Jアラートにさまざまな意見があり評価がわかれています。典型的には堀江貴文さんの「「こんなんで起こすなクソ」発言があり、炎上したという話もありました。しかし、はたして、国民が自らの命を守るということで、ほんとうにJアラートが有効なのかは、いろいろな意見があって当然だと思いますが、すくなくとも北朝鮮の脅威を実感するには役立ちます。しかし一方ではいたずらに恐怖心を煽り、国民をミスリードさせることにもつながりかねないのも事実ですが、どのようなものでも使いようです。
さて、意外なことですが、韓国の「朝鮮日報」は、日本のメディアが、Jアラームによって、北のミサイル発射を韓国軍よりも8分も早く伝えたことを高く評価し、むしろ韓国軍を批判しています。
NHKなどによると、日本政府は同日午前5時58分ごろ、北朝鮮のミサイルが日本の東北地方の方向に発射されたもようだとして一部地域に避難を呼び掛けた。避難指示が出されたのは北海道・青森・岩手・長野など12道県。NHKなど日本の各メディアは午前6時2分ごろからミサイル発射のニュースを「国民保護に関する情報」として緊急速報で伝え、建物の中や地下に避難するよう繰り返し呼び掛けた。一方、韓国軍当局は日本より8分遅い6時6分ごろになってようやく北朝鮮によるミサイル発射の事実をメディアに伝達。これまで韓国国防部(省に相当)は、ミサイル発射など北朝鮮による挑発の情報について「韓国軍の情報資産を用いて日本メディアより先に伝える」と強調してきたが、これが守られなかったことになる。
実際のところ、政府はしっかり北朝鮮のミサイル発射を国民に伝える義務があります。しかし、それをどう受け止め、評価するのかは国民一人ひとりの自由で、多様な意見があることは社会が健全です。
Jアラートに関しては、「頑丈な建物や地下に避難」とか言っても、都市の中心部でなければどこにもそんな建物はないとか、地面に伏せて頭部を守ったところで何の意味があるのかとか、避難するにも時間がなさすぎるといった疑問があるのは当然です。
そうでないことをガザ地区からのロケット攻撃に日常的に晒されているイスラエルの例で反証している方がいらっしゃいますが、戦時体制にあるイスラエルと、まだそうでない日本ではずいぶん状況が異なり、今の段階では、あまりヒステリックな警告を発しないほうがいいと思います。なぜなら、今に「オオカミ少年」現象が起こり、人々が、Jアラートに反応しなくなる恐れがあるからです。
そうでないことをガザ地区からのロケット攻撃に日常的に晒されているイスラエルの例で反証している方がいらっしゃいますが、戦時体制にあるイスラエルと、まだそうでない日本ではずいぶん状況が異なり、今の段階では、あまりヒステリックな警告を発しないほうがいいと思います。なぜなら、今に「オオカミ少年」現象が起こり、人々が、Jアラートに反応しなくなる恐れがあるからです。
ただ、長い間「平和」を享受し、安全保障への意識が希薄になってきていた日本ですが、Jアラートは、まるで江戸時代末期の「蒸気船たった四杯で夜も眠れず」のような効果があり、安全保障への関心を高めます。
ところで安全保障というと、軍事力に目が行きがちだし、また意図的にそうリードしようとするロビイストもいて、気をつけたいところですが、実際は、軍事、経済、外交の3つのパワーバランスです。
先進国はすべてグローバル経済に組み込まれ、その張りめぐらされたネットワークで経済が成立っているので、戦争ができなくなってしまったのです。鎖国しているように見える北朝鮮ですら、海外への出稼で収入を得たり、中国からの石油パイプラインでエネルギーを確保しています。さらに中国は、北朝鮮の資源の利権を押さえています。
もちろん先進国と違って、海外に投資し、資産を持っているというわけでなないので、北朝鮮は捨て身の行動がとれる危険性をはらんでいます。そこが今やアメリカについで海外直接投資が多い中国とは異なるところです。ジェトロによれば、中国は、2015 年末時点で2 万 200 社の投資主体が外国で 3 万 800 の企業を設立し、対外直接投資の累積額は 1兆979億ドル(約121兆円)にも達していてすでに中国は失うものを持ってしまっています。さらに中国はモノの貿易額で米国と競い合っています。2016年のモノの貿易総額は4年ぶりに米国が3兆7060億ドル(約407兆円)で首位に返り咲きましたが、中国はほぼおなじレベルの3兆6850億ドルでした。資本、モノの貿易ともに、中国はグローバル経済に組み込まれているのです。
経済制裁が効いていない、どんどんミサイル実験がエスカレートしてきている、まもなく核実験も強行する可能性もある北朝鮮にどう対処するのかで残さているのは外交による対話か、米国によるミサイル基地攻撃でしょうが、それを決めるのはトランプ大統領であり、また米国の議会です。
残念ながら、日本にできることは限られており、日米安保体制の緊密な関係を保つしかありません。もし外務省に能力があれば、中国とのパイプ、北朝鮮とのパイプを通してなんらかの働きかけを期待できますが、どうなんでしょうね。
Jアラートがきっかけになって、現実を直視し、楽観しすぎたり、いたずらに恐怖心を煽るのではなく、この時代のなかで日本の繁栄と安全を守るためにはなにが必要なのかの議論が深まり、保守は日米安保重視、リベラルは外交重視というパターン化された発想から日本が卒業することを期待したいところです。超タカ派のリベラル、独立平和主義の保守が存在してもおかしくなはいのですから。
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