『マイウェイ』という歌をご存じですか。若いスタッフに聞くと知らないそうです。でも何回かリメークされているので、若い人でもご存じの人がいらっしゃるのかもしれません。
一時は時代を風靡した歌で、亡くなった勝新太郎さんが上手でした。披露宴の定番みたいな歌でした。ただカラオケで歌うと嫌われる歌の代表格みたいになり、もう最近は歌う人も少なくなり、時効になったと思うので明かしますが、この歌ほど誤解のあった歌は少ないのではないかと思います。
実は・・・
『マイウェイ』は、人生最後の「別れの歌」です。二人の門出で別れの歌を絶唱する光景はなんとも異様でした。離婚率が高まったのもそのせいかもしれません。
ポールアンカが作詞・編曲して、フランクシナトラが歌って大ヒットしました。歌のスタートは

And now, the end is near, and so I face the final curtain

もう終わりが近づいており、人生最後の幕引きを迎えているという歌です。私は私なりに自分の道を歩んできたという回顧の歌なのです。フランクシナトラの引退を飾るためにポールアンカが作詞したともいわれています。

しかも、この歌は"Comme D'habitude"というれっきとしたフランス産のシャンソン。まあ「いつものようになにも変わりなく繰り返されていく」という感じでしょうか。朝ベッドで目覚めて、髪に手をやっても、くるりと背中を向けてしまう相手。外に出て、ひとりでコーヒーを飲み、寒さに襟を立てて・・・ひとり寒いベッドで耐えて・・・そんな毎日が続いているという感じのいかにもフランス映画のシーンが浮かんでくるような冷え切った恋愛の歌なのです。

いずれにしても、明るい歌でも、頑張るぞという歌でもありません。ところが「今船出が・・・」という日本語歌詞がいつのまにか新婚の二人の船出の歌となり、またビジネス戦士のみなさまには、マイウェイという言葉が、どんなに理不尽なことがあっても、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、我が信念をつらぬいて生きていくぞという言葉として心に響いたのでしょう。
もし年配の上司の方が歌われたら、ああもう引退されるんだなあというように聞くと、我慢もできるかもしれません。
ところで、日本は、いつの時代にも忘れた頃に「頑張るぞ」という歌が流行ってきます。きっと「頑張る」のが好きな国民性なのでしょうね。

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