また兵庫県で政務活動費に関した不正疑惑です。今井議員との不倫疑惑でメディアの火祭り状態にある橋本神戸市議による「ハシケン通信」と題したチラシの印刷費です。週刊新潮の記事によると、2010〜14年度の5年間で計12回発行したうちの8回・計56万5000部を「大林印刷」(仮名)という業者に発注しているのですが、計720万5330円分を政活費として支払ったということです。

週刊誌の調査力恐るべしです。たまに週刊誌や雑誌社から電話取材を受けることがありますが、そのたびに取材の丁寧さを感じます。
今井絵理子と不倫の市議に浮上、700万円「政務活動費」疑惑 | デイリー新潮 : 

閑話休題。

そもそも、「大林印刷」はホームページもなく、また法人の登記簿でも存在しないこと、また領収書に記載された住所にはそんな会社は見当たらなかったということです。それに、もし実際にチラシを発行していても、ポスティングは橋本市議がやったと言っているので、高度な美術印刷でもないチラシの印刷でデザイン費を入れても、また8回分だったことを考慮しても一部あたり12.8円という金額は今時ありえません。

兵庫県は例の号泣議員の政務活動費問題をきっかけに、他の議員の不正使用問題も次々と発覚したこともあって、県議会はルールを厳格化し、昨年は支給額約4億6000万円のうち、34.8%にあたる約1億6000万円が返還されています。返還率は、政活費不正支出問題が発覚した年から年々上昇してきています。

その県議会の余波は神戸市議会にも及び、神戸市議会でも政務活動費疑惑で、昨年に「自民党神戸」に所属していた市議ら15人が兵庫県警の調べを受け、3議員が詐欺罪で在宅起訴されたばかりでした。市民のために働く政治家というよりは、地位や利権のための政治屋というしかなく、ほんとうに懲りない人たちです。「自民党神戸」は解散して名前を変えていますが、それも実に姑息です。

神戸新聞NEXT|連載・特集|神戸市会政活費不透明支出|政活費流用 神戸市議会の告発状受理 兵庫県警 : 
神戸新聞NEXT|連載・特集|神戸市会政活費不透明支出|神戸市会・政活費不正流用 疑惑の経緯(上) : 


中央官僚が支配する非効率な日本では、地方議会は形式的には存在していても、そもそも口利き以外にはほとんど役割を持たないのではないかと思っていますが、そんな地方議会の議員が高い給料をもらって、さらに政務活動費で税金を使うというのはどうよと感じますね。チェックするのも、市民オンブズマンぐらいで、政務活動費が政治家のブラックマネーになっていくのは当然かもしれません。

もっと酷いのが国会議員です。国会議員は堂々と領収書不要の文書通信交通滞在費を月額100万円受け取っています。「ブラックマネー」そのもの、いや給与そのものです。立法事務費も、政党交付金がどう使われているかも不透明です。もう辟易としますが、それを決めているのも政治家さんなので、いつまでたっても堂々巡りで終わってしまいます。潔癖を追求しすぎるのもどうかとは思いますが、バッファを超えて、まさに「政治家の政治家による政治家のためのブラックマネー」ではいただけません。

政治が、そんないい加減なことをしているから、官僚も民主主義国として恥ずかしいような情報隠しをするのです。

さて、民進党の前原さんとか、枝野さんが代表選に望んで、おふたりとも、わけのわからない政策、失礼、国民の琴線に触れ共感を呼ぶ政策が打ち出せないままです。ここは森友・加計学園問題があり、違う次元で今井議員・橋本市議問題が続いたことが好機で「政治の透明化」実現の御旗を掲げ、まずはこれらのブラックマネー透明化宣言、廃止宣言でで発信すればどうでしょうか。それぐらいの覚悟を見せていただければ、今よりははるかに共感が広がるのではないでしょうか。