「コーチング」について、さっそく「ウサ田のつぶやきが辞書になる」さんからコメントをいただきました。まず、「チームがどうあるべきかを決める」という「スポーツの世界のコーチは、むしろ漢字で表現するところの『監督』、英語で表現するところのmanagerに近い」のではないかというご指摘がありました。
ちょっと横道にそれるかも知れませんが、団体競技での『監督』が、どう表現されているかを調べてみると、面白いことを発見しました。野球とサッカーは、『監督』は、managerで、ラグビーとアメリカンフットボールはhead coachです。
ラグビーや、アメリカンフットボールでもmanagerはいますが、『監督』ではありません。ラグビーやアメリカンフットボールのmanagerは、経理や広報、総務、リクルートなど、いわば会社の本社機能にあたる仕事を受け持ち、チーム運営を支える人たちです。野球もサッカーも『監督』(manager)は、コーチのところで紹介されていることを見ると、呼び方は違っても一応、コーチに分類されているようです。
ひょとすると、野球やサッカーの『監督』とラグビーやアメリカンフットボールの『監督』では、職務範囲 が違うのかも知れません。
個人競技ではどうなんでしょうか。今、話題になってきている「コーチング(メンタリング)」は、個人競技のコーチに近いのかもしれません。マラソンの小出監督は、managerなのかcoachなのか、興味深いところです。

アメリカンフットボールにおけるコーチとトレーナー
スタッフがもっとも組織化されているのはアメリカンフットボールです。プロチームが抱えているコーチの数は十数名ですから、他のスポーツの二倍以上です。さらに、トレーナーの数も多く、かなり充実しています。
コーチとトレーナーの役割も違います。コーチは競技のためのスキルを選手に教え、また勝てるチームを目指して、チームを育成し、さらに対戦相手を分析してゲームプランをつくっていきます。
トレーナーは、選手ひとりひとりのコンディションをケアします。基礎体力づくりのメニューづくりや指導、怪我を防ぐためのテーピングなどのケア、また怪我をした選手のリハビリテーションなどです。
いま、いわれている「コーチング」や「メンタリング」の役割と、このトレーナーの役割は非常によく似ているように思います。
また、トレーナーの重要性が、近年クローズアップされてきており、またレベルアップしてきた点でも似ています。トレーナーは、他の競技に移っても、十分通用しますが、コーチはそうはいきません。アメリカンフットボールのコーチは、ラグビーのコーチも、サッカーのコーチも出来ません。
ちなみに、アメリカンフットボールは、コーチの采配が、もっともダイレクトにゲームに影響するスポーツです。ゲームの中で、クォーターバックが作戦を決めていると思っている人がいますが、どのような攻撃をするのかは、ひとつひとつのプレイに対してすべてコーチがし指示しており、クォーターバックが状況を見て作戦の変更をする(プレイコール)する場合もありますが、基本的にはコーチの指示で選手は動いています。ラグビーは、ゲーム中にコーチが指示することが禁止されていますから、かなり違いますね。

いずれにしても、「チームのためのコーチング」という分野があるように思います。特に、現場のマネージャーやリーダーの人たちも「コーチングの技術」をもっと学ぶべき時代になってきていると感じるのです。結構深くて重要なテーマだと思いますので、何回か連載の形で問題提起していくつもりです。ぜひ皆さんのご意見も聞かせて頂きたいと願っています。


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