衝撃の罵声がテレビから流れてきました。鬼の形相で叫ぶのは安倍チルドレンの豊田真由子議員です。あの森友学園の籠池夫人すら可愛く思えるものでした。

新人議員時代に議員会館の部屋が気に入らないと「すぐに変更しなさい!」と叫んだり、園遊会で招待されていない母親と同行し、入場を制止されたときに、母親を自分の夫だと言い張って入場した強引さは記憶にある人も多いと思います。ピンクモンスターとして知られる人で、調べれば、まだまだ悪行がでてくるのでしょう。

園遊会事件があったのは2014年の4月。それで政治生命が終わったと思いきや、翌年の秋に、第3次安倍第1次改造内閣の内閣府大臣政務官(東京オリンピック・パラリンピック担当)、文部科学大臣政務官、復興大臣政務官に就任したので、その時点からタイマーのスイッチは入っていたのです。

そもそもで言えば、安倍チルドレンは相次いで問題を起こしています。「保守」ブームが、熟れて劣化しはじめた兆候のひとつでした。さらには稲田朋美防衛相や金田勝年法相など、閣僚の能力も疑問視されるようになってきました。

都知事選を直前にし、さらに森友学園問題に続く加計問題の対応の悪さから、国民に不信感が広がり、支持率が低下したさなかに、さらに、とんでもない自爆弾が炸裂してしまったことになります。学歴の良さに目がくらんで、身辺調査をしなかったのでしょうか。

しかもあのオリンパス問題を暴いたFACTA7月号は、森友学園、加計学園につづいて新国立競技場の再入札にまつわる首相官邸の闇疑惑を報じていますが、この記事が事実なら、安倍内閣の寿命を決めるボールは前川前次官が握っているということになります。


安倍内閣は、もはや憲法改正どころか、都議会選の結果によっては党内からの不満が湧き出て、辞任に追い込まれかねない状態になってきました。

小池百合子知事の豊洲、築地市場の「アウフヘーベン」は想定通りでしたが、対立を避ける「先送り」は賢明な選択だと感じます。豊洲は安心できないという風評は、もう理屈ではなく、安全だから安心しなさいという話は通じません。

市場関係者、そして不安を感じる都民が多いなかで、それでも豊洲移転を強行突破できる器量をもつ人がいるとすれば、おそらく橋下前大阪市長ぐらいかもしれません。石原さんでも、無責任に逃げたぐらいですから。いやローカルの大阪ならできたとしても、東京で橋下流が通じるとは限りません。

都議会選で自民党が、いくら市場問題を「政局」に持ち込んだと批判しても自らを野党として宣言するようなものです。大阪の自民党が陥った自滅への道を繰り返すことになりかねません。

そう考えると都議会選は自民党には逆風です。もし惨敗すれば安倍内閣は党内の不満を押さえられなくなり、ゆるゆると崩壊に向かっていく可能性が高まってきます。あるいは第一次安倍内閣当時のように、一挙に辞任ということになるのでしょうか。それは、さらに、経済停滞のなかで、長く続いた日本の右傾化の終わりの始まりにもつながってくるのかもしれません。


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