山尾議員の不倫問題はメディアにとっての美味しい餌だとしても、それはプライバシーの問題で、政治とは関係ないことだといえば非難が殺到しそうなのが日本です。しかし、政治という点では、不倫問題よりも、理念も体質もまったく異なる政党が手を組むほうがはるかに気持ち悪く、それは国民や地域住民の利益に反する可能性すらあるように思います。
野党が手を組めば野合だとヒステリックに批判しながら、自らは、共産党とも手を組む懲りない人たちだと思うのが地方の自民党です。前回の大阪府知事、大阪市長ダブル選につづいいて、堺市でまた自民党が共産党とともに現職市長を支持し、維新の候補との対決をめざすようです。
大阪では自民党と共産党との共闘がすっかり定着しました。政治の理念も体質も異なると思っていたのは錯覚だったのでしょうか。共産党とは同床異夢ならぬ同床同夢で、夢見ているのは利権以外に想像がつきません。
神戸では不倫問題で脚光を浴びた橋本市議に、さらに政務活動費の不正請求が発覚しましたが、もともとは自民党議員を中心として集団で行っていた不正です。
「保守」というラベルは今やファッション以外になにの意味もなく、とくに思想や理想がなければ、自らの利権の追求に走る体質が芽生え、利権が合致したところとは無節操に手を組んでも不思議ではありません。中味のない「保守」というバッチをつけてカムフラージュしても、選挙のための互助会組織となってしまいます。そして、議員、市の職員、市の事業にかかわるひとたちの利権を守ることが優先され、住民が忘れさられていきます。
さて堺市ですが、これからがまちづくりの重要な時期をむかえます。堺市にはかつて高度成長期に西日本最大規模を誇る泉北ニュータウンが開発されました。それが堺市の活気をつくっていたのですが、50年も経てば、いずれのニュータウンと同じ問題を抱えるようになってきます。街の老朽化と、人口減少と高齢。スーパーも閉店し、今や食料品店がない過疎地域のように移動販売の車がやってくる光景が見られるまでになってきています。その影響もあるのでしょうか。堺市も2012年の84万人をピークとして、ゆるやかに人口が減少しはじめています。
堺と言えば、高い収益を誇るシマノ、またシャープから鴻海に経営権が移った堺ディスプレイプロダクトといった会社もありますが、成長産業が育っておらず、新しい雇用はあまり期待できません。そうなると人口問題をどうクリアしてくのか、今は小さな政令都市としてなんとかやっていけていても、今後は大阪府のお荷物になってくる可能性も高いのではないでしょうか。
堺市の年齢三区分人口推移

堺市の年齢三区分人口推移

堺市も他の地方都市と同じく、グラフのように、高齢者が増え、労働人口が減ってきています。そんななかでの都市経営は、利権を守るだけでは解決しません。都市間の国際競争を生き抜く規模や中味、施策や投資が求められますが、小さな政令都市堺市単独では将来を捨てたも同然でしょう。
いやはやそんななか、脳天気に共産党と組んではしゃいでいていいのだろうかと素朴に疑問に感じるところです。
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