日本でプロ野球が誕生してはじめて迎えたストです。しかも、ファンや国民の大多数がストを支持しています。きっと、ナベツネ流にいえばストを支持している人は共産主義者であり、朝日新聞が煽った結果なのでしょう。
今回の交渉で、球団側が勘違いしていると思えるのは、選手会とお互いがどう歩み寄り、どこに落としどころを持っていくかという問題の立て方をしていることです。あまつさえ損害賠償という選手に対する脅しすら口にしてしまいました。今回の交渉の焦点が選手の待遇条件ならファンや国民はストを支持しません。
選手会とどう歩み寄るかではなく、その先にいるファンに、自らに対する不信感をどうすれば払拭できるのか、どうすればファンに納得してもらえ、共感してもらえるのかという問題の立て方をしないといい知恵は浮かんできません。選手会と交渉しているのではなく、経営側がファンや国民の審判を受ける被告席にいるというとう認識をもたない限りファンとの距離はますます広がっていくばかりです。
交渉相手は選手よりファン
共同通信の調査によれば選手会のストに対する支持率は事前で67.4%と非常に高かっただけでなく、TVが実施したアンケートではスト決定後支持が下がっていないようです。調査方法が異なりますが、むしろ支持が高まったかもしれません。さらに、ストが決まってニュースが流れた時に、スタジアムでファンのブーイングでなく歓声があがったというのも普通ではありません。
プロ野球の経営サイドは、合併問題や新規参入問題は、しきりに「経営事項」だということを繰り返していますがまさに「経営事項」です。その「経営事項」の「経営そのもの」にファンや国民が不信任投票をしているのです。だからファンや国民は選手会のストを支持するのです。経営サイドは、選手会の要求にああだこうだと受け身で対応しているようでは話になりません。根来コミッショナーが、来年からの新規参入にこだわった選手会に対して怒りを表明したそうですが、経営サイドを正しい方向にリードできず、ファンに満足してもらうだけの提案や落としどころに持っていけなかった自らを反省すべきでしょう。


今回のストを「労使対立」と考える間違い
今日の日経で、島田編集委員が「解決への展望が見えるか」というタイトルの解説がありました。「選手会のストで経営者側は態度を硬化させることは必死。スト実施でこれ以上の譲歩を引き出せる可能性は低い」とありますが、今回のスト問題は「労使」という単純な関係の問題ではありません。「ストというと労使」という固定観念からはなれられないのでしょうが、その先にファンがいるという視点がありません。選手会の要求はまさに「経営事項」であり、その経営が変わらないとファンからは支持されないことをわかっているから、逸脱した要望を出しているのです。
さきほどの根来コミッショナーの怒りの表明を報道した夕刊フジの「いっそ渡辺恒雄・前巨人オーナーに出馬願って、戦うコミッショナーというのも、一つの方法かもしれない。」というコメントは、いかにこの記者が問題を分かっていないかを物語っています。あるいは被告人を裁判官にするというブラックジョークのつもりでしょうか。

ファンが支持すれば事態が変わる
ファンや国民の気持ちや動きが事態を変化させてきたことは否定できません。今後ともそうだという視点が欠けているのです。つまり、経営・現場の選手・それを支えるファンの三位一体で状況が動いていくのだという感覚がないと本質は見えてきません。もちろん頂点にいるのはファンです。頭の柔軟な人ならすぐに分かりますね。実はそれはマーケティングが学んできた視点なのです。


バブルの崩壊と同じことが起こりつつある
経営サイドは、パリーグの球団経営が厳しくなったと言う構造の改革だけでなく、ファンや国民の不信感が払拭するにはどうすればよいかを考えるべきです。。そうでないと不信感はさらに根深くなり、また広がってきます。球団を持つ企業そのものへも不信感もすでに芽生えてきているということに早く気づいて欲しいものです。
既にオリックスは、赤字を補填してまで投資をしてきたことが無駄になりそうです。無駄どころか、逆に自らのイメージを下げはじめています。バブル崩壊で一瞬のうちに土地が資産から不良債権に変わってしまったのと同じです。併効果を楽観的にシミュレーションをやっていましたが、合併が「1+1=3」の方程式になればいいのですが、今の硬直した態度では、「1+1=0.7」になりかねない状況です。宮内オーナーも小泉社長もまだ気がついていないようです。経営感覚を失っていると言われてもしかたないですね。

決断力・行動力・構想力を示すこと
ライブドアの近鉄買収計画から仙台での新球団設立への動きや楽天の新規参入表明で、思い切った決断を行い、ビジョンを示しながら、機敏に動く若いIT企業と、やれ1リーグだとか10球団だという後ろ向きの発想ばかりで、なかなか腰をあげない、なんの説明もしない、ビジョンも示せない現在のプロ野球球団オーナーや球団経営者との差をファンや国民がまざまざと感じてしまいました。
ファンの経営を評価する基準が高くなってしまったのです。結論を引き伸ばしているうちにファンが満足するためのハードルがどんどん高くなってしまいました。
経営側は、いまや断崖絶壁に立っています。選手会のストに対して、そういった危機感をもってボールを返せるかどうかが見物です。

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