おそらく運転歴の長い方なら、些細なことで切れ、煽るなどの危険な運転をする悪質なドライバーに遭遇したことがあるのではないでしょうか。つい最近も、制限速度40キロメートルの住宅街の道路を運転していたときに、後ろから車間距離を詰めて煽ってくるヤカラがいて、交差点の別れ際にちらっと顔を見ると、まさにハンドルを握っていたのは、想像通りの顔をした人でした。
さて、やっと石橋容疑者が逮捕され、顔も名前も公表されましたが、きっと映像を見て、気分を害した人が多いと思います。しかも、逮捕理由は「危険運転致死傷」ではなく、罪の軽い「過失運転致死傷」では納得がいかないと感じられたと思います。石橋容疑者を取材した映像がニュースに流れていますが、罪の意識も反省も微塵に感じさせない石橋容疑者でした。「煽られた」と平気で嘘をついています。人としての良心を微塵も持っていないのでしょう。怒りを感じさせる態度です。しかもテレビ報道によると、石橋容疑者は同じようなことを日常的にも行っていたようで、「車の運転が荒く、年に2回ほど事故を起こしていた」のだそうです。

自分の思い通りにならないと切れて暴走し、脅迫行為ともいえる煽り運転を行い、他の車やドライバーを危険にさらす、危ないとわかっていて運転中にスマホを見て、高速で追突して死亡事故を起こす、なかには信じがたいことですが、新聞や雑誌を読んだり、なんとインスタントラーメンを食べながら、トラックを運転しているヤカラもいます。この社会には残念ながら第二、第三の「石橋和歩」が潜んでいるのです。

怖いのは、崖から人をつきおとして死亡させるのに近い凶悪な行為が行われたにもかからわず、「過失運転致死傷」では、同様の犯罪を抑止できず、第二、第三の「石橋和歩」の犯行が容認されてしまいかねないことです。実際に、第二、第三の「石橋和歩」はいるのですから、社会がそういった犯罪者とどう向き合うのかが問われます。

もちろん神奈川県警も「危険運転致死傷」に持ち込みたかったから、懸命の捜査を行ったのでしょうが、「危険運転致死傷」が成り立つ条件のひとつ「人や車の妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入したり、著しく接近したりする。かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で運転する」ことには合致しているように感じますが、適用は困難と判断したのでしょうか。

社会常識もなく、人としての血の通った心も持ち合わせない第二、第三の「石橋和歩」に犯罪行為を起こさせてはならないのではないでしょうか。


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