大阪維新の失敗作が日本維新で、それを象徴するのが加計学園をめぐる審議での維新の立ち位置です。安倍内閣擁護にまわり、野党攻撃に終始する姿は、ネトウヨからは拍手喝采を受けても、国民からは共感されません。安倍内閣にとリ入って政権への影響力を持とうという立ち位置では、政治を地方に取り戻そうというあの情熱や理念は微塵も感じられないところがみっともないところです。
その維新の足立議員が、自らの言葉に酔った勢いのすえか、加計学園は岩盤規制に穴を開けるドリル先端の「ダイヤモンド」とは恐れ入りました。


好意的に解釈すれば、加計学園が輝いているということではなく、岩盤に穴を開けるに必要な硬度があることを言ったのだと思いますが、比喩が適切とは思えません。もし加計学園がほんとうに輝くダイヤモンドに見えたとすると足立議員は、メガネをかけて視力矯正したほうがいいのかもしれません。

加計学園問題は、「国家戦略特区」の美名のもとに便宜をはかった、いや利益供与だという疑いが未だに晴れません。そうでないことを安倍内閣が証明しない限り、国民の疑念が晴れないのに、記憶にない、記録にないの繰り返しでは支持率が下がっても当然です。安倍総理はついに国民からの信頼まで失いはじめています。

加計学園問題は、選定のプロセスに疑惑が消えないというだけではありません。今は国会審議では取り上げられていませんが、加計学園の大学経営の質への疑問が残っています。加計学園の経営する大学で黒字なのは岡山理科大だけだといいます。
文書入手! 加計学園 獣医学部新設に教職員から反対意見続出 (文春オンライン) - Yahoo!ニュース : https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170720-00003428-bunshun-pol

そして、新設する獣医学部が、場合によっては銚子市の千葉薬科大学のように、今治市の不良債権化する懸念すら消えません。

ちなみに、あの萩生田副官房長官が落選中に客員教諭をやっていた加計学園の千葉薬科大学は、銚子市に土地を無償貸与させ、多額の補助金を出させて開校されました。今回の獣医学部新設と似ています。銚子市としては、止まらない人口減少や地盤沈下の起死回生の一手として大学を誘致したものの、経済効果はでず、財政赤字がさらに膨らみ、市民負担もさらに重くなる悪循環にはまってしまったのです。今治が、第二の銚子にならないという保証はどこにもありません。

千葉薬科大学は80%を超える薬剤師国家試験合格率をうたって学生を集めています。それが胡散臭さいのです。そもそも入学者に対して受験する人が少なく、実際には、2017年の薬剤師新卒・既卒を合わせた受験者109人に対し合格者は53人で合格率は48.6%だったといいます。誇大広告で、学生を集め、補助金を狙うビジネスモデルの疑いすら感じます。

足立議員のメガネにかかると、そんな加計学園が「ダイヤモンド」に見えるのでしょうか。そうだとすれば、それは本来の経済や産業の活性化ではなく、「岩盤規制にドリル」が目的になって目が曇ってしまったのです。企業にしても、地方にしても経営の実務経験がない経産省官僚出身の限界でしょうか。足立議員がイメージを下げるのはいいとしても、せっかく生まれてきた地方政党時代の流れに泥を塗ったり、足を引っ張る真似だけはやめて欲しいものです。いっそ、維新を離党し自民から公認してもらって、安倍内閣の泥船に一緒に乗るほうが似合っているのではないでしょうか。