第四次安倍内閣が発足しましたが、やけに地味な内閣です。全閣僚が再任され、女性閣僚は野田聖子総務大臣と上川陽子法務大臣の2名のままでした。タイミングが悪いというか、世界経済フォーラムが発表した2017年版の世界の男女平等度ランキングで、144か国中114位と、昨年より順位を三つ下げて過去最低を更新した記事と重なると、日本の現実、限界を見事に象徴した組閣にみえてきます。
日本のジェンダーギャップ指数、過去最低を更新 114位に :
安倍内閣は、すべての女性が輝く社会づくりを推進しているはずですが、言っていることとやっていることが一致しいないのが残念なところです。いろいろな事情があるのでしょうが、そんな事情の積み重ねが144か国中114位の不名誉をつくってきたのです。

なかでも評価が低いのは、「政治参画」の項目です。前年の103位から123位と大きく順位を下げています。「国会議員の男女比」が129位で、「閣僚の男女比」88位ですが、もしかするとこちらも来年はさらにランクダウンするのではないでしょうか。

今回の選挙では残念な結果に終わった金子恵美さんへの朝日新聞のインタビュー記事では、自民党内部に相当酷いおっさん議員の人たちがいるようです。 

――議員活動の中で、女性であることの壁、やりにくさを感じたことは。

それはたくさんあります。妊娠、出産、子育てと、1人の女性としてのライフステージが、議員生活では当たり前ではありませんでした。党内からは「妊娠するタイミングも分からないのか」と言われました。何も言い返せませんでした。おそらく、衆院はいつ解散するか分からないから、万が一おなかが大きかったらどうするんだ、ということなのだと思います。

呆れてものが言えません。金子恵美さんは、「社会を変えるべき政治の場でこんな状況では、当然民間も変わらないだろうな」と感じられているようですが、変える気のない、今こそ「海ゆかば」の精神をと思っているようなおっさん議員でも選ばれてくる日本の限界でしょうか。極めて残念です。

それを変革するパワーをどこから生みだすのかですが、与党内でも「一強」の感がある安倍総理が旗を振ってアクセルを踏んでも、同時に自らブレーキを踏んでいるようでは期待できず、国民が野党を育てていくしかないのかもしれません。しかし隙きあらば、与党よりも野党を叩く日本のマスコミももうすこししっかりしてよと感じる今日このごろです。


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