安倍内閣は、安保法制の際に一時支持率が低下したものの、長期に渡って高い内閣支持率を維持してきました。政策的にはなんの成果もだせていない安倍内閣ですが、運良く景気の好調を維持し、北朝鮮の相次ぐミサイル実験、南沙諸島での中国の基地建設、トランプ政権の誕生、英国のEU離脱、韓国の文政権の誕生など、世界の情勢が揺らいできたなかでは、できるだけ安定した政権を望む国民の気持ちが反映してのことだと思います。小選挙区制度によって官邸へ権力が集中し、対野党だけでなく、与党内、官僚に対しても一強となったことも安定感を増しています。
ところが、日経のクイックVOTEで、安倍内閣支持率が急落したことが話題になりました。もちろん、こういった調査結果を見る場合に、注意しておかなければいけないのは、どんな方法で、どんな人たちを対象として実施された調査の結果なのかです。それによって調査結果をどう解釈するのかも違ってきます。できるだけ偏らないように配慮して対象者を選んだ調査結果と、日経のネット読者がネットでクリックして投票した日経のQUICK VOTE結果は違っても当然です。
日経が説明するように「クイックVoteの調査は世論調査とは異なり回答者に偏り」があり、「全国の有権者の縮図といえるデータ標本とはいえない」し、「加計学園問題で政府に不満を持つ多くの方がアンケートに応じてくださったことで、異例の低支持率につながった可能性」があることも事実でしょう。
たとえそうだとしても、日経のクイックVOTEの結果はあまりにも見事な安倍内閣支持率の急落でした。支持が52.1%から26.7%に落ちこみ、不支持73.3%で、2012年12月の第2次安倍政権の発足以降、最低の水準に落ち込んだのですから。

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/div>#安倍内閣支持率 が急落し30%を下回り、不支持率が70%を超えています。日本経済新聞電子版インターネット意見投票「#クイックVote」2017年5月27〜30日の衝撃的な結果です。#内閣支持率 #安倍内閣 #安倍政権 https://t.co/jeyAlpnOFL pic.twitter.com/FPbHFLsH4b
— 田代秀敏 Tashiro H. (@chinaholic) 2017年5月30日
さっそくネトウヨの人たちが、反安倍勢力が集団で動員してクリックした結果だと、陰謀説を披露していましたが、ネトウヨなら炎上させることができても、野党にそんな組織力はあるとは思えません。
かつて、ニコニコ動画の世論調査の結果と新聞メディアの行っている世論調査の数字が乖離してるのは、新聞メディアが結果を捏造する操作をやっているからだと騒がれていたことがありました。そもそも調査の対象となった人たちが異なるので、結果が違っても当然です。いくらなんでも世論調査を操作するほど日本は民度が低くはないのです。
世論調査は、どんな風に質問したか、またどのような順序で質問したかによっても結果が微妙に異なってきます。それにどこが調査しているのかでも微妙に影響します。だからといって信用できないわけではないのです。偽装すれば別ですが、調査結果の数字には思想はありません。
ちなみに、直近の内閣支持率をとった世論調査で見ると、日経クイックVOTEのような極端な結果ではありませんが、加計学園問題で支持率が低下したことは共通しています。
比較的新しい世論調査では、6月3〜4日にかけて実施されたTBSとJNNの調査がありますが内閣支持率が前回の4月末調査よりも内閣支持率がマイナス8.9ポイントで過去最大級の下落となり、不支持率も9.3ポイントの大幅な増加になっています。それでも支持率が54.4%と高いことに変わりありません。
それよりは少し前に時事通信が12〜15日に実施した5月の世論調査(12〜15日)では、安倍内閣の支持率は前月比3.4ポイント減の46.6%で、3カ月連続の減少。5割を割り込んだのは昨年12月の調査以来5カ月ぶりということです。
北海道新聞が行なった全道世論調査では、安倍政権の支持率が先月から12ポイント減の41%、不支持率が12ポイント増の57%になったと報じられています。
さて、今後にどう支持率が変化していくのかですが、加計学園問題は、国政のなかでは小さな問題としても、自民党や官邸の対応が強権的であり、官僚に、まるで子供のような情報隠しをさせているような印象をつくってしまって、不信感を深めてきていることの影響はボディブローのように効いてきそうです。政策に賛成か反対かではなく、信頼できるかできないかというところに移ってきていることに安倍内閣は気づくべきです。
今の状態が続けば、日経クイックVOTEの結果のように、消極的支持者がどんどん去っていくことは間違いないと思います。少なくとも、権力からの個人攻撃や印象操作は避けるべきです。官邸が誠実に対応しなければ安倍内閣は泥沼に踏み込んで行き場を失ってしまう危うさを感じます。そんな事態は誰も望んでいないのではないでしょうか。
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