて、グループ会社内で帳簿上の売買をやって売り上げの水増しをする循環取引が発覚し、問題視されていただけに、気の毒ですがほんとうに被害者なのかって疑ってしまいそうになりました。
会計不正処理で損ねた信頼の回復という点では、売り上げ至上主義からの脱却や、責任を取って辞任した創業者の加藤前社長ら発覚当時の役員3人に対して退職慰労金を払わないといったけじめをつけていたようですが、監査法人から適正意見の監査報告書を受理したことで株価が急反発していた矢先に事件が発覚し、運が悪いとしかいいようがないですね。
それにしても生協さんどうしちゃったのですか。仕入れの管理大丈夫ですか。問題の商品は生協ブランドですから、商品管理体制に問題がなかったのか、パッケージだけ変えて後は業者任せだったのじゃなかったのかというそしりは逃れられないでしょうね。もし実態がそうならブランドに対する考え方が根本から間違っています。そんな安易なブランドを生協は開発してはいけません。必ず自らの首を絞めることになります。
流通業でも、食品の安心や安全に力を入れることろが増え、産地からの直接仕入れも活発になってきて、ただでさえ生協の存在感が薄れてきていただけに、今回の事件はダメージが大きいのじゃないでしょうか。
かつて神戸灘生協が創立70周年と会員100万人突破を機に『コープこうべ』への名称変更とさらに生協理念を広げていきたいという志をもったCIプロジェクトにコンサルとして参加させていただいた縁もあるだけに頑張ってほしいところですが、共済以外では生協はちょっと精細を欠いてきてます。
小売、卸の合併による流通の大型化という圧力もあるでしょうが、時代変化のなかで、生協って本当にに必要なのかという根本から問い直して、生協はどうあるべきなのかを構築しなおすべき時期が来ていると思うだけに、今回の事件をたんなる被害者として考えるのではなく、しっかり問題を直視した対策を考えてほしいものです。
生協でしかできないことってそうたくさんあるわけではないでしょうが、そこは知恵のだしどころ。ぜひ頑張ってください。ご健闘をお祈り申し上げます。
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加ト吉や生協はおそらくは被害者ということでしょうが、加ト吉というと、利上げ至上主義が行き過ぎて、グループ会社内で帳簿上の売買をやって売り上げの水増しをする循環取引が発覚し、問題視されていただけに、気の毒ですがほんとうに被害者なのかって疑ってしまいそうになりました。
会計不正処理で損ねた信頼の回復という点では、売り上げ至上主義からの脱却や、責任を取って辞任した創業者の加藤前社長ら発覚当時の役員3人に対して退職慰労金を払わないといったけじめをつけていたようですが、監査法人から適正意見の監査報告書を受理したことで株価が急反発していた矢先に事件が発覚し、運が悪いとしかいいようがないですね。
それにしても生協さんどうしちゃったのですか。仕入れの管理大丈夫ですか。問題の商品は生協ブランドですから、商品管理体制に問題がなかったのか、パッケージだけ変えて後は業者任せだったのじゃなかったのかというそしりは逃れられないでしょうね。もし実態がそうならブランドに対する考え方が根本から間違っています。そんな安易なブランドを生協は開発してはいけません。必ず自らの首を絞めることになります。
流通業でも、食品の安心や安全に力を入れることろが増え、産地からの直接仕入れも活発になってきて、ただでさえ生協の存在感が薄れてきていただけに、今回の事件はダメージが大きいのじゃないでしょうか。
かつて神戸灘生協が創立70周年と会員100万人突破を機に『コープこうべ』への名称変更とさらに生協理念を広げていきたいという志をもったCIプロジェクトにコンサルとして参加させていただいた縁もあるだけに頑張ってほしいところですが、共済以外では生協はちょっと精細を欠いてきてます。
小売、卸の合併による流通の大型化という圧力もあるでしょうが、時代変化のなかで、生協って本当にに必要なのかという根本から問い直して、生協はどうあるべきなのかを構築しなおすべき時期が来ていると思うだけに、今回の事件をたんなる被害者として考えるのではなく、しっかり問題を直視した対策を考えてほしいものです。
生協でしかできないことってそうたくさんあるわけではないでしょうが、そこは知恵のだしどころ。ぜひ頑張ってください。ご健闘をお祈り申し上げます。
2007年05月14日
イヒをやめるって知ってイヒを思い出した
今日のYahoo!ニュースで、旭化成「イヒ!君」退職という記事を見て、広告が始まってもう10年になるということを知りました。当初はよく新幹線などの交通広告が目立ちましたし、面白い発想だという鮮度もありましたが、さすが10年ともなるとパワーがなくなってきたということでしょうか。
>>旭化成「イヒ!君」退職 堅苦しいイメージ、身近にした功労者
日経ビジネスのNBonlineによると、「イヒ!君」のおかげで、国内でも親しめる会社としてブランドイメージが向上したことと、社内の意識を変えることにもつながったそうですが、海外販売が2割しかなく、「グローバル市場での企業価値とブランド力の向上」をはかりたいそうです。
>>旭化成、「イヒ君」依存から脱却しブランド戦略を世界展開(日経情報ストラテジー)
どのような新しいイメージ戦略なのかはよくわかりませんが、チャレンジ精神の強化を狙った社内のインターナル・ブランディングをも考えているということです。そういった事情なら、イメージ戦略以前の問題、どうやって海外比率アップのはかるかという具体的な方策や事業がまずは重要だと思えます。イメージ戦略で社内の意識改革をはかろうとしても柳の下に「イヒ君」のようなドジョウは二匹いないかもしれません。社内もイメージ戦略になれて、目が肥えてしまっているでしょうしね。
それに、海外へのチャンレンジということは、旭化成の想いであって、顧客やユーザーにとってはあまり価値のないことであり、グローバル市場でのブランド価値というなら、それぞれの市場での事業やイメージ戦略が問われてきます。
感じるマネジメント
理念の浸透という点では、リクルート HCソリューショングループの『感じるマネジメント』は、「布教の時代は終わった」として、理念の浸透というよりは、共有が重要なのだという主張があり、なかなかいい感じです。
浸透っであったり、インターナル・ブランディングというと、いかにも上からの通達を社内にどのように刷り込むかというイメージが避けられないですね。事業そのもの、また価値観の多様化してきた時代のなかで、刷り込むというのはいかにも難しいことですが、広告代理店が絡むと、「社内というマス」をどう操作するのかというイメージが強くなってしまいますし、それ以上の発想を求めるのも無理かという気がします。
それと理念を共有するためは、さまざまな理念を感じさせる物語が重要だという主張も共感できます。コンテンツと自分との「つながり」を見出せてこそ、本当の共有できるのであり、つまり事実としての体験があり、それを伝え、また体験を共有できて初めて理念は共有できるという類のものだと思います。
インターナル・ブランディングなどという言葉で煙に巻くのではなく、なぜそうするのかということを共に考え、お互いにぶつけあるようなプロセスを経ないと理念の共有ってなかなかできるものではありません。こんな本音ばかり言ってると、その種のプロジェクトはやってこないかもしれませんが。
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>>旭化成「イヒ!君」退職 堅苦しいイメージ、身近にした功労者
日経ビジネスのNBonlineによると、「イヒ!君」のおかげで、国内でも親しめる会社としてブランドイメージが向上したことと、社内の意識を変えることにもつながったそうですが、海外販売が2割しかなく、「グローバル市場での企業価値とブランド力の向上」をはかりたいそうです。
>>旭化成、「イヒ君」依存から脱却しブランド戦略を世界展開(日経情報ストラテジー)
どのような新しいイメージ戦略なのかはよくわかりませんが、チャレンジ精神の強化を狙った社内のインターナル・ブランディングをも考えているということです。そういった事情なら、イメージ戦略以前の問題、どうやって海外比率アップのはかるかという具体的な方策や事業がまずは重要だと思えます。イメージ戦略で社内の意識改革をはかろうとしても柳の下に「イヒ君」のようなドジョウは二匹いないかもしれません。社内もイメージ戦略になれて、目が肥えてしまっているでしょうしね。
それに、海外へのチャンレンジということは、旭化成の想いであって、顧客やユーザーにとってはあまり価値のないことであり、グローバル市場でのブランド価値というなら、それぞれの市場での事業やイメージ戦略が問われてきます。
感じるマネジメント理念の浸透という点では、リクルート HCソリューショングループの『感じるマネジメント』は、「布教の時代は終わった」として、理念の浸透というよりは、共有が重要なのだという主張があり、なかなかいい感じです。
浸透っであったり、インターナル・ブランディングというと、いかにも上からの通達を社内にどのように刷り込むかというイメージが避けられないですね。事業そのもの、また価値観の多様化してきた時代のなかで、刷り込むというのはいかにも難しいことですが、広告代理店が絡むと、「社内というマス」をどう操作するのかというイメージが強くなってしまいますし、それ以上の発想を求めるのも無理かという気がします。
それと理念を共有するためは、さまざまな理念を感じさせる物語が重要だという主張も共感できます。コンテンツと自分との「つながり」を見出せてこそ、本当の共有できるのであり、つまり事実としての体験があり、それを伝え、また体験を共有できて初めて理念は共有できるという類のものだと思います。
インターナル・ブランディングなどという言葉で煙に巻くのではなく、なぜそうするのかということを共に考え、お互いにぶつけあるようなプロセスを経ないと理念の共有ってなかなかできるものではありません。こんな本音ばかり言ってると、その種のプロジェクトはやってこないかもしれませんが。
2007年04月26日
TBS経営陣は駄々をこねているのでしょうか?
TBSは、楽天に対して「TBS株を追加取得すれば、他球団の親会社の株式保有を禁じる野球協約第183条の違反状態がさらに拡大するとし、改善を求める申し入れ書を送付」したそうです。本体そのものが問題になっているときに球団の話ですか。
楽天は、横浜球団の経営に関与しないという旨の誓約書を提出しているわけで、もっと違う切り口ってないのでしょうか。いまのところ経営統合も嫌だ、経営に口出しされるのも嫌だという風にしか聞こえてきません。それはまずいんじゃないでしょうか。
HOYAと合併がしたくないということでに、合併を推進してきた社長と専務を解任したペンタックスとよく似た話に感じてしまいます。ペンタックスの場合は、社長と専務を解任したものの、経営建て直しの明確な方針が示せず、ペンタックスの筆頭株主である資産運用会社スパークス・グループに浦野文男前社長と森勝雄前専務の再任を求められるという事態となってきました。
>>スパークス・グループ、ペンタックスに浦野元社長らの取締役再任を要求
自らを『公器』だと自負するなら、やはり誰にもわかる説明をして欲しいものです。たとえ不快感があろうがなかろうが、それは世間にとってはどうでもいいことです。世の中、不快だから駄目だというのが通るのなら、誰も苦労はしません。たとえ不快であっても、それを抑えてきちんと筋を通すというのがフツーの世界だと思うのですが、放送局はフツーが通らない世界なのでしょうかね。
もうそろそろ、野球がどうのこうのという話ではなく、なぜ楽天が株を買い増すことが望ましくないのかという大儀を示してもらわないと、外野席としては面白くありませんね。
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楽天は、横浜球団の経営に関与しないという旨の誓約書を提出しているわけで、もっと違う切り口ってないのでしょうか。いまのところ経営統合も嫌だ、経営に口出しされるのも嫌だという風にしか聞こえてきません。それはまずいんじゃないでしょうか。
HOYAと合併がしたくないということでに、合併を推進してきた社長と専務を解任したペンタックスとよく似た話に感じてしまいます。ペンタックスの場合は、社長と専務を解任したものの、経営建て直しの明確な方針が示せず、ペンタックスの筆頭株主である資産運用会社スパークス・グループに浦野文男前社長と森勝雄前専務の再任を求められるという事態となってきました。
>>スパークス・グループ、ペンタックスに浦野元社長らの取締役再任を要求
自らを『公器』だと自負するなら、やはり誰にもわかる説明をして欲しいものです。たとえ不快感があろうがなかろうが、それは世間にとってはどうでもいいことです。世の中、不快だから駄目だというのが通るのなら、誰も苦労はしません。たとえ不快であっても、それを抑えてきちんと筋を通すというのがフツーの世界だと思うのですが、放送局はフツーが通らない世界なのでしょうかね。
もうそろそろ、野球がどうのこうのという話ではなく、なぜ楽天が株を買い増すことが望ましくないのかという大儀を示してもらわないと、外野席としては面白くありませんね。
2007年04月16日
保険がこけて、共済が伸びる
明治安田生命保険の保険金不払いが発覚してから2年経ちました。金融庁が保険会社に求めた調査で、38社で25万件290億円の不払いが報告され、山本金融相が「国民の目から見て、対応が後手にまわっている感想が否めない」と苦言を呈しているように問題の根の深さが想像できます。
おそらく、マニュアルレベルだけでなく、基本的な経営や業務の考え方、あるいはシステムそのものが、加入者が気がつかなければ払わないということになっており、そこから抜け出せないからだと思えます。
今回問題となっているのは、たとえば保険加入者が癌などで亡くなられた場合、当然診断書が病院から出て、ご家族が死亡保険を保険会社に請求するわけですが、その他に入院費や手術費などを保証した保険との抱き合わせ商品に加入していた場合に不払いが起こっていることが多いといいます。
診断書と加入している保険を見れば、保険会社のほうは、死亡保険意以外に支払わなければならないものがなにかはわかるはずですが、家族にはそれを知らせず、家族からの請求がなかったから支払わないということで。それが一社や二社だけでなく、業界の常識となっていたということです。
せこいというしかありません。というよりも、保険会社がなにを売っているかといったら、『安心』『信頼』という商品であるはずで、それと実際のビジネスが違っていたら話しにならないでしょうということに尽きますね。
当たり前の話ですが、保険は支払いがコストだと一瞬でも考えたとたんに破綻するのです。
讀賣新聞記事で、住友生命保険の横山社長が「不払い問題は、配当や保険料の競争より、契約者へのサービス改善が重要という問題を経営陣に気付かせてくれた」と指摘したといいますが、外部から見れば、そんなのは当たり前であって、ちょっとお寒い話ですね。
>>保険不払い 底なし(讀賣新聞)
だから、保険会社の不払い問題がさらにフォローの風となり、県民共済やCO-OP共済などが伸びてきたわけですが、とくに県民共済は加入者第一主義を掲げ、いかにスムースに支払うかを業務の柱としているために、日経ビジネスを行っている「アフターサービス満足度ランキング 安心できる会社はここ」でも県民共済グループが二年連続で生命保険部門で1位にランクされるという結果になっています。
やることはやっているから伸びているということでしょう。
保険って、いくら新製品で競争すると言っても限界があるわけで、長期的な差別化はブランド戦略が中心であるはず。しかも、いくら広告宣伝をやっても、実際にどうだったかという口コミのほうがはるかに影響力があるはず、そのためには顧客の満足度が効いてくるというのは誰にでもわかる話です。
生協もモノを売るというところでは、次第に独自性や競争力を失ってきた感がありますが、保険の分野では当分競争力が維持できそうですね。ブランドさえ確立してしまえば、生協法が改正され、他の保険会社と同じ条件となったとしてもやっていけるわけですが、さあどうでしょう。
しかし共済といっても、いろいろあって違いがわかりづらいですね。同じ共済でも、JA共済連は自動車保険での16億円超未払い問題を起こしています。「共済」といえば必ずしも安心とはいえなくなり、事業主体をしっかり見ないといけなくなったということですかね。
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おそらく、マニュアルレベルだけでなく、基本的な経営や業務の考え方、あるいはシステムそのものが、加入者が気がつかなければ払わないということになっており、そこから抜け出せないからだと思えます。
今回問題となっているのは、たとえば保険加入者が癌などで亡くなられた場合、当然診断書が病院から出て、ご家族が死亡保険を保険会社に請求するわけですが、その他に入院費や手術費などを保証した保険との抱き合わせ商品に加入していた場合に不払いが起こっていることが多いといいます。
診断書と加入している保険を見れば、保険会社のほうは、死亡保険意以外に支払わなければならないものがなにかはわかるはずですが、家族にはそれを知らせず、家族からの請求がなかったから支払わないということで。それが一社や二社だけでなく、業界の常識となっていたということです。
せこいというしかありません。というよりも、保険会社がなにを売っているかといったら、『安心』『信頼』という商品であるはずで、それと実際のビジネスが違っていたら話しにならないでしょうということに尽きますね。
当たり前の話ですが、保険は支払いがコストだと一瞬でも考えたとたんに破綻するのです。
讀賣新聞記事で、住友生命保険の横山社長が「不払い問題は、配当や保険料の競争より、契約者へのサービス改善が重要という問題を経営陣に気付かせてくれた」と指摘したといいますが、外部から見れば、そんなのは当たり前であって、ちょっとお寒い話ですね。
>>保険不払い 底なし(讀賣新聞)
だから、保険会社の不払い問題がさらにフォローの風となり、県民共済やCO-OP共済などが伸びてきたわけですが、とくに県民共済は加入者第一主義を掲げ、いかにスムースに支払うかを業務の柱としているために、日経ビジネスを行っている「アフターサービス満足度ランキング 安心できる会社はここ」でも県民共済グループが二年連続で生命保険部門で1位にランクされるという結果になっています。
やることはやっているから伸びているということでしょう。
保険って、いくら新製品で競争すると言っても限界があるわけで、長期的な差別化はブランド戦略が中心であるはず。しかも、いくら広告宣伝をやっても、実際にどうだったかという口コミのほうがはるかに影響力があるはず、そのためには顧客の満足度が効いてくるというのは誰にでもわかる話です。
生協もモノを売るというところでは、次第に独自性や競争力を失ってきた感がありますが、保険の分野では当分競争力が維持できそうですね。ブランドさえ確立してしまえば、生協法が改正され、他の保険会社と同じ条件となったとしてもやっていけるわけですが、さあどうでしょう。
しかし共済といっても、いろいろあって違いがわかりづらいですね。同じ共済でも、JA共済連は自動車保険での16億円超未払い問題を起こしています。「共済」といえば必ずしも安心とはいえなくなり、事業主体をしっかり見ないといけなくなったということですかね。
2007年04月14日
ライブドア宮内さんの本を読んでみた
虚構―堀江と私とライブドア
堀江や私は違法は論外としても、法の網の目をかいくぐる行為は合法なら許されると信じていた。それに、合法の積み重ねが邪な脱法意識のもとで行われると、国家権力はその脱法を許さないという「国家の論理」を知らなかった。
これは、『虚構-堀江と私とライブドア』のなかでライブドア元取締役宮内氏が語った言葉です。
要は未熟であったという反省です。未熟とはいえ派手なパーフォーマンスを続けてたライブドアは国家権力の手で実質的に解体され、創業時のメンバーがすべて去っただけでなく、将来性も見えない平凡なネット企業になってしまいました。
『虚構-堀江と私とライブドア』は、宮内氏による「内から書いたライブドアの実像」の書籍で、ホリエモンとの出会いから捜査にいたるまでの詳しい状況が書かれています。この時期になぜ書くのか、この程度のことはわかっていることだという非難もあるかもしれませんが、村上ファンドの裏切り、亡くなった野口さんに関する話などそこで起こった事件についても触れられており、興味深く読ませてもらいました。
ただ、なぜタイトルが「虚構」なのかはよくわかりませんでした。ホリエモンがすべて宮内がやったことだと主張していることを指しての「虚構」なのでしょうか。
ホリエモンが近鉄買収に名乗りをあげ、その後の日本放送株を巡る攻防、さらに衆議院選挙への出馬、タレントとの合コン、あげくは宇宙事業が夢を語るなど、次第にホリエモンは迷走していったことは外部からも感じられ、経営者としては終わった感がありました。
内部から見ても、フジテレビからライブドアが1340億円を「強奪」し、ホリエモン個人としても140億円のキャッシュを手に入れてからは、ホリエモンが変わってしまい、芸能人化するとともに、経営にたいする情熱を失い、求心力も失ってしまっていたようです。
もし本当にそうなら、ホリエモンはライブドアという会社も人生もカネで失ってしまったに等しいといえるのではないかと思えます。ホリエモンがこの先どうなるかはわかりません。しかし、もはやホリエモンが再び輝くことはちょっと難しいでしょうね。もう眼の輝きもありません。
ビジョナリー・ピープル地獄の沙汰も金次第とはいいますが、お金を稼ぐことが人生の成功とは必ずしもいえないというのは、お金がない悔し紛れではなく、いま読み始めている「ビジョナリー・ピープル」の主張です。成功した世界の200人以上の人々をインタビューして得られたことが書かれている本ですが、ホリエモンをインタビューしていたらどうなっていたのでしょうね。
2007年03月20日
野中会長ってなんだったのだろうか
三洋電機の野中ともよ会長が辞任しましたが、そもそも会長就任というスタート時点から奇異に感じない人はいなかたのではないかと思います。経営の世襲批判をカムフラージュするためのダミーという見方が大勢を占めていましたが、社員の人たちからすれば、なぜ世襲なのか、またなぜ野中さんなのかという疑問や落胆は大きかったのではないでしょうか。リストラを待つまでもなく、実際、それで転職した人もいます。
地球環境に配慮した製品を売り出すということで、ThinkGAIYAを掲げ、単発的に充電式ニッケル水素電池「eneloop」や、ドラム式洗濯乾燥機「AQUA」などをヒットさせたものの、実態としては、ただでさえ厳しい市場の中で、低価格戦略で売り上げを繕ってきたというのが実態ではないでしょうか。
それにしても不二家にしても、経営の世襲による緩みが企業の存続を危うくする事例が重なっていますが、かならずしも世襲が悪いわけではなく、問題はそれを支える知恵袋が社内にいるかどうかではないでしょうか。
昔の大阪の船場の商家では、かららず娘に才覚のある婿をとって事業継承をさせたという伝統がありました。息子はひたすら遊ばせ、経営には参加させませんでした。ハイブリッド化と外部の血をいれて、世襲による経営の弱体化を防いだということでしょう。世襲の経営者でも成功した人、立派な経営者はたくさんいらっしゃいますが、その背後には苦言も呈し経営を支える実力者というか、怖い番頭的な人がいらっしゃることが多いですね。それに、いつでも相談できる幅広い外部ネットワークを持っていらっしゃいます。
厳しい市場環境の中で再建するということもハードルの高い仕事、三洋電機ほどの規模になれば経営の世襲も難しい業、そんなふたつの大きな課題を抱えながら、いかにダミーとはいえ、経営の経験もなく、ビジネスを知らないばかりか、ホテルに豪華な会長室を作ったり、優雅に海外旅行を楽しんだり、またご主人の会社に仕事を発注するなどの公私混同まで指摘されきた人を会長に据えた経営責任は重いように感じます。またあまりにもお粗末な結末に開いた口が塞がりません。
↓お気づきのかたは、クリックお願いします。
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地球環境に配慮した製品を売り出すということで、ThinkGAIYAを掲げ、単発的に充電式ニッケル水素電池「eneloop」や、ドラム式洗濯乾燥機「AQUA」などをヒットさせたものの、実態としては、ただでさえ厳しい市場の中で、低価格戦略で売り上げを繕ってきたというのが実態ではないでしょうか。
それにしても不二家にしても、経営の世襲による緩みが企業の存続を危うくする事例が重なっていますが、かならずしも世襲が悪いわけではなく、問題はそれを支える知恵袋が社内にいるかどうかではないでしょうか。
昔の大阪の船場の商家では、かららず娘に才覚のある婿をとって事業継承をさせたという伝統がありました。息子はひたすら遊ばせ、経営には参加させませんでした。ハイブリッド化と外部の血をいれて、世襲による経営の弱体化を防いだということでしょう。世襲の経営者でも成功した人、立派な経営者はたくさんいらっしゃいますが、その背後には苦言も呈し経営を支える実力者というか、怖い番頭的な人がいらっしゃることが多いですね。それに、いつでも相談できる幅広い外部ネットワークを持っていらっしゃいます。
厳しい市場環境の中で再建するということもハードルの高い仕事、三洋電機ほどの規模になれば経営の世襲も難しい業、そんなふたつの大きな課題を抱えながら、いかにダミーとはいえ、経営の経験もなく、ビジネスを知らないばかりか、ホテルに豪華な会長室を作ったり、優雅に海外旅行を楽しんだり、またご主人の会社に仕事を発注するなどの公私混同まで指摘されきた人を会長に据えた経営責任は重いように感じます。またあまりにもお粗末な結末に開いた口が塞がりません。
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2007年03月13日
驚くことばかり-大日本印刷情報漏えい
逮捕者がでるのではないかと思っていた日興コーディアル証券の上場維持が決まったり、朝青龍が二連敗だとか驚くような出来事が重なっていますが、大日本印刷から、ダイレクトメール(DM)の作成を委託していたカード会社や保険会社など43社の個人情報計約864万人分が流出していたというのにも驚かさせられました。
2004年に米国でAOLから9800万人の個人情報が流出した事件がありましたが、これだけの規模の情報流出事件はそうあるものではありません。YahooBBで450万人ぐらいでしたから、不名誉な記録を残してしまったということになります。
下請けさせていたシステム開発会社の元社員による犯行でした。自宅で表計算ソフトの練習をするために持ち出し、その後、大日本印刷の仕事をやめたために金に困ってジャックスのカードデータをネットで売ったと供述しているそうです。
その供述が本当だとすると、UFJニコスで振り込め詐欺の被害が4件あり、うち2件は実害があったというのがありましたが、このルートではないということになります。しかし、そうでないという証明は結構難しく、さまざまなトラブルを大日本印刷が抱えざるをえなく、どう収拾するのでしょうか。大量の個人情報漏洩は、システムの問題よりも圧倒的に、人為ミスとか今回のような不正流出で起こっているわけで、雇用が安定していないIT業界の実情を思うと、そういったデータ管理を下請けにさせていたというのは、大日本印刷のガードが甘すぎたという気がしますね。
おそらく取引先への損害賠償にとどまらず、個人に対する賠償問題も避けられないと思います。「Yahoo! BB」の顧客情報流出事件では6000円の支払いを命じる判決が下りています。
そういた損失も大きいとしても、大日本印刷はセキュリティのシステムも商品化しているわけで、信用を損ねたことの打撃も重なってきます。株価にもすでに影響がでてきています。
しかし、どうしてもこういった事件が起こると過剰反応もでてくることが避けられないので、迷惑な話ですね。
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2004年に米国でAOLから9800万人の個人情報が流出した事件がありましたが、これだけの規模の情報流出事件はそうあるものではありません。YahooBBで450万人ぐらいでしたから、不名誉な記録を残してしまったということになります。
下請けさせていたシステム開発会社の元社員による犯行でした。自宅で表計算ソフトの練習をするために持ち出し、その後、大日本印刷の仕事をやめたために金に困ってジャックスのカードデータをネットで売ったと供述しているそうです。
その供述が本当だとすると、UFJニコスで振り込め詐欺の被害が4件あり、うち2件は実害があったというのがありましたが、このルートではないということになります。しかし、そうでないという証明は結構難しく、さまざまなトラブルを大日本印刷が抱えざるをえなく、どう収拾するのでしょうか。大量の個人情報漏洩は、システムの問題よりも圧倒的に、人為ミスとか今回のような不正流出で起こっているわけで、雇用が安定していないIT業界の実情を思うと、そういったデータ管理を下請けにさせていたというのは、大日本印刷のガードが甘すぎたという気がしますね。
おそらく取引先への損害賠償にとどまらず、個人に対する賠償問題も避けられないと思います。「Yahoo! BB」の顧客情報流出事件では6000円の支払いを命じる判決が下りています。
そういた損失も大きいとしても、大日本印刷はセキュリティのシステムも商品化しているわけで、信用を損ねたことの打撃も重なってきます。株価にもすでに影響がでてきています。
しかし、どうしてもこういった事件が起こると過剰反応もでてくることが避けられないので、迷惑な話ですね。
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2007年02月16日
NOVAに経産省立ち入り検査
『駅前留学』をウリにし、ピンクのウサギでおなじみのNOVAですが、14日に特定商取引違反の疑いで経済産業省と東京都の立ち入り検査があったことが朝日新聞で報道されていました。他の新聞には見当たらずスクープ記事でしょうか。
英会話のNOVAに立ち入り検査 解約トラブルで経産省
NOVAを巡っては、突然通っていた教室が閉鎖されたとか、予約が取れない、まとめ買いで契約した受講者が途中で解約すると、契約時と解約時の料金体系が異なっており返却金が少ないなどのトラブルが続出しているらしく、訴訟も起こっており、東京高裁や京都地裁などでは受講生が勝訴しています。国民生活センターに持ち込まれた苦情・相談が年間1千件前後と他の英会話スクールと比較して突出しているそうです。
>>某大手英会話スクールを考える
>>広告*消費者問題Blog NOVA中途解約訴訟の判決は妥当か
他の英会話スクールが経営破たんしたり、経営不振に見舞われるなか、低価格と多店舗展開による利用のしやすさ、また独特のCMでで急成長し、同社の推計ではシェアも50%を超えていたものの、2006年3月決算では、売り上げも前期の750億円から698億円に落ち、30億円の赤字を計上しており、さらに2006年9月中間期決算を見ると、さらに売り上げが低下してきており、成長に急ブレーキがかかっています。
低価格と多店舗展開というビジネスモデルは、成長しているうちはいいとしても、いったん成長が止まると無理がでてくるということでしょうか。もともとちょっと無理な営業をしていると感じていましたが、それも限界に達したのでしょう。
不採算店の整理とか、「お茶の間留学」としてYahoo!BB会員向けにIPテレビ電話による英会話学習サービスを始め新たな活路を模索しているようでしたが、講師がコカインや大麻所持で相次いで逮捕されるというトラブルも起こり、さらに今回の報道で営業にもさらに影響がでてきそうで、弱り目に祟り目となったのじゃないでしょうか。ちょっと厳しいですね。
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英会話のNOVAに立ち入り検査 解約トラブルで経産省
NOVAを巡っては、突然通っていた教室が閉鎖されたとか、予約が取れない、まとめ買いで契約した受講者が途中で解約すると、契約時と解約時の料金体系が異なっており返却金が少ないなどのトラブルが続出しているらしく、訴訟も起こっており、東京高裁や京都地裁などでは受講生が勝訴しています。国民生活センターに持ち込まれた苦情・相談が年間1千件前後と他の英会話スクールと比較して突出しているそうです。
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>>広告*消費者問題Blog NOVA中途解約訴訟の判決は妥当か
他の英会話スクールが経営破たんしたり、経営不振に見舞われるなか、低価格と多店舗展開による利用のしやすさ、また独特のCMでで急成長し、同社の推計ではシェアも50%を超えていたものの、2006年3月決算では、売り上げも前期の750億円から698億円に落ち、30億円の赤字を計上しており、さらに2006年9月中間期決算を見ると、さらに売り上げが低下してきており、成長に急ブレーキがかかっています。
低価格と多店舗展開というビジネスモデルは、成長しているうちはいいとしても、いったん成長が止まると無理がでてくるということでしょうか。もともとちょっと無理な営業をしていると感じていましたが、それも限界に達したのでしょう。
不採算店の整理とか、「お茶の間留学」としてYahoo!BB会員向けにIPテレビ電話による英会話学習サービスを始め新たな活路を模索しているようでしたが、講師がコカインや大麻所持で相次いで逮捕されるというトラブルも起こり、さらに今回の報道で営業にもさらに影響がでてきそうで、弱り目に祟り目となったのじゃないでしょうか。ちょっと厳しいですね。
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2007年02月08日
市場の成熟は売り上げだけではわからない
日本の経済の怖さは、これまでにも書いてきたことですが、ひとつは、中国の加熱する設備投資がまるでブラックホールのようにその関連素材、また機械などを飲み込みつづけているために、需要が逼迫し、さらに価格高騰を起こして日本の『成熟』しきった衰退産業を復活させてしまったことです。
ふたつめは、規模の拡大を第一とする価値観が浸透しており、市場が伸びている、販売数量が伸びてさえいれば『成長』しているという評価をしてしまい、市場の『成熟』に対する視点を曖昧にしてしまっていることではないかということです。
ひとつめの問題は、たしかに日本経済全体にとっては、一時しのぎとなっているのでしょうが、日本の産業構造を変革していくという動機が鈍ってしまいます。売り上げも利益も伸びているからいいじゃないかという風に。問題はそれが企業努力というよりは、需要が伸びているから業績があがっているだけで、需要が停滞したときのことを考えると空恐ろしいことです。
ふたつめの問題も、デジタル家電をはじめとして、市場は伸びているものの激しい開発競争、販売競争が繰り広げられ、市場は活況のように見えても利益に結びついているかというとかなり怪しくなってきています。投入した開発費や開発努力と、販売数の伸びではなく、利益の伸びとの関係で見ると、市場規模は拡大していても、収益性が落ちてきているということは、すでに『成熟』が始まっているということです。
『成熟』から脱出するためには、大きく発想を変えたイノベーションが本来は必要なはずですが、スペック競争や性能競争でガチンコ勝負をするという枠組みから抜け出せていません。昨年も日本発の消費財分野で目立ったイノベーションがあったのはニンテンドーDSとWiiぐらいではなかったのかと感じます。
経団連をはじめとした経済界からも国際競争力を維持・拡大するためにはイノベーションが必要性だと歌われていますが、どうもオールドウェイブな製造業よりの発想に偏っているように感じてなりません。
いみじくも、その経団連の御手洗会長のお膝元のキャノンが、違法な労働形態である「偽装請負」で行政指導を受けたとか、なぜか朝日の記事が消えてしまっているのですが、発明対価訴訟、キャノンに支払い命令(テレビュー福島)なんていう記事を見てしまうと、今は旬の優良企業だとしても、ちょっとイノベーションとは縁遠いという印象を持ってしまいます。
経済のソフト化といわれて久しいのですが、日本ってやはりモノづくり、製造業の発想から抜け出せないのでしょうか。発想を変えるとかパラダイムを変えるのが得意じゃないのかもしれません。しかし、日本の企業は勝ちパターンをいったん取り入れはじめたらとことんやる体質は残っていると思うので、もっと任天堂のようなイノベーションの見本となる企業がでてくればいいですね。
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ふたつめは、規模の拡大を第一とする価値観が浸透しており、市場が伸びている、販売数量が伸びてさえいれば『成長』しているという評価をしてしまい、市場の『成熟』に対する視点を曖昧にしてしまっていることではないかということです。
ひとつめの問題は、たしかに日本経済全体にとっては、一時しのぎとなっているのでしょうが、日本の産業構造を変革していくという動機が鈍ってしまいます。売り上げも利益も伸びているからいいじゃないかという風に。問題はそれが企業努力というよりは、需要が伸びているから業績があがっているだけで、需要が停滞したときのことを考えると空恐ろしいことです。
ふたつめの問題も、デジタル家電をはじめとして、市場は伸びているものの激しい開発競争、販売競争が繰り広げられ、市場は活況のように見えても利益に結びついているかというとかなり怪しくなってきています。投入した開発費や開発努力と、販売数の伸びではなく、利益の伸びとの関係で見ると、市場規模は拡大していても、収益性が落ちてきているということは、すでに『成熟』が始まっているということです。
『成熟』から脱出するためには、大きく発想を変えたイノベーションが本来は必要なはずですが、スペック競争や性能競争でガチンコ勝負をするという枠組みから抜け出せていません。昨年も日本発の消費財分野で目立ったイノベーションがあったのはニンテンドーDSとWiiぐらいではなかったのかと感じます。
経団連をはじめとした経済界からも国際競争力を維持・拡大するためにはイノベーションが必要性だと歌われていますが、どうもオールドウェイブな製造業よりの発想に偏っているように感じてなりません。
いみじくも、その経団連の御手洗会長のお膝元のキャノンが、違法な労働形態である「偽装請負」で行政指導を受けたとか、なぜか朝日の記事が消えてしまっているのですが、発明対価訴訟、キャノンに支払い命令(テレビュー福島)なんていう記事を見てしまうと、今は旬の優良企業だとしても、ちょっとイノベーションとは縁遠いという印象を持ってしまいます。
経済のソフト化といわれて久しいのですが、日本ってやはりモノづくり、製造業の発想から抜け出せないのでしょうか。発想を変えるとかパラダイムを変えるのが得意じゃないのかもしれません。しかし、日本の企業は勝ちパターンをいったん取り入れはじめたらとことんやる体質は残っていると思うので、もっと任天堂のようなイノベーションの見本となる企業がでてくればいいですね。
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2007年01月08日
見えにくいイノベーションを可視化する
ライフサイクル イノベーション 成熟市場+コモディティ化に効く 14のイノベーションイノベーションが企業に利益をもたらすということは、ずいぶん昔から発見されたことであり、マーケティングの本質的な役割も顧客にとっても価値をどう革新するかにあるわけですが、今日はなにがイノベーションなのかが見えにくくなってきているように思えます。
ひとつには、中国市場に代表されるようなアジア市場を中心とした市場の地理的な拡大がありますが、それは先進国市場では成熟してしまった製品やサービスを復活させたり、先進国市場で焦点となっている機能や品質とは異なる製品やサービスが売れるというタイムラグを生み出してきていることがあります。そういった市場拡張によってビジネスが成長すると、リスクの高いイノベーションにチャレンジする動機が弱まってしまうということもあります。
また、ムーアの法則ではないですが、今日の多くの製品の心臓部となっている半導体の性能の急速な性能の向上が、どんどん製品を変化させてきており、それでつぎつぎに製品のイノベーションが起こっているように見えても、実際には大きな価値の向上とならず、価格は下がるばかり、あるいは価格の下落を歯止めする程度でしたかなかったりします。
もっと身近な問題としては、世の中は成長市場のプレイヤーよりは、成熟してしまった市場でのプレイヤーのほうが多くなってしまったので、成熟した市場では、イノベーションというよりは生き残りをかけた厳しい競争のなかで消耗戦を繰り広げるのがやっとだということかもしれません。
『ライフサイクル イノベーション - 成熟市場+コモディティ化に利く14のイノベーション』は、キャズムの理論を提唱したジェフリー・ムーアが、市場の成熟度によって、どのようなイノベーションが求められるか、またイノベーションをタイプ分けする視点、さらにどのようにイノベーションを継続的に行うために資源としての人材のリサイクルを行うべきかなどをわかりやすく展開した書籍です。
見えづらくなったイノベーションを俯瞰して、可視化し、頭の中を整理するにはオススメできる一冊だと思います。
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