パーソナル・ブランディングは、いうまでもなく個人のブランド化です。私のように、コンサルティングの仕事をしていると、自分自身のブランド化は非常に大切なのですが、目先の仕事にかまけて、さぼってきました。昨今は回りの人たちから叱られっぱなしです。マーケティングを仕事にしながら、パーソナル・マーケティングが、きちんと出来ていなかったと大いに反省しています。
自分のことを棚に上げて書くのはよくないかも知れませんが、個人のブランド化は、今後、ますます重要になってきそうに思います。さまざまなblogを見ていると、すごい力量を感じる方がたくさんいらっしゃいます。しかしハンドルネームの方がほとんどですね。なんらかのお考えをお持ちで、そうしていらっしゃるのかも知れませんが、きっと名前を出して自由な発言をしていると、職場とか仕事で、また身辺でなんらかの差し障りがあるという理由で実名を出さない方も多いのではないでしょうか。惜しい気がします。
確かに、今の会社の中には、個人を売るということに違和感や抵抗感がありそうです。営業は、会社を売る前に自分を売れといいます。つまりパーソナル・マーケティングをしろということですが、個人の名刺を出す人はお目にかかったことがありません。ブランド化という話になると、なにか一線を越えてはならない枠のようなもがあるのでしょうか。
日本の会社組織のなかには、まだまだ個人が会社の仕事の範囲を超えて勝手に目立ってはいけないという村文化があるのかも知れません。とくに日本のメーカーの場合は、集団活動でみんなが汗と知恵を出し合って成功してきたといいう過去があるために、個人が突出するのを嫌う文化が生まれてきたのだと思います。
しかし、時代は変わってきました。生産現場ですら、ラインを捨てて、ひとりですべて組み立てるニュープロダクションシステムに切り替える会社もでてきています。高度な精密さが求められる金型や工作機械などの仕上げも、高い技能を持ち、あの人と名指しされるぐらいのひとでないとできないといいます。マーケティングにしろ開発にしろ、チームの質でほとんどが決まってしまいますが、いいチームは、いいメンバー、いいタレントが揃ってこそ生まれるので、やはり個人が重要です。
それはさておき、メーカーに勤めていらっしゃる工業デザイナーの方で、ブランド化しはじめている方がいらっしやいます。デザイナーだったら当たり前ととお思いでしょうが、その人は、メーカーに勤めている会社員です。正真正銘のサラリーマンです。いくつかの賞をとって、雑誌で取り上げられる機会も増えました。社外のひとたちとの交流が広がったのもちろんですが、大事なのは、そうなってから、会社の枠を超えた活動に積極的にチャレンジされてきたことです。さまざまなコラボレーションに参加したり、違う業種のデザイナー同士で、仕事のスワッピングをしたり(誤解がないように補足しますが、時計の会社のデザイナーがオートバイのデザインをしたり、逆にオートバイのデザイナーが時計デザインをするといったことです)といった活動です。
古いつきあいなので感じるのですが、以前に比べて、ずいぶんものの見方が広がってこられたように感じます。お世辞ではありません。
研究開発でも、個人の発想がきわめて重要で、会社の枠を超えた個人的な交流が重要だといわれています。異なる視点をもった人たちとの交流が知識の創造には欠かせないということだと思います。。
研究開発に限らず、会社の組織内、業界内だけのネットワークや活動だけでは、新しい発想を生み出すというのはおぼつきません。会社や業界の枠を超えたネットワークは、役職とか立場ではなく、それぞれの個人の「魅力」でしかつながりませんし、ネットワークとしての魅力も生まれてきません。
さらに、個人がブランド化していないと、いちいちどんなキャリアで、どんな内容の仕事をしているといったことを長々と説明しないと、その人の持ち味が理解されるのに時間がかかりすぎてしまい、つながりにくいということになります。
さて、blogは4月から始めたばかりで、まだ新人ですが、blogは、パーソナル・ブランディングを行うひとつのいいメディアだと感じはじめています。blogという新しいメディアでどんどんパーソナル・ブランドが生まれてきたらいいですね。

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