地方政治改革では、もしかすると大阪が先進地域だったのかもしれません。2008年の大阪府知事選で維新が圧勝し自民党が大敗しました。そこから関西では自民党の迷走が始まり、府議会でも、市議会でも衰退し、民進党は壊滅します。それとよく似たことが、東京都議会選で起こったのです。まるでデジャヴューのようでした。
今回の都議会選に関して、逆風が吹くと書いた記事に国政と都議会選は違うとかなり厳しいご批判が寄せられていましたが、結果は予想した通り、大阪と同じ現象が起こったのです。そして、その都議会選の結果はブーメランのように戻って安倍内閣に逆風となってきています。安倍内閣は、安定政権だったことが強みでもあり、国益にもつながっていたわけですが、その政権を揺るがすような内閣支持率の変化が起こっています。都議会選の応援演説で安倍総理が「こんなひとたち」に負けるわけにはいかないと口を滑らせてしまったことで、逆風のブーメランを自らに呼び寄せてしまいました。
今回の都議会選に関して、逆風が吹くと書いた記事に国政と都議会選は違うとかなり厳しいご批判が寄せられていましたが、結果は予想した通り、大阪と同じ現象が起こったのです。そして、その都議会選の結果はブーメランのように戻って安倍内閣に逆風となってきています。安倍内閣は、安定政権だったことが強みでもあり、国益にもつながっていたわけですが、その政権を揺るがすような内閣支持率の変化が起こっています。都議会選の応援演説で安倍総理が「こんなひとたち」に負けるわけにはいかないと口を滑らせてしまったことで、逆風のブーメランを自らに呼び寄せてしまいました。
支持率の急落、不支持率の急上昇で、調査方法の違いで、支持率が高くでる読売調査でも、支持率は36%。不支持率が52%にまで高まりました。
それでなくとも、都議会選の結果を見て、たとえ都議会選挙とはいえ、「一強」が砂上の楼閣であることを全国の国民が知るに至ってしまったのです。さらに安倍総理の言葉に衝撃が走りました。安倍総理のネトウヨと同じような体質がでてしまったのです。それまではなんとなく広がっていた不信感が、安倍総理やその周辺のひとたちへの恐怖と嫌悪感に変えてしまったのでしょう。
いわゆるウヨクとサヨクは体質がよく似ています。共通するのは、どちらも思い込みが強く結論ありきだということです。そして気に入らない意見、反対意見を持つ人は、「こんなひと」であり、「反日売国奴」であり、「市民の敵」と決めつけ、攻撃して打ち負かそうとしたがります。だから、ネットでは恐喝まがいの発言も飛び交います。多様性の時代だというのに、いわゆるウヨクもサヨクも、敵か味方かというというとらえかたしかできないのです。
そして、これまでネトウヨ的な体質を抑えていた安倍総理も、窮地になって、ついついその本質を見せてしまいました。
こういった危機的な状況に、ネットやマスコミの保守メディアが反撃を開始しています。加計学園問題では、小泉政権時代に一時期は人気のあった竹中さんまで登場し、さらに「保守ビジネス」に基盤を置くコメンテーターも総動員です。ついでですが竹中さんの主張はあまり論理的とはいえません。プロパガンダでしかない立ち位置では説得力がないのですが、気に入った意見は的を射ていると感じる人もいらっしゃるのでしょう。
竹中平蔵が総括する加計学園騒動の全て。5つのポイントにまとめてみた | netgeek :
そして安倍内閣に批判的なメディアの情報操作がこういった結果をもたらしたというキャンペーンが展開されています。
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そして安倍内閣に批判的なメディアの情報操作がこういった結果をもたらしたというキャンペーンが展開されています。
しかし、大きな錯覚があるのです。いくら正論を展開し、左脳に訴えかけ、相手を論破しても、右脳に刻み込まれた不信感や嫌悪感は消せません。いくら、選挙に落ちた川井都議会議長が、実際は小池都知事と握手していた、一部メディアが情報操作したと批判しても、それがそうだったことがわかったとしても些末なことだとして、人びとの心には響きません。理屈ではありません。昨日の報道2001だったでしょうか、読売新聞の特別編集員の橋本五郎さんが理路整然とまたソフトにお話をされていましたが、それでも、前川前次官への露骨なゴシップ記事を掲載し、露骨に政権側にスタンスを置き、人びとに植え付けた「恐怖心」を払拭できないのです。
そして安倍総理は、ついつい敵を論破し、脅すというネトウヨ的な体質を聴衆のまえで見せてしまったのです。いくらヤジを飛ばしていたのが、一般市民と言い難い「しばき隊」だとしても関係ありません。権力者が異を唱える人たちに挑んでしまったのです。しかし、そのことが人びとの安倍総理への不安感や不信感を深めたことをわからないの人もいらっしゃるようです。
安倍総理は改革改造で骨格を変えないとおっしゃっていますが、それは支持率回復の足を引っ張る可能性が高いように思います。かつては誠実だとして人気のあった菅官房長官のイメージが、大きく変わってしまい、内閣支持率を押し下げる役者になってしまわれたと思えるからです。
そして、これまでなら、安倍総理にも、産経新聞もネット民という強い味方がいました。しかし、もはやネットは、かつてのように政治に関心が高いコアな人びとで支えられている時代ではありません。これまではパワーのあったネトウヨもネット空間の辺境におしやられた存在でしかなくなってきています。
デジタルが特殊な世界ではなく、日常化した世界になるにつれ、皮肉なことに「インフルエンサー」としてのパワーが落ちてきています。マーケティングの世界でもデジタル一辺倒のマーケティング施策を見直す企業も増えてきたようです。これまでいわゆる「保守ウヨク」にとって強力な武器であったネットの効果が薄れてきているのでしょう。
「革新」がすでに化石化して久しいのですが、いわゆる「保守」も劣化が始まり化石化が始まろうとしているのではないでしょうか。多様な価値観、多様なライフスタイルが生まれ、また多様なニーズが広がってきている時代に、思い込みで決めつける思考方法次第に現実とのギャップが生まれ、やがて通じなくなってきます。
今日の日本が抱える問題は単純ではなく、また解決にも新しい発想が求められるものばかりです。そんなときに思い込みが新しい発想の芽を摘み取っていきます。思い込みから逃れて、創造的で、建設的なディスカッションを熱く重ねてこそ、新しい解決策も生まれてきます。敵味方ではないのです。民進党の戦略ミスもここです。
そして大阪の「維新」、東京での「都民ファースト」の誕生は、人びとも、保守か、革新かという古漬けのような発想ではない、情報が公開されたなかの実のある議論を重ねていけば、今よりはいい解決が生まれてくるだろうという人びとの期待を物語っているのだと思います。
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