今日で、来シーズンからセ・パ各6チームということで選手会との合意が成立しそうです。あとは、新規参入を元気いっぱいの挑戦者ライブドアにするのか、世渡り上手な楽天にするのかという選択に焦点が移りそうですが、さて本当にプロ野球を再生するための構造改革がどこまでできるのかは微妙です。
多くの衰退産業が辿ってきた道は、「まだなんとかいける」という甘い判断でずるずると過去を引きずったまま進み、気がついたときには、もう立ち直る気力も体力も尽きていたということです。
短期的には「損」をとっても、長期的に「得」をとるという勇気や覚悟を経営サイドが持てるのかは、かなり疑問です。このままでいけば、きっと数年後には「なぜプロ野球は失敗したのか」という本が登場しそうです。
巨人人気低下に拍車がかかった
今回の騒動で、巨人の人気低下にさらに拍車がかかる結果となりました。ファン離れです。巨人は、正義の味方の「月光仮面」だったはずが、仮面をはぐとファンや選手を虫けらのように扱う悪代官がでてきたのですからファンがしらけたのも当然です。
視聴率は、今シーズン開幕時に首都圏で平均15.0%あったのが、毎月下降してきており,
ついに8月は8.7%まで下がりました。オリンピックによる影響もあったとはいえ、過去最低の記録を塗り替えてきました。
昨日の横浜・巨人戦が象徴的でした。巨人は年間240本塁打の日本記録を達成したのですが、試合は横浜に負けました。(水増し)観客動員数も二万一千人となんとパリーグの最下位争いのオリックス・近鉄の二万三千人を下回ってしまいました。視聴率も5%程度だったのではないでしょうか。

高い放映権料が維持できるか
最強の巨人をつくるというネベツネ構想が見事に破綻したのです。ルールをなし崩しにしてパリーグの破綻を早めてまで、巨人をなんとしてでも最強にしたかったのは、視聴率の回復によって放映権料を守るという意図がきっとあったのだと思います。しかし、今の巨人の人気の低下、また視聴率の低下という状況では放映権料が下がるのは時間の問題です。
今、交流戦のアイデアにしても、巨人戦を組むと放映権料が入ってくることが前提となっています。経営が成りたっているセリーグも、やはり放映権料の存在が大きいですね。巨人人気と巨人戦の高い放映権料というセットがプロ野球、特にセリーグを支えてきましたが、きっとこの根拠が根底から揺らぎはじめます。

見えない競争相手とは闘いずらい
アメリカでは、スポーツは最大の娯楽です。人口あたりの入場者数も日本をはるかに上回っています。さらにアメリカンフットボール、野球、バスケットボールが競技間で目に見える厳しい競争を繰り広げています。だから人気が落ち始めたプロ野球を大改革しないとプロ野球そのものがだめになるという危機感が生まれました。わかりやすいのです。
しかし、日本ではどうでしょう。スポーツでは、目に見える脅威がまだ育っていません。サッカーは成功してきていますがプロ野球を根底から脅かすまでには至っていません。
それよりも、目に見えない競争が実は繰り広げられています。そのほうが大きいのです。都市の中は娯楽で一杯です。外食産業ですら競争相手です。昨年、関西では、阪神戦が盛り上がっていた頃の飲食店の悩みは阪神戦があると、人びとがはやばやと帰ってしまい、客足が遠のいたことでした。目に見える競争相手がない・・・、相手の姿が見えない・・・見えない競争の中で、ずるずると改革がひきのばされていくのです。

「明日の得」が描けるか
プロ野球も、他の娯楽に負けない魅力をつくるための改革が求められていますが、改革には意識の改革も必要です。痛みを覚悟することも必要になってくるでしょう。それは経営サイドだけの問題だけではありません。選手の年俸の見直しも必要になるでしょう。経営側も選手側も過去の栄光を捨てる勇気が必要です。
だから、「今日の損」をとってでも、「明日の得」「明日の夢」に賭ける、その「明日の得」、魅力的な「明日の夢」が描けるかどうかにかかっています。
「明日の得」「明日の夢」を描くためには、市場の構造がどのように変化してきているのか、なにが課題かを見極める「知性」が必要になってきます。我が「球団の得」にしがみついているかぎり、明日を描く知性は生まれてきません。たとえ描いても絵に描いた餅になりかねません。

ファンや選手からのボールは投げられました。さあ、こんどはプロ野球の経営側がボールを投げ返す番です。もう下手な変化球ではだませません。どんなボールを投げ返せるのか見物ですね。

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