ビジネスモデル

改革に失敗し、危機を招いた大塚家具

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さて、大塚家具の経営に黄色信号が点滅しはじめたようです。売上高が下がり続け、赤字が続き、自慢の無借金経営も資金繰りが怪しくなりはじめ、身売り話も難航しているようです。



大塚家具再建はますます難しい状況になってきています。親子対立まで起こし、父と娘で袂を分かったのですが、結果論になりますが、その際に描いた久美子社長の戦略が間違っていたのです。かと言って、先代社長が経営していても同じ危機は早晩やってきたものと思います。

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セブン好調とはいえ大きな課題は残ったまま

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「流通の神様」とまで言われた鈴木前会長が退任されてからもセブンイレブンの快進撃が止まりません。ファミリーマートとローソンが営業減益となる一方で、セブン―イレブン・ジャパンは営業最高益を更新しつづけています。2017年8月中間決算で、売上高が前年同期比2・8%増の4348億円、営業利益は3・3%増の1307億円となりました。既存店売上高も61カ月連続プラスを続けています。

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メイド・バイ・コリアのiPhoneX

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はや10年、まだ10年。受け取めかたは人によって違うでしょうが、携帯電話を再定義してiPhoneが登場して10年目にアップルがリリースしたのがiPhoneX。そんな歴史を記念する特別な機種です。しかし、画像を見て感じたのは、サムスンのGalaxyS8とどこが違うのだろうかという戸惑いです。昨日発行したメルマガのなかでも触れたのですが、すくなくともアップルは、iPhoneの新しい歴史のステージ、新しいiPhoneのアイデンティティを感じさせることに失敗したように見えます。GalaxyS8と製品画像を並べてみましたがなにが違うのでしょうか。

図1



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「仮想現実」がつきつけられる「無関心」の壁

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米国の調査会社がインターネットユーザーにVRヘッドセットについて調査したところ、ヘッドセットの価格が高く、VRコンテンツが少ないことに加え、販売されている製品の質や、「乗り物酔い」になりそうだなどのネガティブな意見があったことよりも、「単純に興味がない」と答えた人が最多の約53%に達したといいます。

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お騒がせな「イケア小売りに特化」の記事タイトル

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IKEA_Kobe_in_Japan

Livedoor Newsに「イケアグループ、56億ドルで家具設計・生産事業売却 小売りに特化」という記事がありました。衝撃的な記事タイトルです。イケアが商品開発と生産を放棄するのかと思わせ、あのイケアが自らの強みを捨てるのか、まさかということだからです。続きを読む

講談社の料理動画配信ビジネスが面白そう

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ニュースを見て、なるほどと感じさせたのが9月15日にスタートした動画料理メディアSpooonn! by KODANSHAです。料理の作り方を動画で紹介してもらえ、またスマートフォンを見ながら料理するというのはいかにも便利そうです。

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「自走車」で次代の覇権を狙う米国

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GMと配車サービスのリフトが、電気自動車「シボレー・ボルト(Bolt)」の自動運転タクシーの公道試験走行を1年以内に開始するそうです。グーグルやテスラ、またシリコンバレーのベンチャーなどが狙う自動車産業の創造的破壊に備えて、いよいよGMも動きだしました。

自動運転タクシー公道実験へ、GMとリフトが1年以内に - WSJ : 


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NTTドコモは迷走するのか、進化するのか

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このところNTTドコモの買収劇が急になってきています。国内では「らでぃっしゅぼーや」であっといわせたかと思うと、つぎはタワーレコードです。そういえばTV通販の会社も子会社化していて、通販事業強化にむけて楔を打ち始めているということでしょうか。

スマホそのもの、またスマホの活用ビジネスがますます広がるなかで、通信会社は、設備投資に金がかかるばかりで、利益を得るのは通信を利用する他人のビジネスという「土管ビジネス」になりかねず、中期ビジョンで高らかに宣言した「スマートフォンを核とした総合サービス産業」への長い道程の布石を打ち始めていると感じさせます。儲けをアップルに独り占めさせまいと、クラウド・サービスを充実させ、コンテンツ販売にも、物販にも、次世代テレビにも、医療分野にも、どんどんサービス領域を広げることへの壮大なチャレンジです。
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気になるグルーポンのビジネス・モデルの継続性

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おせち料理で表示と中味があまりにも異なることで問題を起こし話題になったグルーポンですが、成長力には目をみはるものがあり、2010年第1四半期の2000万ドルから今年第1四半期には2億7000万ドルまで10倍に増えています。

小さな企業や商店の知名度をあげたり、トライアルで商品やサービスを体験してもらうためのマーケティング手段を提供した功績は大きく、最速ともいえる急成長を遂げ、上場をめぐっての話題も事欠きません。

この急成長を生み出してきたのはアイデアの良さもあるでしょうが、積極的な販売攻勢とM&Aによるところも大きく、そのために販売コストもかさみ、累積で5億2200万ドルの巨額の累積赤字を抱える結果となっています。

さて、グルーポンのビジネス・モデルですが、面白いと思う反面、危うさも感じます。

まず商品やサービスを割引購入するクーポンの手数料が高く、スポンサー企業が、赤字覚悟のトライアル購入を促進することに割り切ればいいのですが、赤字を縮小しようとすると、おせち料理で問題になったように、商品やサービスのコストを下げるか、価格を水増しする問題が発生しかねないことです。
5分でわかるグルーポンの仕組みと抜け道*ホームページを作る人のネタ帳 :

もしそれで不満が起こるとユーザーは二度と利用しないことになりかねません。
商品やサービスの品質のコントロールが困難で、品質の安定をはかろうとすると、信頼ができ実績のあるスポンサー企業に対象が絞られてきます。

第二は、どのようなビジネスでもそうですが、スポンサー企業が継続して利用しなければつねに新規のスポンサーを開拓しなければなりません。それは顧客開拓のためのマーケティング費用が増え続けるばかりか、やがては、スポンサーが枯渇することも考えられることです。
フィナンシャル・タイムスの訳文記事によると、昨年行われた調査では、グループ割引で販売した商店主の42%はサービスの再利用をしていないという結果だったそうです。もしそれが本当なら離脱率が高すぎます。
グルーポンはIPOを正当化できない 危険に満ちたドライブ、投資家は慎重な判断を JBpress(日本ビジネスプレス) :


第三は、ほんとうにスポンサーが狙ったような販売促進になっているのかどうかです。グルーポンによる知名度アップや購入また利用体験には効果が高くとも、その後のリピート購入やリピート利用がなければ、スポンサーは投資の回収ができません。実際にグルーポン利用客がクーポンを利用せず、通常時にリピート購入したのか、再訪問があったかを検証することも難しそうです。
もし、利用者にバーゲンハンターが多く、魅力的な割引がない時にしか利用しないとすればグルーポン継続利用は期待できません。だから離脱率が気になるのです。

第四は、模倣がいかにも簡単なビジネス・モデルだということです。グルーポン買収に失敗したグーグルも「グーグル・オファーズ」として米国の一部で同種のサービスをスタートさせています。グーグルはこの種のマーケティングは不得意だとしても、国内でも、ポンパレ、一休マーケットなど数社が参入しており、第二位のリクルートのポンバレとの差はすでに大きいとは言えません。営業の足腰が強い会社からすれば、フリーペーパーよりも美味しいビジネスのようにも感じます。

第五は、グルーポンで割引を行うことが、その商品やお店のブランドのイメージにとってプラスになるのかどうかも気になるところです。しょせん安売りしなければ売れないというナイナ・イメージがつくリスクをともないかねないことです。

さて、このまま成長を続けるのか、ビジネス・モデルそのものが抱えている問題で、いずれかの時点で失速するのか目がはなせないビジネスです。


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「発・送電」分離ではなく、「発・送・配電」の分離が重要です

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電力自由化をめぐっては、「発送電分離」という言葉が流れていますが違和感があります。

電力のビジネスを考えると、製造業にあたるネルギー資源の調達と電力を生産する製造機能にあたる発電、電力を届け、また需給を調整する物流機能にあたる送電、最終の需要家に電力を売る小売機能をもった配電の3つにわかれ、現在は電力買取りが部分的には行われていますが、おおむね電力会社がセットになったビジネスになっています。

送電に関しては、いまさら高圧線や電柱、変電所、地下ケーブルなどの施設を重複して敷設することは無駄であり、また環境への影響を考えるとその資産を利用し、引くつぐことが合理的です。この分野での競争は期待できません。

発電は、電力会社の発電部門、余剰電力を抱えた鉄鋼などの製造業、また風力発電施設をもつ地方自治体や事業体、さらに太陽光発電や地熱発電などのさまざまな新規参入が期待できる分野であり、電力会社の発電部門を分離すれば、現在以上に発電ビジネスが活性化します。ごみ処理施設も発電さえ行えば、電力を電力の卸市場を通して売ることができます。

しかし、問題は誰がそれらの電力を売るかです。電話なら送電にあたる回線や構内施設はNTTのものを使っても、電話による通信を売る会社はNTTだけでなく、ソフトバンクであったり、KDDIであったり、今では競争が起こっています。

電力もまったく同じで、今はその地域の電力会社と契約するのがあたりまえですが、小売部門としての配電会社が分離されればどの配電会社と契約するかの選択ができるようになります。また電力消費の多い産業用を考えると、全国展開している小売チェーンや外食チェーン、また多地域に工場のある企業に、もっとも有利になる電力を仕入れ、一括して電力を売るというビジネスが生まれます。発送電の分離ということでは、この電力小売りのところが抜け落ちてしまいます。

送電会社がこの小売機能も持ってもかまわないとしても、送電と配電を一体化させると地域独占のままとなり、電力小売での競争が起こってきません。

この分野が、電力消費の最適化、また電力コストの削減などの技術やシステムの開発やコンサルティングを含めた「総合エネルギーサービス産業」(ESCO)の進化ともなり、電力競争の主役を担う存在ともなってくるので、そこで競争が起こさなければ電力自由化による電力ビジネスの活性化にはつながってきません。

多くの産業がそうであるように、川上と、川下のほうがイノベーションのチャンスが多いのです。またそれが海外との競争力を高める技術やノウハウ、またシステムともなってきます。

電力自由化の話は新しいようで古い話であり、どなたかがイノベーションが起こらないと電力会社の分離はうまくいかないと書かれていましたが、そんなことはなく、海外では電力会社の機能別分離がとっくに進められ、すでに分離されています。ロスの大停電という失敗もありましたが、その後はとくに問題は起こっていません。

イノベーションというと、技術だと未だに思っている人がいますが、決してそうではなく、ビジネスモデルを変えることもイノベーションです。ドラッカーも「イノベーションと企業家精神 (ドラッカー名著集)」でこう述べています。
 イノベーションは技術に限らない。モノである必要さえない。それどころか、社会に与える影響力において、新聞や保険をはじめとする社会的イノベーションに匹敵するものはない。
 18世紀啓蒙主義による社会的イノベーションの一つである近代病院は、いかなる医学上の進歩よりも医療に大きな影響を与えた。
 多様な知識や技術を有する人たちを働かせるための知識としてのマネジメントもまた、今世紀最大がのイノベーションだった。それは、まったく新しい社会、いかなる政治理論も社会理論も準備していない組織社会を生み出した。
電力会社を分離することで、電力会社に働く人たちにとってもイノベーションにかかわる機会も、その進化に貢献する機会も生まれてきます。持っている知識を活用し、起業するチャンスも起こってくるでしょう。

電力会社の発・送・配電分離というのはすでに海外では実績があり、とくに政府がコストをかけずに行える成長戦略のひとつにきっとなってくると思います。


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3Dテレビが成功する条件を想像してみる

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3Dテレビが売れないままに、技術の暴走を続ける日韓の家電業界ですが、ようやく裸眼で見ることのできる3Dテレビが登場してきて、ほんの少し可能性が見えてきたように感じます。そこでどうすれば3Dテレビが成功するのか、ちょっと思考ゲームをやってみました。軽い気持ちで読んでいただければと思います。3Dテレビがどうすれば成功するかをゲームとしてみなさまもご一緒に考えていただくと、面白い頭のトレーニングになるかもしれません。

メガネの問題がクリアされたとして、残っている最大の課題は価格の高さであり、3Dで見る価値のあるコンテンツの不足です。この二点につきるでしょう。
価格については、直感的には、おそらく許容できる普通のテレビとの価格差は、いいところ2割増し程度かなと感じます。薄型テレビの売れ筋商品の価格が、6万円から11万円程度だとすると、7万円から13万円ぐらいになるのでしょうか。あくまで直感です。それぐらいで供給出来れば普及する価格帯に入ってきそうです。

しかしテレビが売れたとしても、3Dで見る価値のあるコンテンツが圧倒的に不足しています。コンテンツがなければ、買ってはみたもものの、すぐに飽きてしまい、ほとんどは普通の番組やDVDを見るということになってしまいます。利用されなければ製品価値は下がり、普及に限界がでてきます。

普通の映像は3Dテレビで見なくとも、私たちの脳は3Dに翻訳して映像を見ているので、コンテンツを3D化する必要性はあまりありません。だから、3Dで見る価値のあるコンテンツがそうそう大量に生まれてくるとは想像できません。

鍵を握っているのはゲームだと思います。あるいはゲーム的なものです。人工的に奥行きをつくることで、迫力のある画面を実現できるだけでなく、ゲームの複雑性を高めることもできるでしょう。最初から自然な画像というよりは、バーチャルな画像なので違和感もありません。

さて価格ですが、技術だけでは低価格化には無理があるのかもしれません。立体に見せるためには、右目用と左目用に画像を分離するプリズムのようなフィルムが必要だと思いますが、高い精度が必要なので、きっと相当価格が高そうです。売れる見通しがあれば、そちらはある程度はクリアできるかもしれません。しかしそれだけでは充分ではなさそうです。

ヒントは、iPadがなぜ安いかにあるのではないでしょうか。iPadは500ドルですが、あのサムスンのギャラクシーも確か600ドルでした。他のメーカーもその低価格に追いつけません。
もちろんiPadがCPUもOSも自前であり、ライセンス料を外部に支払わなくともよいこともあるでしょうが、やはりiTunesやappストア、iBooksなどのプラットフォームでコンテンツを売って手数料を稼げることも大きいのでしょう。
ビジネスモデルでは、いわゆるインストールモデルといわれるものです。インクジェットのプリンターを安く提供できるのも、後にインクという消耗品が売れ、そこで利益をだせるからだというのと同じです。

ハードの技術だけでなく、3Dで見る魅力のあるコンテンツがどんどん生まれる仕組み、コンテンツを供給し、ハード以外でも利益が稼ぎ出せるビジネスの仕組みもあわせて開発できれば、3Dテレビの潜在力もかなり変わってきます。コンテンツをインターネットで流したり、販売することを考えれば、「3DスマートTV」という新たな分野が誕生するかも知れません。メニュー画面などは相当面白くなるのではないでしょうか。

そんなことができるのは、SONY?Apple?いずれになるのでしょうか。はたまたサムスン?任天堂?それ以外?


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映画のビジネスモデルが足元から崩れ始めた

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映画のビジネスが、映画を製作する投資を興業で回収しDVDで利益を稼ぐ、あるいは興業収入で回収できなかった不足分をDVDで補うしくみで成り立つようになって久しいのですが、その構図が崩れ始めているようです。

昨年の国内の興行収入が過去最高になったとはいえ、肝心の利益を稼いでくれるDVDの売上げが減少してきているというのです。

SankeiBizの記事によると、「昨年1年間のDVDビデオの売り上げは、販売・レンタル用を合わせて2203億円(速報値)。ピークの平成17年(3477億円)から5年連続で減少し、6割にまで落ち込んだ」そうです。
地デジに画質負け…DVD売れず 買い付けや制作費回収の図式崩壊 - SankeiBiz(サンケイビズ) :

この記事タイトルは、その原因を地デジに画質に負けたことを強調するものになっていますが、日本映像ソフト協会(JVA)は、その原因となる背景を3つあげています。

(1)「DVDで手元に置きたい」と思わせる作品が減った
(2)ハイビジョンテレビが普及し、DVDより地上デジタル放送の映画の方が画質が上になった
(3)安売りをやりすぎて映画ソフトが値崩れを起こし、客が離れた

「DVDで手元に置きたい」という作品が減ったというのは理解できますが、画質の問題や、値崩れによる客離れというのはちょっと違うかなと感じます。

むしろ、現代は映画とかゲームとか、インターネットとかの市場のカテゴリーを超えた競争が起こっており、その競争に負けているということのほうが大きいのでしょう。

とくにどのように時間を過ごすか、つまり時間消費の変化にもっと着目すべきだと思います。
ソーシャルゲームが伸び、また携帯メール、ツイッターなどのソーシャルメディアに触れる時間が増えると、映画を見る時間も支出も減るのは自然なことです。

これは映画だけでなく、テレビについても言えます。スイッチは入っているけれど、「ながら視聴」が増加します。業界のメガネで見ていると、そういったリアルな消費者の行動の変化が見えなくなってしまうことです。

DVDビデオの売り上げの減少は、いいコンテンツが生まれてくるしくみだけでなく、作品入手の便利さ、買い求めやすい価格、見たいと感じてもらうコミュニケーションの工夫など、ビジネスのしくみを根本から変えなさいという市場からのシグナルと受け止めるほうが自然ですね。

【お知らせ】
3月9日(水) 大阪で「強い営業をつくるためのポイント なぜSFAが役立つのか」のテーマで、「顧客経済の時代」になにが営業部門に求められてきているのかのお話をさせていただきます。無料ですのでお気軽にどうぞ。
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ユニクロに立ちはだかるビジネスモデルの矛盾

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独り勝ちと賞賛されたユニクロも、春先に注力したジーンズが不調に終わり、また軽くて薄いダウンジャケットが話題になったものの、12月の既存店売上げが前年比84.5%と失速気味です。

その不調ぶりは、このブログでも取り上げてきましたが、どうも失速の原因は、インナーからアウターへ、実用衣料からファッション衣料へ比重を移した政策にあったのではないかと感じます。ユニクロが成功してきたビジネス・モデルとは本質的に矛盾するからです。

ユニクロは、計画的で大量の発注を行うことで、コスト優位を実現し、低価格でありながら品質は高く、それが高収益なビジネスにつながってきたのですが、製造業の規模の経済をベースにしたビジネス・モデルです。

インナーを中心とした実用衣料なら、それが通じたのでしょう。しかし、アウター衣料の場合は、消費者の人たちの好みに左右され、それぞれのアイテムに個性が求めらてきます。もしひとつひとつのアイテムのロットが大きすぎると、画一的になってしまい、没個性となり、売り場に同じようなものが並んでしまい、選ぶ楽しさを失ってしまいます。

アウターの衣料を中心としたアパレル業界の生命線は、クイックリスポンスです。なにが売れるかの予測がつかないために、売れ筋商品、あるいは売れ筋のトレンドにあった商品をいかに素早く補充していくかが勝負です。つまりスピードの経済です。
規模の経済で成功したユニクロが、スピードの経済の世界に踏み込んだとたんに失速したということではないでしょうか。

土俵を踏み外した結果だということでしょう。ファッション・マーケティングの専門家である小島健輔氏のブログに書かれていることと一致しています。
経済誌も業界紙もユニクロの業績不振を大きく取り上げているが、業績不振と言うより自分の土俵をはみだしたトレンドパクリのデザイン物やキャラクター商品などが剥げ落ちる過程と捉えるべきであろう。キャビンに続いての靴専門店からの撤退も、土俵からはみだした部分が剥げ落ちたと総括される。『ファッションではない誰でも着られる機能パーツとしての服』を標榜してグローバルSPAにまで伸し上がったユニクロだが、勢いに乗って何を勘違いしたか土俵をはみだしてデザイン物などで品番数を広げ、消化回転まで悪化させてしまったのは自業自得と言うしか無い。これを契機に原点回帰して自らの強みに磨きをかければ、新たな成長チャンスも開くのではないか。
ユニクロはユニクロらしく | プロフェッサー小島健輔の言いたい放題 :

しかも、ヒートテックで成功したとはいえ、自社の独占技術ではなく、いまやどこからも同じものが売られ、差別性を失ったことがあると思います。まだヒートテックならユニクロというポジションは失ってはいないとしても、その優位性は薄れてきているはずです。

こちらの記事によると、オンワードやワールドも堅調だそうですが、ファッションセンターしまむらもまずまず前年並の業績です。外資系のファストファッションも話題となりましたが、そろそろ品質の悪さで日本での業績が落ちてくるところがでてくるのではないでしょうか。
ファストファッションが失速! 大手復調でアパレル市場に転換点 ダイヤモンド・オンライン :

【関連エントリー
ユニクロはUJで自らも破壊してしまったのか -
 ユニクロは、どこに向かうのか - :


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2月3日(木)名古屋セミナー
株式会社アタックス・セールス・アソシエイツさんと株式会社ビジネスラ ボの共催で、セミナーを実施します。

日時 平成23年2月3日(木)13:30〜15:00
場所 アタックスグループ 名古屋事務所 名駅錦橋ビル 2階セミナールーム

詳細と参加お申し込みはこちらへどうぞ。


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CEO交代のビッグニュースで決算好調が霞んでしまったグーグル

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グーグルのCEOが、エリック・シュミット氏から、同じく創業メンバーであるラリー・ページ氏に変わったというビッグ・ニュースに隠れてしまった感がありますが、昨日発表されたグーグルの2010年第四四半期の決算も好調でした。
グーグルCEOに創業者ペイジ氏 シュミット氏は会長専念  :日本経済新聞

ちなみに、グーグルが躍進の鍵となった「ページランク」の技術は、そのアルゴリズムを開発したラリー・ページ氏の名前をとったものだとか。
グーグルがそのサイトをどの程度評価しているかはページランクを調べればわかります。ご関心のある方は、いろいろなサイトやブログのページランクチェッカーで試してみてください。
Google PageRank Checker - ページランクを調べる
:

ラリー・ページ氏は、技術オタクでかなり変わった人だそうですが、2008年には、電波のホワイトスペース開放にむけて、日本の総務省にあたるFCCとの交渉に奔走していたといいます。

ラリー・ページ氏に関しては、2009年の@IT編集部が行なったインタビュー記事が参考になります。
page01
グーグル共同創業者が語る、Chrome OSに取り組むワケ − @IT :

さて、業績のほうですが、実は、グーグルも成長が年々鈍化しはじめてきており、2009年にはついに対前年比で二桁を割った8.5%増となり、売上げに急ブレーキがかかっていました。
おそらく検索利用から、FACEBOOKやTWITTERなどのリンク利用が増加してきたことも影響してきたのでしょうが、グーグルのビジネス・モデルも成熟しはじめたのかもしれないと感じさせていました。

しかし、昨日発表された業績では、年間売上高が293億ドル(2.4兆円)となり、対前年比で24.0%増と伸びたことになります。やはり広告の伸びが寄与しています。バナー広告、YOUTUBE、モバイルなどでの広告収入が伸びたことが大きかったのではないでしょうか。
google

グーグルは、グーグルチェックアウト、ショッピング、電子書籍、またアプリケーション流通のプラットフォーム、クラウドサービスなど、広く新しいビジネスへのチャレンジを積極的に行っているものの、やはり広告による収益がほとんどを占めており、その他のビジネスは成功しているとはいえません。
また成功する匂いすら感じさせないのグーグルらしいところです。収益源としては広告以外には関心がないのではとすら思わせますね。

お知らせ】2月3日(木)、名古屋でセミナーを実施します
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終了時刻が早いので、お時間のあるかたは、その後に近くの喫茶店で交流ミーティングが出来ればと思っています。みなさまのご参加を楽しみです。

日時 平成23年2月3日(木)13:30〜15:00
場所 アタックスグループ 名古屋事務所 名駅錦橋ビル 2階セミナールーム

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韓国が原発を受注できなくなった理由

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原子力発電所の受注をめぐる国際競争がホットになってきています。それに関連した面白い記事がありました。韓国の中央日報日本語版で、2回に渡る特集記事で、韓国が注力していたトルコでの原発受注が、最終段階で官民一体で攻勢をかけた日本の受注に傾き始めており、その理由は資金調達力の差だというのです。
日本に傾いたトルコ原発…結局は資金力(1) : 

この記事によると、その理由は、トルコが初期の開発費用がだせないために、建設を受注した側が資金を負担し、後に発生する電気料金で回収する方式であるために、低利で資金が調達できなければ、それだけ電気料金を上げざるをえません。そのことにトルコが難色を示しているからだそうです。
日本は大手銀行が豊富な資金力を持っており、しかも低金利。さらに海外プロジェクトへの大型投資の実績がある一方で、韓国にはそういった銀行がなく、利率の高い資金を海外から調達せざるをえないハンディを背負ってしまっているとしています。
しかも、原発での受注側が開発費を負担し、電気料金で回収するファイナンス方法は、トルコがはじめてだそうですが、新興国の場合は、初期の開発費を軽減したいために、今後はその方式が主流になってくる可能性が高いのです。
日本は、原発に関しては、高い技術を持ちながら、箱を売るという単品型の発想でことごとく連敗してきたたために、開発から管理、また資金調達にいたるパッケージ型に転換しようと、首相官邸に「パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合」を置き、省庁間の縦割りを超えたプロジェクト受注のための官民連携をはじめ、ベトナムでの第二期工事を得る成果があがっています。これは民主党政権の功績かもしれません。
傘下の金融機関と連携し、ファイナンスを含めたパッケージ型のビジネス・モデルで成功してきたことで知られているのがGEです。それと近いものを感じます。
この原発受注、あるいは鉄道や水道などのインフラ受注の要が、たんにモノをつくる個別の技術だけでなく、後の運営までのトータルパッケージにあり、日本もようやく戦略転換がはじまってきたということでしょう。
しかし、このことはインフラの国際競争だけの問題ではありません。製品の技術、モノづくりの技術が優れていれば売れるという時代は終わっているのです。
アゴラで「モノづくり神話はそろそろ捨てるべきです」と書きましたが、今日の国際競争は、ブランドの競争であり、またビジネス・モデルの競争に移ってきています。モノをつくる技術はそれを支えるひとつの要素にしか過ぎなくなってきているのが現実です。

日本が工作機械で強いのも、コンピューター数値制御のデファクト(標準)を握っているからだと言われています。つまりモノとソフトで国際市場を制しているということでしょう。
そういった発想の転換を行っていくには、結局は顧客の求めている潜在ニーズがなにかを見極め、そのためのソリューションを、供給者の常識を超え、また業界の垣根を超えて創造していくことだと思います。
モノからの発想ではなく、顧客から発想する、顧客の体験をデザインする時代へ、来年はそんな動きがどんどん生まれてくることを期待してやみません。

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マクドナルドが24時間宅配を始めるそうだ

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マクドナルドが、テキサスバーガーを再度投入してきたのは、予想した通りでしたが、宅配をはじめるというのはサプライズでした。思い切ったチャレンジです。日経によると、東京の世田谷でスタートし、来年の4月には東京の10店舗で、また夏以降には全国展開を行うそうです。

マクドナルドが24時間宅配 「巣ごもり消費」掘り起こし
来夏以降に全国展開へ


宅配といえば、インターネット・スーパーも売り上げを伸ばしてきており、和民が在宅老人に向けてはじめた弁当の宅配事業も好調が伝えられています。「夢の街創造委員会株式会社」のネットサイト「出前館」は、加入店の数も、売上げも伸ばしてきました。
よく行くご近所のお寿司屋さんから、「出前館」のサイトに出店したほうがいいかどうかを相談され、出店したほうがいいとアドバイスしたのですが、実際出店してみると、これまでとは異なるお客さんからの注文が増えたそうです。

「宅配」は、高齢者が増加し、主婦も働く時代であり、成長が見込める分野ですが、宅配サービスは、いかに、利用者にとっていかに便利かというのと、いかに効率的に運用できるかの「しくみ」の競争となってきます。

その競争の鍵は、宅急便と同じように「密度の経済」です。集中したエリアでどれだけユーザーを確保できるか、また配送の頻度をいかに高めることができるかなど、地理的、時間的密度の競争です。あるいは固定したユーザーに、同じ時間で配送して効率化するというのもあるかもしれません。昔からある出前を除くと、宅配といえば、生協の共同購入はある意味で宅配の先輩格かもしれませんが、ネット・スーパーは、一日5回程度の配送頻度で回転しており、密度で差がついてしまいました。

受注の効率化ということでも、電話で受け付けるよりも、携帯やPCなどからインターネットで受け付けたほうが、集中処理が可能になります。

いずれにしても、マクドナルドが宅配サービスを開始することで、宅配ビジネスはさらに熱くなってきそうです。

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情報が溢れはじめた時代の新聞価格

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アップルと、NEWS CORP社のプロジェクトで、iPadにむけた新聞”The Dairy”がまもなくベータ版でスタートし、来年から本格的に展開が始まります。

ギズモード・ジャパンが「その手できたか! ジョブズ、世界初のiPad専用の日刊新聞創刊でメディア王と提携...」と記事タイトルをつけたように、サプライズです。

しかし、本当に驚くべきはその価格です。

1週間99セントで1ヶ月の購読料が4.25ドル

この価格で本気度がうかがえます。

為替レートではなく、実感として比較しやすい「ビッグマック指数」、つまりいくらの価格でマクドナルドのビッグマックを買えるかで見たレートでは、

1週間の購読料が85円程度、月額では364円なのです。

日本の有料版を比較するとその安さが際立っていることがわかります。日経は変則的な値付であり、電子版単独の月額購読料が4000円で、宅配で新聞を購読していればプラス1000円です。iPadで見る『産経新聞HD』は30日で購読料が1500円。ちなみにウォールストリートジャーナル日本語版は、1ヶ月契約だと1980円で、年間契約すれば1ヶ月1380円で、いかに破格値かがおわかりいただけると思います。

もちろん記事内容がどれぐらい充実しているかによって価値は変わるのですが、マイコミジャーナルの記事では、「すでにNew York Postの編集者をはじめとする各方面の著名人を多数引き抜いた100人体制のスタッフを組織しており、新メディア攻略に向けた準備を着々と進めているようだ」と伝えられています。
iPad日刊紙「The Daily」登場か - News Corp.が100人体制の編集部を編成

新聞の電子版が高いのは、コスト積み上げ方式であり、想定される売れる価格から逆算した値付けがなされていないからでしょう。しかし、アップルとNEWS CORP社の連合軍が日本に上陸してきたら、日本のメディアにとっては脅威になってきます。紙の新聞の宅配を前提としたビジネスモデル、ネットはコスト積み上げというビジネスモデルはとことん破壊される可能性があります。

現代は情報が溢れている時代、つまり供給過多の時代です。また情報供給量が爆発的に増えてきています。グーグルのエリック・シュミットCEOによれば「2003年の1年間に作られた量と同じ量の情報が、今では各2日ごとに作られている」時代です。

情報の供給過多のなかで、情報で収益を取ることのハードルが、どんどん高くなってくるのは当然のことです。これだけ投資し、経費がかかったというコスト積み上げの価格が通じないことは、一般のビジネスと同じになってきます。

しかも、本当のことを言うと、とくに紙で購入しなくとも、無料のニュースで十分に足りる、それどころか、いずれかの分野に特化した無料のサイトのほうが中味が充実してきています。あとはごく一般の人にとってアクセスしやすいか、読みやすいかだけの問題です。

もう日本のメディアもそろそろ発想を変えるべき時代に来ているはずですが、発想の転換や自らの変革となると難しいのでしょうね。きっと黒船がやってくるまでは、変わらないのでしょう。

そういえば、NHKオンデマンドからお知らせのメールが来ていました。これまで通常105円、210円、315円であったオンデマンドの価格を12月から、「月額見放題パック」月額945円のサービスがスタートするようです。
一見は安くなったように感じますが、受信料を払っていることを考えると、まだまだ努力不足の感があります。なぜそうなるのでしょうか。電波にこだわり、生活の過ごし方が多様化した視聴者の本当のニーズを直視していないからに他なりません。

民放も同じことです。現在のビジネスモデルがいつまでも通じるわけがありません。視聴者の生活変化にあわせて、いつでも、「見たい番組が自由な時間に見ることができること」を目指した変革を自らの手で起こさない限り、視聴者の生活の変化やニーズの変化からはどんどん離れていきます。そして、時代にあっていないビジネスが斜陽化していくことは日の目を見るよりもあきらかです。

そろそろ日本のメディアも自らのマーケティングを真剣に考える時期に来ているのではないでしょうか。


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マイクロソフトがスマートフォンで反転攻勢にでたのだけれど

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マイクロソフトが新OS「ウィンドウズフォーン7」を搭載したスマートフォンを9種発表しました。切り札は、マイクロソフトの「オフィス」を使って文書を閲覧・編集・共有ができることと、「Xbox 360」向けゲームを楽しむことでしょうか。その他の特徴はちょっと弱いと感じます。

成長するスマートフォン市場で、シェアを失ってきたマイクロソフトが巻き返しを狙って、反転攻勢にでた形です。発表した機種の多さ、また「世界30か国以上で60社以上の携帯通信事業者が販売する」というところにもその意気込みを感じますが、しかし、同時に、ふっとマイクロソフトは、いったい何を収益源にしようとしているのだろうかという疑問が湧いてきます。

確かに、マイクロソフトからすれば、スマートフォンやタブレットPCなどの成長市場で地位を失うと、従来のパソコン市場はもはや大きな成長は見込めず、下手をすると「オフィス」分野にも影響はでてきます。アウトルックとエクスチェンジもそうでしょう。検索のBingも、パソコンでしか利用されなくなります。

成長するインターネット市場ではさらに圧倒的だったIEのシェアもついに50%を切ってしまったようです。だから、成長市場での巻き返しは欠かせないのかもしれません。図は、調査会社statcounter.comが発表しているブラウザーの世界シェアですが、グーグルのchromeがシェアを伸ばすにしたがってIEがシェアを落としてきたことがわかります。

StatCounterGlobal

しかし、成長分野での確固としたポジションの復権をめざそうというのは理解できても、マイクロソフトはいったい何を収益源としようとしているのかが見えてこないのです。まさかXboxのゲームソフトからの収益を狙っているのでしょうか。

アップルやブラックベリーなどは、OSからハード、またアプリケーションのプラットフォームを垂直統合しており、シェアを上げることが収益増につながります。グーグルはOSを検索と広告市場を広げれば、広告収入を増やすことができます。マイクロソフトは、そのいずれにも該当しません。

パソコン市場では、マイクロソフトはOSの圧倒的なシェアがあり、そのライセンス料を収益源にすることができました。またアプリケーションも支配できました。しかし、スマートフォンやタブレットPCでは、オープンソースのグーグルがシェアで上回っている限り、マイクロソフトは「ウィンドウズフォーン7」を収益源にすることは困難です。

インドの無名の携帯電話メーカー数社が米インターネット検索大手グーグルの「アンドロイド」を搭載した低コスト機種を今後数カ月間に発売する計画が発表されていますが、OSが無料だからできることでしょう。


時代の大きな変化を感じるのは、OSの間で激しい競争がはじまっていることであり、その結果、OSの選択権が、ユーザーや川下に移ったことです。

パソコン時代はマイクロソフトが圧倒的なOSのシェアを持ち、アップルが小さく個性的に生き延び、一部の人たちにリナックスがあったのですが、ごく普通のユーザーが選択できるのはウィンドウズのバージョンアップするかどうかぐらいでした。

コンテンツやアプリを集積するプラットフォームにも変化が生じようとしています。アップルは強力なプラットフォームを築きましたが、グーグルの登場でその構図を変わろうとしています。アマゾンがグーグルのアプリを販売することを発表していますが、日本のスマートフォンを発売する各社も、それぞれが独自のプラットフォームを準備しています。こちらもユーザー選択肢が増えます。

市場がどんどん複雑化し、混沌としてきます。ますます誰が勝者になるのかが見えなくなってきているように感じます。逆に言えば、ユーザーのニーズをうまく掘り起こしたところが、メーカーであれ、プラットフォームを提供する企業であれ、またそこに乗せるアプリやシステムであれ、みんなにチャンスが巡ってきているということでしょう。


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東芝のiPad、いや「FOLIO100」も登場

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失礼、あまりにも似ているので思わず・・・。冗談はさておき、東芝がグーグルのOSアンドロイド2.2を搭載したタブレットPC「FOLIO100」を正式発表しました。画面がiPadよりすこし大きい10.1インチで、3G対応なしのモデルの価格は税込みで329ポンド(約42,800円)だそうです。ただITmedhiaの記事によると、サムスンのGyalaxy Tabと同様に、「日本での発売については検討中で詳細は未定」とか。東芝まで日本スルーですか。
東芝、iPad対抗のAndroidタブレット「FOLIO 100」発表

日本では需要が見込めないのか、あるいは、電子書籍の販売体制がととのうタイミングを待っているのでしょうか。あるいは、スマートフォンで米国ではアンドロイド連合軍がシェアでアイフォンを抜いているけれど、日本はiPhoneが独走状態で、アップルが強すぎると見たのかもしれません。しかしよく記事を見ると、「欧州、中東、アフリカで第4四半期に発売」ということは米国もスルーしているので、別の要因なのでしょう。

いずれにしても、このタブレットPC市場は、先行するアップルに、グーグル連合軍が挑むという展開になってきます。グーグル連合軍は、それぞれ差別化をはかってくるので、圧倒的なバリエーションがでてきます。アップルはプラットフォームでアプリやコンテンツを売り、高収益型のしくみを持っていますが、シェアを奪われ、市場でのポジションが相対化してくると、現在の成長速度は維持できなくなります。

さて、天才ジョブスは、テレビに手をつけ、iTunesでソーシャルネットワークを展開しますが、このタブレットPCについては次にどんなサプライズを持ってくるのでしょう。電子書籍は、アマゾンなどの強いライバルがいて、音楽のようにアップル独占とはいきません。日本でも同じことでしょう。

ハードでの競争ではないジョブスの次の一手がなにかを想像する楽しみがまた増えました。

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ウォークマンが国内でiPodを抜いたはいいけれど

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SONYのウォークマンが8月の国内販売台数でiPodを抜く見通しです。とはいえ昨年の8月も瞬間風速では、iPodを抜いたことがあるので、日本では両社の拮抗状態がつづいているということでしょう。

SONYがデジタルウォークマンを発売したのは、iPodが発売されて3年も経た後で、しかも皮肉なことにウォークマン誕生25周年にあたる2004年でした。当時は「一年以内にiPodを追い抜く」と勢い良く宣言していたのですが、それからようやく6年目で悲願がはたせたということでしょうか。

とはいえ、世界では、まだまだiPodの寡占状況は続いています。2009年のアップルの発表によると、iPodはMP3プレイヤーの73.8%のシェアであり、累計で2億2千5百万台を売ったということでした。二位はサンディスクであり、残念ながら、世界市場では、ウォークマンの名前はでてきません。

それよりも、MP3プレイヤー市場は、iPhoneの登場によって、2007年からすでに縮小してきています。またSONYにとって深刻なのは、アメリカ市場では、アップルのAPPストアでのゲームの売上が、SONYのプレイステーションのゲームの売上を上回りました。
そういった状況を考えると、いかに国内でMP3プレイヤーで首位を奪還したと言っても、手放しで喜べる状態ではありません。

ちなみに、2009年のアップルの売上高は、およそ4兆円で営業利益が1兆1千億円。2009年度のSONYは、売上高が7兆2千億円もありながら、営業利益がわずか317億円でしかありませんでした。製品としては、消費者の支持をうけるものがつくれる、しかしビジネスのしくみや戦略で勝てない、そんな状況からいつSONYは脱却できるのでしょうか。

SONYには、イノベーションのDNAがまだ脈々と残っていることを期待したいし、人々がSONYに求めているのは、製品で世界初ではなく、ユーザー体験で世界初にチャレンジするブランドです。ぜひ、国内市場でのMP3プレイヤー王座奪還を足がかりに、アップルに負けない驚きの世界を見せていただきたいものです。


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サムスンGalaxy Tabletとアップルのサプライズに期待

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ブランドイメージが高く、川上のCPUやOSから、音楽やアプリ、書籍を売るプラットフォームまで、垂直に統合的し、高い収益を稼ぎ出すビジネスモデルを築いたアップルに対抗できる最強のチームといえば、Googleとサムスンの連合軍だと思います。

その連合軍から、android2.2を搭載したタブレットPCを今秋にも発売することをウォールストリートジャーナルやengadget日本版で紹介されていました。やっとiPad以外の選択肢がでてくることになります。それにしてもiPadとデザインが良く似ています。

サムスンGalaxy Tablet は Android 2.2採用、今秋登場

画面サイズが7インチと小さく、小型のiPadのように感じるのですが、iPadの9インチ画面が見やすいという人もいるでしょうが、実際に外で使うと、ちょっと大きすぎ、重すぎて、モバイル機器としては使いづらさを感じます。もうすこしコンパクトに、6〜7インチ程度の画面がいいと思っていたので、ぴったりです。Dellが出したタブレットPCのように5インチだと、スマートフォンに近づきすぎで、ちょっとタブレットPCの読みやすさを感じません。

日本のメーカーがなぜ、いち早くやらないのか不思議ですが、リスクを負いたくないのでしょうか。真似をしたくないというプライドが邪魔をしているのでしょうか。世界市場で売るだけの販売力がないというのが正直なところからもしれません。

米国のスマートフォン市場では、android搭載のものがiPhoneを抜きましたが、おそらくジョブスの頭のなかは、こういった競合でどう勝つかということよりも、もっと大きなチャレンジでいっぱいなのではないか想像します。

なぜなら、アップルにはなんと約460億ドル(3兆9200億円)もの手元資金が蓄積されていて、現在の事業だけでは過剰すぎるキャッシュであり、それを生かした展開が必要になってきているからです。

テレビ局の買収でしょうか。ディズニーの買収でしょうか。どんなサプライズが飛び出してくるのか、ますますアップルから目を離せなくなりました。なにか新しい時代をさらに見せてくれそうな気がします。



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アップルの次のサプライズはテレビだと予想してみる

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アップルの勢いが止まりそうにありません。iPhone4の受信トラブルも、アンテナ表示のソフトの改良と、バンパーの無償提供で乗り切り、4〜6月期決算が前年同月比で61%増、純利益が78%増という快進撃の結果が発表されていました。さらにジョブスは、「年内にさらに驚くような新製品を出す」という宣言まで飛び出しました。

アップルの快進撃は、たんにiPhoneやiPadなどの新製品を次々とヒットさせてきたというだけではありません。それらのヒットが、音楽やアプリ、電子書籍を売るプラットフォーム・ビジネスのさらなる成長を促し、また収益を伸ばしてきています。

また、そこにiadという広告のしくみをビジネスに加えてきており、新製品のヒットがエンジンとなって、ビジネスを進化させ、またブランド価値を高めてきているのが本当のアップルの凄さだと思います。
ブランドパワーが増したことでパソコン「マック」の売上げも、日経によると「中国などアジア太平洋の売り上げが2.6倍。欧州は66%、日本も63%それぞれ増えた」そうです。時価総額もマイクロソフトを抜きました。

おそらく、ジョブスの頭の中には、人びとが驚くような新製品で市場を塗り替え、さらに取り込めるビジネスを取り込んで、利益を稼ぐという方程式ができているのだと感じます。

そうなってくると、もちろんアップルに死角はないのかということも関心の的になるとしても、ジョブスのいう「さらに驚くような新製品」がなにかが気になってきます。

そう宣言して、人びとの注目をつくるというのもジョブス流でしょうが、ひとつ想定されるのは、次世代iPadです。iPadが切り開いた、電子書籍リーダーともなるタブレット型パソコンという分野は、次々と新規参入が増えてきます。それらの他社は、きっと年末のクリスマス商戦あたりに焦点をおいてくるでしょうから、そのあたりで次世代iPadを投入し、さらに差を広げたいところでしょう。

iPadは、マルチタスクでないなど、改善すべき点がいくつかあり、OSのバージョンアップと同時に、新製品を投入してくることは当然想定されるところです。

しかし気になるのは「画期的」というところです。次世代iPadなら、あまりにも正攻法すぎ、驚きは小さくなります。
そうなると、考えられるのはテレビではないかという気がします。ネットもつながるテレビはすでに各社が出しているとしても、まだ市場として成り立っているとはいえない状態です。
しかも、薄型テレビ業界の各社が3Dで突破口をはかることに集中しているだけに、差別化もしやすく、絶好のタイミングといえます。

しかも、ネットとテレビの融合によって、テレビの市場を取り込めば、さらにプラットフォームを広げ、広告ビジネスも広がります。またグーグルテレビのプロジェクトも始まっており、それに対抗するものを出したいところだと思います。しかも従来のアップルTVもあり、ゼロからの開発ではありません。

「さらに驚くような新製品」が次世代iPadなのか、画期的なアップルTVなのか、それともまったく違う、新しい分野を開くものなのか、想像をめぐらすだけでワクワクしてきます。

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アマゾンで電子書籍がハードカバーを上回った

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まだ文庫本や新書にあたるペーパーバックを入れると紙の書籍のほうが販売数量で上回っているとしても、電子書籍のアマゾンでの販売数量がハードカバーを抜きました。ちょっと前に電子書籍リーダーのKindleを値下げするという記事があり、苦戦しての値下げか、積極攻勢としての値下げなのかがよくわからなかったのですが、積極策だったのでしょう。

日経記事によれば、米国の出版主要13社の売上高に占める電子書籍の割合は1〜5月に8.5%となり、前年同期の2.9%から大幅に増えており、急成長していることがわかります。

日本は、これまではコミックを中心とした携帯向けの電子書籍が市場を支えてきましたが、今後、成長が期待できるのは、iPhoneやiPad向けの普通の書籍の電子出版です。昨日、アゴラで書きましたが、電子書籍の普及に弾みがつく象徴的な出来事が起これば、作家や出版社の電子出版にむけた動きも活発になってくると思います。村上龍さんが、iPad向けに長編小説「歌うくじら」を出版社を通さずにリリースされましたが、どのような波紋となって広がるでしょうか。

リリースの記事そのものは見落として、昨日の「カンブリア宮殿」で知りました。長編小説で、坂本龍一さんの音楽付きとはいえ、電子書籍としてはかなり高額な1500円という価格設定です。

これが売れると、かならずしも安いから売れるというだけではないということになり、電子出版のブーム化に火がつく可能性も高まります。

電子出版はコスト構造を大きく変えます。簡単な例を考えてみます。あまり会計学ではどうだと固く考えないでください。

仮に、1000円の書籍を一万部発行し、印刷・製本で300万円がかかったとします。書店マージンを考えないで計算すると、一冊当たりの印刷・製本代は300円で、売価の30%です。

しかし、現実はそうはいきません。日本の場合は売れない書籍は返本されてきます。それで実際に5,000部が売れ、5,000冊が返本されてきたとすると、いったい一冊あたりの印刷・製本代はいくらで、売価のどれぐらいになるのでしょうか。

当然、最終の売上げが、500万円で、印刷・製本代が300万円なので、一冊あたりの印刷・製本代は、売価の60%を占めます。1000円の本であっても、一冊600円の印刷・製本代がかかっていることになります。しかも、返本の費用、倉庫代がさらにかかってくるので大変ですね。

GIZMODEが以前、ニューヨークタイムスによる紙の書籍と電子書籍のコスト比較を取り上げていましたが、そのまま額面通りに受け取るとちょっと間違ってしまいます。
米国では、書店がすべて買い取ることが前提となっています。だから当然書店は売れないリスクを背負うので、書店のマージンが50%も占めています。

出版社がリスクを負うのか、書店がリスクを負うのかの違いはあっても、売れないリスクが大きいことには変わりません。
電子書籍はもっと安くならないのか? リアル書籍とコスト構造を比較!

これはリアルな世界では当たり前のことです。実際の原価率は、どれぐらい売れるかで大きく変動します。

電子出版は、出版のリスクを下げます。失敗しても損は小さく、逆に想定以上売れれば、利益が大きいことはいうまでもありません。あるいは大量に売れればもっと劇的に価格を下げることもできます。いや価格を下げずにもっと広告などのマーケティング費用を増やしてもいいのです。

しばらくは、電子書籍の「買い場」であるプラットフォーマー、出版社、作家の間で配分比率が揺れるかもしれませんが、それも、電子書籍が売れるようになってくると、落ち着くところに落ち着くのではないでしょうか。

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「ユニクロ型ビジネス」と「弁当安売り」は違う

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ユニクロ型デフレと国家破産 (文春新書 759)
著者:浜 矩子
販売元:文藝春秋
発売日:2010-06
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本が届きました。献本ありがとうございました。タイトルにちょっと不思議な言葉が書かれていました。ユニクロ型デフレ?ユニクロ型ビジネスモデルとか、「ユニクロはなぜ儲かるのか」ならわかりますが。

著者の浜教授がおっしゃるには、ユニクロの990円のジーンズが象徴的な出来事で、さらに「安売り競争を可能にしている極端なコスト圧縮が、労働者の賃金切り下げと直結」しており、安売り商品競争に参入することは、自らの首を締めることに他ならない」そうで、「企業は激烈な安売りという大出血サービスを行うことによって販売量を確保している」ということだと断罪していらっしゃいます。

さて、本当にそうでしょうか。ちょっと乱暴な議論だと感じます。書かれている前提に、ユニクロが賃金を圧縮し、体力を削って安売りをしているという思い込みがあるのではないでしょうか。現実は違います。

2009年のファーストリテーリング売上高経常利益率は、18.9%で、体力を削るどころか立派な高収益企業です。
ニトリはどうでしょうか。2010年2月期の経常利益率は、16.6%です。体力を削っているでしょうか。スエーデン企業といえば、H&Mやイケアを思い浮かべますが、いずれも、価格はとことん安いですが、高売上、高収益型企業です。

それらの企業に共通しているのは、製造小売で、企画、原材料調達、販売は自ら行い、生産は海外の安い国で行っていること、情報システムで武装し、業務が標準化され、効率化されていることです。つまりビジネスのしくみで低価格を実現し、高収益を実現しているのです。

では、百貨店やチェーン店の弁当激安に、価格を安くするビジネスのしくみはあるのでしょうか。客を奪い合う厳しい競争があり、集客のために、それこそ浜教授がご指摘のように、利益を削り、大出血というのも普通です。ユニクロなどのビジネスとそれらを同じ土俵で論じることはできません。

この本の趣旨とははずれた書評でしょうが、ユニクロ型デフレって理解ができないのです。デフレの原因はもっと違うところにあるように思います。

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液晶テレビは、3Dをやめてリモコンを進化させれば革命が起こる

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3Dテレビはアジア型の開発の終わりになるかもしれない、そうツイッターでつぶやいたことがあります。人気ブログであるChikirinの日記さんが、「“3Dテレビ”とかまじなのか」ということを書かれていますが、確かに3Dテレビはかなり危うさを感じます。

Chikirinさんが、これまでのテレビの進化で大きかったのは、第一が白黒テレビがカラーテレビになったことであり、第二が価格が安くなったことであり、第三はリモコンが生まれたこと、第四が薄型になったことで、第五が画面がでかくなったことだということですが、おそらくそれがほとんどの人の実感でしょう。つまり技術としては成熟してしまったということです。
“3Dテレビ”とかまじなのか

藤田まことさんが亡くなり、昔の「てなもんや三度笠」がテレビで幾度も流れていましたが、白黒であり、しかも画質も低く、いかにテレビの画質が上がったかがわかります。しかしデジタルテレビやハイビジョンによる画質の向上は、「てなもんや三度笠」の時代からの画質の飛躍的な向上に比べるといかにも小さいですね。それもとりもなおさず技術の成熟を象徴しているということです。高い技術を注ぎ、開発に膨大な投資を行っても、アウトプットが改善程度になってしまっています。

別に3Dテレビが不発に終わったとしても、それでサムスンや日本の家電メーカーさんが倒れるわけではありませんが、中国の工場から出荷されてくる低価格の液晶テレビと、もう差別化するネタも、付加価値をつける種もなくなったことを証明することになります。

つまり、3Dテレビが不発に終わったときには、市場からの価格への圧力はさらに強まり、価格競争に拍車をかけるだろうということです。それに日本の家電メーカーが果たしてそれに耐えることができるのかです。無理でしょう。
サムスンは、液晶テレビで飛躍的にシェアを伸ばしてきましたが、サムスンの開発戦略も、こと液晶テレビに関しては日本とほぼ同じ路線であり、やはり3Dに手をつけました。しかもはやサムスンも価格競争に耐える体質ではなくなっています。中国から安い液晶テレビがどんどん出荷されていくでしょうが、中国は開発の拠点ではなく、工場でしかありません。つまりアジア型の開発が行き詰まるということです。

なぜ、液晶テレビが成熟の壁から脱出できず、3Dへと開発が暴走してしまったのでしょうか。その理由はよく分かりませんが、分かることは人びとの生活シーンを思い描きながら、どのようにすれば、人びとのテレビ生活が変わるかを考えるという発想がすっかり抜け落ちていることだけは分かります。

生活のシーンを思い浮かべると、Chikirinさんがいみじくもリモコンの登場が大きかったとおっしゃっているように、テレビは、放送を見ている液晶パネルではなく、リモコンが勝負になってきそうだというイメージが沸いてきます。
現在のやたらボタンが多く、そのわりにテレビか録画機の操作しかできないというのは、普通に考えれば、技術が後れているということです。逆に技術が後れていると言うことは、それだけ進化させるチャンスもあるということです。

実は、手のひらのリモコンが、テレビで「できること」を飛躍的に広げる可能性を持っているのではないかと思っています。とうぜん、バックにはかなりの技術革新が必要でしょうが。
ユーザーの人にとっては技術はブラックボックスでいいのですが、たとえば、小さなリモコンで「できること」を広げていこうとすると、そのリモコンは通信であちらの世界、つまりクラウドにつながっているというのが自然に思い浮かんできます。処理はすべてあちらの世界がやってくれ、信号を返し、目の前のテレビ画面が見たいものを映してくれます。

ニュースとつぶやけば、ニュース画面に切り替わります。youtubeとつぶやけば、画面がyoutubeとなりプロモーションビデオで音楽だって楽しめます。ゲームと言えば、ゲームもでてきます。ツイッターもそうです。ほんとうにつぶやけばいいのです。
イメージできないという人は、iPhoneのアプリでGoogleMobileというアプリを使って音声で検索してみてください。なかなかなものです。TweeetMeもそうです。別に音声でなくとも、リモコンのアイコンで操作しても構いません。おそらくGoogleはそんな世界をイメージしているのではないかという気がしてなりません。

もし、そういったリモコンを起点としたテレビの進化が実現されてくると、アジアの液晶メーカーは、たんに部品屋さんになっていきます。誰が覇者になり、莫大な利益をかっさらっていくか、目に見えてきますね。今のところは覇者にもっとも近いのは、グーグルかアップルでしょう。彼らがリビングにも進出してくるということです。
ソニーがグーグルやインテルと手を組みましたが、そういった近未来を想定した提携かもしれません。

言いたいことは、開発の発想を逆転させてみればどうかということです。モノとしてのテレビの重箱の隅で、アイデアを探るのではなく、生活シーンからスタートし、なにが「テレビのある生活」を変えるのか、「テレビのある生活」がどう変わるのかから発想することです。あまりにも可能性が広がってくるので、めまいを起こし、なにから手をつければいいかがわからなくなってしまいそうでしょうか。

それに、そろそろ「ものづくり大国」という看板を下ろしてみてはと思います。部品メーカーさん、素材メーカーさんの場合はそれで生きていくこともできるでしょう。職人の技で世界のシェアのトップを取っている分野も確かにあります。しかしそれは小さな工場をまかなうぐらい小さな市場でしかないのです。それで日本が食っていけるとは到底思えません。
「ものづくり大国」ではなく、「社会や生活の豊かさを創造する知恵の大国」を目指して欲しいものです。

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日本の現状と課題を象徴する「世界初 マルチタッチ・スマートフォン i3001」

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最近ツイッターでぐるぐる回覧されていたのが経済産業省の「日本の産業を巡る現状と課題」ですが、お利口さんがそつなくまとめたという印象は拭えませんが、よくまとまっているので目を通す価値は十二分にあると思います。
日 本の産業を巡る現状と課題(PDF資料)

それよりは、もっとリアルに問題を伝え、考えさせられるジョークというか謎かけがありました。中島聡さんのブログ”Life is Beautiful"の「もし日本のメーカーが iPhone を発売していたら..世界初 マルチタッチ・スマートフォン i3001」というエントリーです。
もちろん「マルチタッチ・スマートフォン i3001」は仮想のものです。iPhoneとほとんど同じ、いやきっと全く同じスペックが並んでおり、違いはネーミングとキャッチフレーズ、また全4色のカラーバリエーシというところでしょうか。
もし日本のメーカーが iPhone を発売していたら..

○○東大教授も絶賛「i3001は単なるスマートフォンではない、ユビキタス時代のクラウド・フォンだ」というのは、「とある家電メーカーでの会話:クラウドテレビ編」でやはり冗談っぽく中島さんが書かれているところを読めば、本質を考えずにトレンドのキーワードを追いかける体質の皮肉でしかないことがよくわかります。
とある家電メーカーでの会話:クラウドテレビ編

この中島さんのジョークというか、謎かけの意味は結構深いように感じます。あまり詳細を語ってしまうのは面白くないのですが、この和製iPhone”i3001"が、スペックはほぼ同じでも、あまりにiPhoneと異なるのはなぜかを解剖していくと、日本の開発の現状や課題、あるいはマーケティングの現状や課題を象徴しているようであり、開発やマーケティングの今後のあるべき姿を考えて見るいい材料だと感じます。
マーケティングの視点として、このあたりの切り口から紐解いたら面白そうだというのを思いついた範囲で書いておきます。機会があれば、社内あるいは有志を募って、ワークショップを開いて議論してみてはいかがでしょうか。

・ビジネスモデルの問題
この和製iPhone”i3001"はなにで利益を取ろうとしているのでしょうか。
経済産業省の「日本の産業を巡る現状と課題」でもスマイル・カーブの問題が示されています。経済産業省が提起している今後の付加価値獲得三分野というところは、遠慮というか、あまりに一般論だというようにも感じますが、いずれにしても、部品やOSなどのソフトを含めた上流とか、サービスやシステム提供といった下流は利益がでるけれど、真ん中の製品では利益が低いという点にもかかわってきます。

・中心の価値がなにかという問題

コトラーは、製品特性の分析方法として、三層モデル、五層モデルを示しています。製品はタマネギのように幾重にもある特性によって価値がつくられているということですが、もっともその中心となる特性がどこに置かれているのかです。この製品はたまねぎなのか、りんごなのか、その正体がよく見えてきません。ではなににすれば魅力がでてくるのでしょうか。

・参入障壁の問題

いかにも、すぐさま韓国や中国のメーカーが類似した製品がでてきそうです。なにが後発メーカーへの参入障壁になるのでしょうか。

・ブランドの問題
i3001という型番がすべてを物語っているようにも感じます。価値への視点とも重なりますが、これはユーザーにとって、あるいは、販売する人たち、アプリケーション開発に参加するサードパーティの人たちにとって、どのようなポジションをもった、あるいはどのような世界観を物語るブランドなのでしょうか。それをなにで、どう語ればブランドとして成り立つのでしょうか。

きっともっと違う視点があるかもしれません。開発もマーケティングも解答のない世界へのチャレンジですから、ぜひみなさまで視点を広げてみてください。

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新聞社は予測通りに消滅するか

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2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書)2011年新聞・テレビ消滅 (文春新書)
著者:佐々木 俊尚
販売元:文藝春秋
発売日:2009-07
おすすめ度:3.5
クチコミを見る
自ら新聞記者畑出身の佐々木俊尚さんが、2011年に新聞・テレビが消滅するという過激な警鐘を鳴らしていらっしゃってこのブログでも紹介させていただきましたが、電通総研の「情報メディア白書2010年」で、その予測が現実味を帯びるてくるような昨年の広告費の減少がレポートされているようです。
いち早く、株式会社アール・リサーチさんのブログが紹介してくださっていますが、テレビが17%減、新聞が30%減 、21%減(元のブログで修正が入っていました。それでも衝撃的であることには変わりません)雑誌が25%減だそうです。
日本の広告費(アール・リサーチ マーケティング・サロン りゅうぼんの日記)

しかも昨年にネット広告が、新聞広告を抜くと言われていましたが、ネット広告が7000億円を維持したために、6500億円の新聞広告は、ついに第三のメディアに陥落してしまいました。
広告費が削減されていくなかで、ネットやテレビに比べると、広告効果が読めない新聞や雑誌はどんどん不利になってきます。限られた予算で、広告効果を求められてきているマーケティング部門とは相性が悪いのです。

広告費だけでなく、新聞の発行部数そのものもABC協会データでは、2002年をピークに年々減少してきています。ネット調査ですが、マイボイスが昨年に行ったアンケートで、「普段読んでいる新聞」で、2年前との比較がありますが、日経以外は軒並みダウンしており、しかも地方紙よりも大手新聞社のダウンが大きく、メディアそのものが衰退し始めたということでしょう。
この1年、日経わずかに読者増。毎日・専門新聞激減!?

昨年に、日経が中間期決算で55億円の赤字となったことが発表されていますが、その他の大手新聞各社も軒並み経営が赤字といわれています。偏向報道が響いているということを言う人がいますが、大手各社が、軒並み広告減、発行部数減という状況を考えると、これは記事内容を超えた問題でしょう。

大手五紙で、発行部数の減少が大きいのは産経新聞のようで100万部を切るかどうかという瀬戸際の攻防にありますが、こちらも記事内容の問題というよりは、表向きの発行部数を嵩上げするいわゆる「押し紙」を止めたことや、iPhoneにアイフォーンで、新聞とまったく同じ記事がタダで読めるようにした影響かと言われています。しかし、どちらも本質ではないと思います。産経は、100円という価格メリットを出したり、ネットではよく頑張っていると思うだけに皮肉な話です。

そんな状況への焦りか、記事内容がどんどんエスカレートし、今や野党に変わって倒閣運動に走っている感がありますが、それはそれで面白いとしても、広告や発行部数を伸ばすとは到底思えません。
勢いに乗りすぎて、1月22日付けの記事で、「小沢容疑者」と誤記する大チョンボをしてしまったのには、思わず失笑してしまいました。慌てて修正したようですが、関西版はそのまま流れたので、手元に残っています。

日経は店頭売り価格を160円と20円上げ、今年の3月から、電子新聞を創刊し、有料でのネット閲覧をはじめるようですが、読めるだけなら、ビジネスでは他の情報源を利用することが増えてきており、定期購読料にプラス1000円というのは、よほどメリットをつけない限り厳しそうです。
日経電子版の創刊に見る"販売店"という呪縛

ネットで稼げる見通しはない、しかも新聞そのものでの収益はどんどん落ちてくるという状況のなかでは、合併で凌いで、なんとか次を模索するということしか残っていないのかもしれません。年内にも何かの変化が起こりそうな気がします。

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「餃子の王将」を真似できる?

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「餃子の王将」の快進撃が止まりません。直営店の全店ベースでは、平成15年7月から77ヶ月連続で、また既存店で平成19年8月から28ヶ月連続して、売上高対前年同月比100%超を更新し続けています。しかも、この不況を追い風として、今期の第三四半期累計で見ると、直営全店で対前年同期比123.7%、既存店で120.2%を達成しています。
重要なことは、既存店が売上増を達成しているということです。それは、とりもなおさず「餃子の王将」のビジネスの強さが本物だということです。

これまでも、「餃子の王将」を取材する番組がありましたが、今朝の「スーパーモーニング」で、「餃子の王将」が東北進出の第一歩となる仙台店オープンの取材レポートを流していましたが、あらためて「餃子の王将」を強さを見せつけられた感があります。

さて、餃子の王将の強さとは何なのでしょうか。「より美味しく、より安く、スピィーディーに」という理念は、吉野家とほぼ同じですが、それ実際のビジネスで見事に実現し、今日のバリュー消費に応えているということでそうが、重要なことは、それがそうそう簡単には真似できないレベルの完成度で運営されているということです。

これは、これからのビジネスやマーケティングを考えるうえで重要な問題だと思います。製品やサービスだけは、すぐに真似できます。

製品やサービスが真似されても、参入障壁となるのは、ブランドがありますが、ブランドのパワーが拮抗していると、ヒットしたものを後追いすることも可能です。デジタル家電の競争などはまさにそうです。高いブランド力、高い技術開発力で厳しい競争が繰り広げられていますが、突き抜けた勝者はいません。

「餃子の王将」のセントラルキッチンで、大量購入してコストを下げ、さらに品質を保っているというだけなら、それも真似ができます。餃子一個が現場で3秒でつくれるというのも真似ができるかもしれません。早く出すために、できるだけ鍋を洗わないで次の調理ができる玉子料理からオーダーを通すということもきっと真似できるでしょう。

しかし、現場のオペレーションにいたるまで、理念が貫かれ、高度なレベルで徹底され、複雑に積み重ねられたビジネスのしくみ、運営のしくみはそうそう真似できるものではありません。たかが「餃子の王将」かもしれませんが、今日、ビジネスやマーケティングで追求すべきヒントがそこにはあるように感じます。創業者が失敗した経営を立て直した大東社長ですが、いまでも餃子を焼くと右にでるものがないというのも凄いですね。

とかく、この不況下の勝ち組企業は、「低価格」にスポットが当たりがちですが、それを実現し、さらに顧客満足を引き出すバリューを提供しているビジネスのしくみのほうが本質的な競争力になっているということではないでしょうか。

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3D(立体)映画ってどうだろうか

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3D映画をご覧になったことがありますか。3D映画というと、かつて、ディズニーランドでやっていたマイケル・ジャクソンの「キャプテンEO」を思い出します。
1987年から1996年まで10年近くやっていたので、ご覧になった方も多いかも知れません。 ジョージ・ルーカスがプロデュースし、 監督がフランシス・コッポラというだけあって面白かったのですが、17分という短い作品とはいえ、見終わるとぐったり疲れたという印象を持っています。

その後、大阪のサントリーミュージアムのIMAXで見たこともあります。しかし内容がいまひとつで、その後は足が遠のいてしまいました。さて、NHKもBS11で実験的に3Dシアターを放映していますが、どうも3D映画は、最初はその迫力に驚きがあったとしても、飽きられやすく、ブームになることはありませんでした。

しかし、画像処理技術の向上によって、これまでの技術を見せ、驚かすものとは一線を画した3D映画が登場してきています。
当然、不振の映画界に再び活気を取り戻す切り札にしようという機運が高まり、タイトル数も増えはじめ、またシネコンも相次いで、3D映画を楽しめるスクリーンを増やしてきています。今のところデジタル3D映画の「カールじいさんの空飛ぶ家」「Disney’s クリスマス・キャロル」も興行成績はよく、作品評価も高いようです。

そういった動きを読んで、液晶テレビの3D化が進もうとしていますが、さて、この3D映画、3D技術は、コモディティ化し、価格下落に歯止めが止まらない液晶テレビの救世主となるのでしょうか。

そこには、いくつかのハードルがありそうです。まずは、映画のタイトルがどれぐらいの期間で揃ってくるのかが問題になってきそうです。コンテンツとしての映画のタイトルが揃ってこないと、わざわざ液晶テレビを買い替えようということにはなりません。

地上波の番組が3D化されればいいじゃないかということですが、3Dの画像を作るには、高度な画像処理を必要とすること、また実写では二台のカメラをシンクロさせて撮影するということになります。それは番組の制作費アップにつながるので、ちょっと期待できません。それに今のほとんどの番組は3Dにする値打ちがありません。やはり、3D映画のDVDなり、ブルーレイで観るというのが主な目的になります。

また、映画のタイトルが増えても、実写映像を撮ることがいまだに難しいのか、今後は増えてくるといわれていますが、やはりまだアニメが主流であるというのも3D映像のマーケットを限ってしまいそうです。

つまり、需要が伸びるかどうかの鍵は、映画のコンテンツ側にあるということです。どれぐらいヒット作品がでてくるのか、またタイトルが出そろうのか、またそれらの映画のDVDやブルーレイが売れるのかどうかで、3Dの液晶テレビが売れるかどうかもきまってくるということです。

また、もし、コンテンツ制作から、劇場での上映、また液晶テレビの3D技術を一気通貫で握っていたら、3D映画産業の主導権がとれますが、残念ながらそうではありせん。、上流はコンテンツ制作側、つまり映画会社と、画像処理のソフト側に押さえられた状態です。
そうなると、再び上流と販売という下流は利益がでても、その中間に位置している液晶テレビという製品は利益がでないというスマイルカーブの罠も当然想定されます。

よほど技術で優位性があり、他社の追従を許さない、あるいは日本しかできないということでない限り、やがて参入が増え、競争が激化し、また価格が下落するという構図を生み出します。

もうひとつは、映像文化の問題です。人は、映像や画像を見て、頭のなかで組み立て直して観ています。3Dでなくとも、頭のなかでは無意識に立体的に見ているのです。コンテンツの魅力を左右するのは、3D技術よりは、作品のストーリーや、登場するキャラクターや出演者、また撮影技術のほうが結局は影響が大きそうだということです。

高画質という切り口で、液晶テレビ、またプレイヤーの価格下落の歯止めとして期待されたブルーレイでしたが、いまひとつ期待に応える結果になっていないのも、結局は画質よりは、コンテンツの中味のほうの影響のほうが大きかったからではないか、それと同じ事が起こるかも知れないということです。

また市場の上流から下流まで押さえるということが難しいかぎり、液晶テレビの高付加価値化、あるいは差別化の切り口がなかなか見いだせないのでしょうが、いやはや大変だなとつくづく感じます。ネットでつないで、ナビの通信と一体になったGブック・サービスのような世界ができない限り、消耗戦は続いていくのでしょうね。

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ケータイよりはセイホのほうがガラパゴスみたいだ

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生命保険のカラクリ (文春新書)生命保険のカラクリ (文春新書)
著者:岩瀬 大輔
販売元:文藝春秋
発売日:2009-10-17
おすすめ度:5.0
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「生命保険のカラクリ」を献本いただいていたのですが、タイミングを失して、ちょっと書評を書きそびれていました。

著者の岩瀬さんは、あのライフネット生命保険の副社長でいらっしゃいます。ライフネット生命保険は日本の生命保険の歴史で言えば、独立系としては74年ぶりに誕生した会社ですが、順調に業績が伸び、最近では社長の出口さんがまじめに説明しておられるテレビコマーシャルまで流れています。

生命保険は少子高齢化にむかう日本では、縮小していくしかないと思われるのですが、日本の生保の海外進出というのは、チャレンジ目標として掲げてはいるもののあまり聞きません。海外の保険会社の株を買ったという程度でしょうか。逆に日本の生命保険に参入があいついだことに違和感を覚えていたのですが、この本を読んで、その理由がよくわかりました。

日本の生保は、海外と比べると非常に美味しいビジネスができる特殊な国だということです。9割の人がなんらかの生命保険に入っていて、さらに海外と比べると突出して高い保証保険額の商品に加入している。さらに保険料が高く、商品によっては海外の二〜三倍もの保険料が支払われているそうで、そんなマーケットを海外企業が放っておくわけがありません。

なんと日本の国民は、日本の税収とほぼ同程度の年間40兆円もの生命保険を支払っているというのだから驚きます。そんな国はないそうです。日本は生命保険に関しては特殊な島、ガラパゴスだということです。

そういった日本の特殊でビジネスとして美味しい保険は、海外企業にとっては同じ土俵で利益を享受することも、価格破壊を起こすことも選択が自由なわけですが、日本の生保はそうはいきません。

日本では、保険セールスの人たちが、職場、地域のすみずみにまで入りこんで、それで加入率が9割ということが実現できているわけです。そんな外交の人たちの人件費がばかにならない、非常に高くつくことはいうまでもありません。生命保険で販売成績のよい主婦の人では、大企業の管理職も真っ青な給与をもらっていたりするのですが、その費用はどこからでるのかです。当然保険料に織り込まれています。

生保の収益源は、シサ、リサ、ヒサの3つだそうです。シサとは保険料に織り込まれている死亡や入院確率と実際に支払う確率の差の死差益であり、それがもっとも大きな収益源だそうで、少々運用で逆ざやがでて損失があっても十分に吸収できるというのですから驚きます。なんとこの死差益が保険会社のもっとも大きな収益源で、生保8社の合計で、2兆1000億円もあるそうです。

またリサとは運用利回りでの稼ぎですが、日本はリスクの高い株などへの投資が海外の保険会社よりも多いのは、先ほどのシサで儲かるからかもしれません。さらに手数料として、事業運営コストが乗っているということです。

保険商品が分かりづらいこともそういったビジネスのあり方を可能にしているのでしょうが、そんな生保も、共済保険が伸び、さらに店頭販売、ネット販売など流通の変化がでてくると、かならず市場での価格調整が起こってくるのは当然の成り行きであり、ライフネット生命もそれで伸びてきているのでしょう。

生保というと、義理、人情、プレゼントというGNPで交わされてしまいがちですが、高級外車を買うぐらい高額な買い物だということを考えると、もっと慎重に比較して選んでもいいと思いますね。
この本の最後に、保険にかしこく入るための7カ条がまとめられています。かしこく選ぶためには、しくみを理解しておくのが早道ですが、ご参考までにご紹介しておきます。

●死亡、医療、貯金の三つにわけて考える
●加入は必要最低限に
●死亡保障は安い定期保険で確保する
●医療保障はコスト・リターンを冷静に把握して
●低金利のときは、生保で長期の資金を塩漬けしない
●解約したら損、とは限らない
●かららず複数の商品を比較して選ぼう

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