ストレスの多い社会です。情報は洪水のように駆けめぐり、めまぐるしく時代が変わっていきます。それと比例して「ストレス」解消の市場もどんどん広がってきています。お茶やアロマテラピー、音楽、温泉などの癒し系、マッサージやソファー、低反発性の寝具などのリラックス系、フリスクや目薬、メントールのたばこなどの気分転換系など、挙げていけばきりがないぐらいです。
今回は、「ストレス耐性」というテーマのリクエストがありましたので、ストレスとのつきあい方について書いてみたいと思います。
まず、私自身がどうなのかを「ストレス ケア オンライン」で診断してみました。他のサイトでも、いくつかやってみましたが、ほぼ同じ結果です。ご紹介します。

● 1 良いストレス
ストレスというのは、悪いものと考えられがちですが、ストレスには「良いストレス」もあります。「良いストレス」というのは、心を、楽しくし、生活を充実させ、生き生きとさせてくれるようなストレスのことをいいます。
あなたは適度な「良いストレス」を持っています。
● 2 身体に現れたストレス症状
体にそれほど大きなストレス症状は現れていません。ただし、症状のひどい項目がある場合は、早めに対処してください。
ストレスが原因ではなく、身体的な病気の場合もありますので、ひどい場合はお医者さんに急いでください。
● 3 心に現れたストレス症状
チェックした項目のうち、程度のひどいものがなければ大丈夫です。
● 4 社会生活に現れたストレス症状
程度が軽ければ社会不適応ではありませんが、1項目でも程度の激しいものがあれば、社会不適応の症状が出てきているといえます。
信頼できる人か、専門家などに相談してみましょう。
● 5 人間関係上のストレス要因
人間関係上のストレス要因はありません。
● 6 仕事上のストレス要因
仕事をする以上、ある程度のストレス要因は覚悟しなければなりません。チェックした項目のうち、程度の激しいものがなければ大丈夫です。

ダイバーシティ・チェックの結果
  <心の柔軟性チェック>
●心にかなり柔軟性があります。環境の激変にもかなり対応できるでしょう。

以上の結果でした。まあ普通というかストレスが少ないということです。最後の「ダイバーシティ・チェックの結果」がストレスへの耐性だと思いますが、自分でも強い方だと思います。
ただし、このテストでは出てこなかったのですが、致命的に「ストレス耐性」のない弱点を持っています。「片づけ」をすると、極度のストレスになるだけでなく、本当に身体中に蕁麻疹がでてくるのです。
大きな意思決定のストレスへの耐性はあるのですが、この書類は捨てるべきか、残すべきかという小さな意思決定の苦痛に耐えられないのです。

つまり、人には、訓練や経験によってストレスに慣れて対応できるものと、おそらく子供時代から、たとえば母親が几帳面で、気がつくとすべて片づいていたという環境に育ってきたというような原因、小さいときの出来事でなんらかのトラウマを持ってしまったという原因があり、ちょっとやそっとでは克服できないストレスがあるのではないでしょうか。
そういった体質となってしまっているような弱点は別にして、うまくストレスとつきあうコツというものがあり、さまざまなコツを、誰もが持っていらっしゃると思います。今回は、私自身のコツをいくつかご紹介しましょう。長くなるので分割して書きます。今日は、「考えて仕方ないことは考えない」ということです。

考えて仕方ないことは考えない

中山正和という人は、アイデアの生み出すための発想法を研究し独自の発想法を開発された方です。著作に「考えて仕方があること、仕方がないこと」という本があります。考えて仕方ないことは、自分ではどうにもならないことです。考えれば考えるほどストレスが高まっていきます。
楽しみにしていたアウトドアでのバーベキュー・パーティの当日、起きてみたら雨が降っていたという場合、もし雨が降らなかったらと怨んでもしかたありません。自分で変えられないことを考えても仕方ないのです。それよりは、雨の日の楽しみ方を考えた方がストレスがありません。
ビジネスの現場でいうと、もっと経費が使えたらとか、もっと上司の人や社長が理解してくれたらとか、もっと人材がいればとかいった「できない」理由を探すことに大半の労力を使ってしまう人がいらっしゃいます。それは考えて仕方ないことで、考えれば考えるほど、暗くなりストレスが溜まっていきます。それは、そういう環境にいるというだけのことであって、その環境の中でなにができるかを考えればいいだけのことです。

昔、お付き合いしていた会社の社是のなかに「創業の精神」という大好きな教えがありました。近江商人をルーツにした会社です。ひょっとすると字句には少し記憶間違いがあるかもしれませんが。「資金なきを憂えず、陣容なきを悲しまず、只只(タダタダ)労力を資本(モトデ)として百年一日が如し」というものです。なにか古めかしくてガッカリですか。
創業時は、資金もありません。人材も揃っていません。それを嘆いてみても、考えても仕方ありません。あるのは、「自分自身と仲間の労働力」だけです。自分自身と仲間を信じて、知恵を出して、頑張るしかなく、どうすれば、限られた条件で最大の効果を上げるかだけを考えればいいことです。

Let it be

考えを組み立てるときのコツだと思います。Let it be は「あるがままに」ということです。コントロールできない現象は、それをどうこうといっても仕方ありません。事実は事実です。考えて仕方あることは、その状況や事実から何を読み取るかです。

たとえば、お客さまは、わがままです。わがままで当たり前だと思います。自分が買い手の時は、こうあってほしい、ああなってほしいと欲張りになりますね。欲張りになるとわがままになります。お互い様です。
お客さまのわがままを嘆くと、あるいはお客さまのわがままを悩んでいるときりがありません。お客さまが、わがままをいわないように、お客さまの人格を改造しようとしても、わがままをいわないように説得してもしかたありません。無駄です。それよりは、お客さまのわがままを最大限満たすにはどうすればよいかを、一緒になって考えればいいのだと思います。

上司の人も、経営者もわがままです。責任をとらされるのだから、少しぐらいわがままであってもいいと思えるかどうかです。そのわがままが、本当に気に入らない、許せないなら、職場や会社を変えればいいだけのことです。

わがままという状態は、何を優先したらよいかが、整理できていないから、そうなることが多いですね。考える整理のお手伝いをすれば、お客さまが満足されることもあります。上司の人も経営者の人も納得されることがあります。逆に、非難されればされるほど、わがままを主張したくなるものです。それが人間です。

友人から、こんな話を聞きました。アメリカの通販の会社だそうですが、どの色の服にすれば自分に似合うのかという相談をする電話が多いそうです。TV電話でもない限り、どんな色がその人に似合うなんてわかりっこないのですが、こんな風な受け答えをするそうです。

(客) 「カタログにあったシャツがほしいのだけど、色を迷っているの」という質問に
(受付) 「最近お友達に似合っていると褒められたことがありますか?」と切り出します。
(客) 「そういえば、この間着ていたワンピースが似合うって言われたわ」
(受付) 「それはどんな色のワンピースでしたか?」
(客) 「オレンジのワンピースなの。ちょっと花柄がついている」
(受付) 「お客さまは少し目立つぐらいの方がお似合いです。きっとこのオレンジのシャツがお似合いですよ。オレンジのスカーフをコーディネートすればもっと素敵になりますが、いかがしますか?」
(客) 「このカタログのオレンジのシャツと、横の写真のスカーフもお願いします。ありがとう。相談してよかったわ」

ほとんどの人は、受付の人のいう通りに注文して、さらにお勧めしたスカーフまで買っていくそうです。その会社は電話の質問にどう対応すればよいかを徹底して研究し、受付のトレーニングをしているといいます。どれにすればよいかを決めかねている気持ちを整理してあげれば、お客さまは満足するということだと思います。
喜んでもらえればお互い気持ちがいいですね。ちょっとしたwin-winの関係です。ストレスも溜まりません。私も、職業人生が長いほうになってきましたが、「悪い人」も「根っからのわがままな人」もめったにいません。
ただ、気をつけないと、たまには「本当に悪い人」がいますけれどね。


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