加計学園問題は、岩盤規制をドリルで穴を開ける国家戦略特区でなにが悪い、その目的はなんら恥じることがないという政治家やマスコミに登場するコメンテーターの人がいます。しかしその「規制緩和」でどれぐらいの経済効果があるのか、またなぜ市有地が無償で提供されたり、建設費を今治市が税金で負担するのかの説明がありません。なにか変だと思うのです。投資を行い市場に参入したい、にもかかわらず既得権益を持った人たちと、行政、また族議員がむすびついて築いている規制のバリアに阻まれている。そんな岩盤のようなバリアにドリルで穴を開け、活発な経済活動を促すのを規制緩和と思っていたのですが、どうも様子が違うようです。
加計学園の獣医学部新設も、畜産業が盛んなところで獣医を育てよう、畜産で地域を活性化していこういうのならまだ理解できるのですが、なぜ四国なのでしょうか。四国に獣医学部がないというだけの理由です。
しかし、残念ながら四国は、畜産統計で見ても、乳牛も、肉用牛も、豚も鶏も他の地域に比べると決して畜産が盛んとは言えません。というか地勢的に山が多く、畜産には向いていないのでしょう。

しかし、今治市は加計学園・岡山理科大学の獣医学部の誘致に36億5千万円の市有地をタダで提供し、さらに施設建設費の半分96億円を、愛媛県が一部を出さない場合は、全額負担することになりそうなのです。それは、どう考えても規制緩和を口実にした加計学園への利益供与としか映りません。

それはいかにも今治市は財政が豊かだからできるような話ですが、今治市は、市民税などの自主財源は4割を切り、地方交付税や市債などの依存財源が6割を超えているので財政は厳しいのです。今治市民の人たちは、国と加計学園が獣医学部をつくってくれると思っていたら、市民の負担だということなので、さぞかし寝耳に水だと思います。もっと市民生活に直結するところで使えと言いたいのではないでしょうか。しかも、今治市民だけでなく、国民の負担にもなるのです。

そして、既得権益に手をつっこまなければ解決しそうにない待機児童ゼロにむけては、骨太の方針が示せないというのではいかにも政策の貧困を感じます。


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