はや10年、まだ10年。受け取めかたは人によって違うでしょうが、携帯電話を再定義してiPhoneが登場して10年目にアップルがリリースしたのがiPhoneX。そんな歴史を記念する特別な機種です。しかし、画像を見て感じたのは、サムスンのGalaxyS8とどこが違うのだろうかという戸惑いです。昨日発行したメルマガのなかでも触れたのですが、すくなくともアップルは、iPhoneの新しい歴史のステージ、新しいiPhoneのアイデンティティを感じさせることに失敗したように見えます。GalaxyS8と製品画像を並べてみましたがなにが違うのでしょうか。
デビュー10年ということで「X(テン)」となったiPhoneXは、ワイヤレス充電、全面ディスプレイ化、Face IDなどの特徴を持っていますが、それらもアッと驚くようなサプライズがありません。聞いたことのあるものが並んでいるように見えます。驚きがあるとすれば、最低価格が112,800 円というプライシングぐらいでしょうか。
結局は、もう多くの人が知っている機能を入れこんだものの、Face IDも決済には便利かもしれないとしても、スマートフォンの再定義がなされたわけでもなく、また時計のように工芸価値が加わったわけでもありません。スマートフォンが、もはや成熟商品となり、あとはコモディティ化していくなかで、稼げる間に稼いでおけということでしょう。
しかも、主要な部品は韓国のサムスンやLGなどの韓国メーカーからの調達です。とくに今回のアピールポイントである有機ELにしても、ユーザーの顔を認識するためのカメラも、最大256ギガバイトに達するメモリー容量も韓国の半導体メーカーの3次元(3D)NAND型フラッシュを活用したものです。
日本のメーカーが開発に成功しなかったことも影響して、iPhoneXの新機能を実現するために、韓国メーカーへの依存度が高まってしまったことになります。韓国経済新聞の記事が皮肉るように、開けてみれば「メイド・バイ・サムスン・LG・SK」なのです。結局は製品は寄せ集めでは独自性は弱く、ブランドとプラットフォームのレガシーの上で生きのこる道を進んでいくということで、やがて、シェアも中国製品に抜かれていくのかもしれません。
しかも、アップルは、クラウド、人工知能、自動運転などの成長分野でも存在感を示せなくなってきています。やはりジョブズという偉大なプロデューサーを失った穴を埋めるハードルはあまりに高いということでしょうか。

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