日本ファーストの若狭衆院議員は年内の結成をめざす国政新党について、いまの衆参二院制を一院制に変えるための憲法改正を目玉政策に掲げる方針を発表したそうです。「一院制」については維新の会も掲げていたことですが、維新の足立議員がなにの意図があるのか、若狭議員批判をアゴラに投稿しました。
一院制?若狭衆院議員の軽薄で短絡的な提案に唖然 – アゴラ :
展開されている内容、とくに一院制は地方主権とのセットだという点はその通りですが、まさかそれを若狭議員がわかっていないとは到底思えないことです。自分は正しく、相手は馬鹿だといわんばかりの上から目線のうんざりする攻撃口調は、足立議員の独特のキャラでしょうが、議論によって何かを生み出していこうというよりは、根っこに、敵を打ち負かすことしか頭にない跳ね返りの体質を感じてしまいます。

少なくとも、これから天下国家の屋台骨を大きく変え、日本の変革を実現しようとする政治家だという印象を受けません。

あるいは、国会で独自のポジショニングづくりに失敗し、結局は安倍内閣の番犬という印象をつくってしまい、維新の存在感を失ってしまった焦りが、足立議員を駆り立てているのでしょうか。

駄目ですよ、そのキャラでは。橋下さんとちがって華がありません。松井知事の持つしたたかさもありません。

それはさておき「一院制」は、国会のあり方を変えるためにも、また野党再編のいい切り口になってきます。なぜなら、衆参二院制の非合理性に関して疑問に感じている人が多くとも、既存政党が絶対手をつけない改革だからです。既存の政党は、議員数も、政党交付金も減るようなことはしたくありません。「一院制」反対の大合唱で闇に葬りたいテーマです。「一院制」の主張は、与党の強みを打ち消してしまいます。与党との究極の差別化のひとつになってきます。

しかも、当然、「一院制」は国会だけの問題で終わりません。国と地方のありかた、日本のガバナンスのあり方を再考することになってきます。どんどん国のカタチや役割、地方のカタチや役割が議論の俎上に乗ってくるのです。外交や防衛などは別として、地方への権限委譲を進めることが日本が活力を取り戻す有効な方法だという確信も生まれてくるのでしょう。地方分権も、与野党とも総論では賛成しても、国家に権力が集中している体制が与党にとっては都合がいいので、「国家戦略特区」などの看板でごまかして終わってしまいます。


「一院制」は議論を深め、また国のありかたの本質にも迫る良いテーマです。脊椎反応で、冷水を浴びせかけるのではなく、ひとびとを議論に巻き込み、このテーマへの国民的関心を醸成する態度であることを望みます。