ネスカフェ・アンバサダーのビジネスモデルは素晴らしく、マーケティングの成功事例のひとつに違いありません。しかし、思わぬアクシデントがあったようです。オンライン購入のシステムに起こった障害、またそれをめぐる対応のまずさです。

ネスカフェ・アンバサダーは、選んだ商品が定期的に届く、いわゆるサブスクリプションの仕組みとなっていますが、その注文商品の変更をしようとして購入ページの画像ボタンを何度クリックしたのですが、まったく反応がありません。もともとシステムが重かったので、最初はそのせいかと思ったのですが、どう考えてもシステムが停止しています。サイトのあちこちを見ているうちに、なんと、2017年6月14日午後からシステム障害が発生していて、復旧作業を行っているというお知らせがあることに気が付きました。
思わず目が点になりそうでした。お知らせでは、新しいシステムに移行する際に障害が発生し、復旧に努めているということですが、なんと2週間以上経過していました。復旧にそれほど日数がかかることは、今時めずらしいことです。

なにが原因で、なにが起こったのかはわかりませんが、システムに障害がでたことはしかたないとしても、問題はそこからです。

電話をかけてもなかなか通じません。やっとでてくれ、長々と質問したあげくに、別のところに電話してほしいというのです。しかもこちらも相当混雑していて「そのままお待ち下さい」という案内が繰り返され、30分ほど経過した後に、やっと注文の変更ができました。

人工知能の活用し、LINE公式アカウントからの問い合わせに対して自動応答で対応するというのも結構ですが、もっと、やるべきことがあるのではないか、そもそもサイトで、もっとすぐにお知らせに気がつく工夫、電話対応も、もっと顧客の側に立った対応ができないものかと思ってしまいます。

もちろんどんなシステムにもパーフェクトはないですが、システム移行には細心の注意を払って欲しかったと思います。しかしほんとうは、システムにせよ、電話対応にしても、顧客への愛情や配慮が必要です。ビジネスの仕組みでイノベーションを実現したとしても、顧客との接点になるサイトでの不親切はネスレの企業文化や体質まで問われてきます。素晴らしいマーケティングにふさわしい、顧客との接点の快適化のための企業努力を期待したいところです。