ビジネスラボという会社を立ち上げてもう４年が過ぎました。50歳過ぎてからの起業でした。営業活動の記録をデータベース化して情報を共有するソフトとサーバーをインターネットで利用するサービスを提供する会社です。昨年ぐらいからやっと流れが変わり、事業も安定的に伸びるようになってきましたが、それまでは大変でした。
アスクルを立ち上げた岩田さんが「ふたつの新しいことに同時にチャレンジするのは大企業にしかできない」とおっしゃっていましたが、そのことを痛いほど体験したように思います。営業部門の情報化という新しいこと。ビジネス分野でソフトをインターネット利用するという新しいこと。ふたつの新しいことが重なったビジネスにチャレンジしてしまったわけです。
しかも、設立して半年も経たないうちにITバブルが崩壊し、計画していた追加資金が絶たれました。また深刻な不況のなかで「経費削減」の波が押しよせるというダブルパンチ。しかし、何が幸いするかわからないのも世の中です。

当初は、市場は伸びるけれど、すぐに激しい競争を迎えるだろうと予想していました。どちらも外れたわけです。大きな経営危機もありましたが、それも乗り越え、じっくり腰をすえてソフトの改善にとりくんでこれました。というよりは、それしか将来につなぐ道をみいだせなかったのです。
小さな会社は、最初は競争のあまりない環境でやっと孵化でき、守られた環境のなかで独り立ちできるようになっていくといいますが、くしくもそういう状態を過ごしてこれました。
現在利用しているライブドアのブログも、サーバーとソフト利用を提供するASPという形態ですが、ASPでやってきたこともソフトの改善に大きく役立ちました。社内の情報システム部門の方が窓口だと、ちょっとした不便さがあっても社内の人たちも遠慮しがちでしょうし、システム改善には費用が発生します。ASPでやっているとお客さまから。要望もクレームもどんどん頂戴できます。サービスだから「よくてあたりまえ」だからです。
ソフトの改善は、社内だけで議論していると、ああだこうだと結論がでませんが、「お客さまの声」は「神様の声」なので結論をだすのも早いですね。
いつのまにか、ビジネスラボのソフトやシステムは、お客さまの声の集大成であり、その結晶として育ってきました。どんどん見直していくうちに最初の面影はほとんどなくなりましたしたが、そのことが今は強みになろうとしてきています。
ライブドアさんが急速にブログのユーザーさんが増え、苦労されていらっしゃいますが、本当にサーバー管理もやってみなければ分からない世界だということも学びました。
まだまだ課題は山積みです。チャレンジしたいことも一杯あります。しかし、あまり欲張らずにお客さまとともに育つソフトやシステムという基本姿勢は今後とも守っていきたいと思っています。お客さまに満足していただき続けることが最も大切なテーマですから。

株式会社ビジネスラボ

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