トランプ大統領の訪日が無事終わり、あとは「非常に重要なのは、日本が膨大な兵器を追加で買うことだ」というトランプ大統領の意に沿った厳しい交渉が始まるのでしょう。またタイミングが悪いというか、昨年は、米国の対日貿易赤字が増加し、ドイツを抜いて、中国に次ぐ第二位になったところです。まさか、約7兆7千億円の赤字分を自衛隊の装備で買えということにならなくとも、かなり厳しい要求になってきそうです。

そこは米国との信頼関係で息を吹き返した安倍内閣なので、北朝鮮の脅威を口実に防衛費を上乗せして、かなりの買い物は覚悟のうえのご接待だったのでしょう。

トランプ大統領の日本訪問は、まるで芸能人扱いのようにマスコミが浮かれはしゃいでいましたが、トランプ大統領にとっては、今日からが勝負です。とくに本日のソウル訪問では、歓迎と反対の双方のデモが迎えることになるのでしょうが、どういう展開になるのでしょうか。

また、文在寅大統領との会談結果が、明日以降の習近平総書記との会談にも影響すると思われます。トランプで大統領としては、9月に文大統領が「韓国と米日の軍事面での協力は、北の核とミサイル挑発に対応する上で重要だ」としつつも「3カ国軍事同盟レベルに発展するのは望ましくない」、「日本が北の核を理由に軍事大国化の道を進めば、ASEAN(東南アジア諸国連合)国家との関係でも望ましくない」と発言し驚かせましたが、「誰も大韓民国の同意なく(北朝鮮に対する)軍事行動を決めることはできない」、「すべてをかけて戦争だけは阻止する」とトランプ大統領を牽制するような国内世論向けの発言を行っているだけに、トランプ大統領としては釘を刺しておきたいところだと思われます。

しかし、現実は「同意」ではなく、「通告」だけで、軍事攻撃を始める可能性は否定できないし、戦争が始まれば、韓国軍は米軍の指揮下にはいり、米国主導でことは進みます。

おそらく文在寅大統領にとっては、高高度防衛ミサイル(THAAD)が韓国に配備されて以来の中韓関係の悪化が、ようやく、中韓当局間の交流が一部再開され、雪解けが始まったので、米中を両天秤にかけたいところでしょうが、トランプ大統領がどこまでそれを容認するのか、今日にもわかるのでしょう。

トランプ大統領は、米国内に戻れば、ロシア疑惑が再燃し、また支持率低下が気になるところなので、おそらくそれを払拭するためには、韓国と中国の大きな譲歩をともなう外交成果が必要です。いわば正念場を迎え、今日から明後日までのトランプ大統領がどうでるのか、目が離せません。


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