獣医学部が、獣医学会や政治家などの反対で50年以上新設がなく、ドリルで穴を開けるべき岩盤規制だったというのが、加計学園問題を正当化する根拠になっています。それを聞くといかにも岩盤規制と闘う安倍総理のリーダーシップが発揮されたと評価する人もいらっしゃるのかもしれません。しかし、獣医学部を新設することが、ほんとうに国民の利益、また日本の経済の活性化につながるのかは定かではありません。そもそも岩盤規制にドリルで穴を開けることは目的ではなく手段なのです。
しかも今治市は、市民への説明もなく、加計学園の誘致に市有地(36億5千万円)を無償提供、さらに施設建設費(192億円)の半分の負担するというのですから、国家からのトップダウンで市民が負担するというのはどうなんでしょうね。今治市民にとっては、降って湧いた災難というか、だまし討にあった心境ではないでしょうか。
しかし一方では、安倍内閣は、認可保育園等に入れない「待機児童」ゼロを達成する目標の期日を、2017年度末から「2020年度末」に先送りするとしています。東京都をはじめ意欲的な自治体を支援するため、(保育の受け皿)二十二万人分の予算を二年間で確保し、遅くとも三年間で全国の待機児童を解消していく」そうです。しかし、国が予算をつけ、政府主導で進めるという発想そのものに限界を感じます。
待機児童問題は大都市、とくに首都圏で深刻な問題です。とくに東京だけで日本の待機児童の34%を占めています。つまり大都市固有の地方の問題です。
本来は、国は、まずは待機児童ゼロを法案化し、地方に解決を義務付けるとか、設置基準の規制緩和を行って保育園を増やしやすい状況をつくることで、どのように待機児童ゼロを実現するのかは、地方に任せるべき問題でしょう。国が主導して問題解決しようとするところに限界がでて来ているように感じてなりません。
待機児童問題こそ、それぞれに地方の実情にあわせた柔軟な運営をめざした規制緩和が求められているはずです。認可保育園を守ろうとするから、保育士さんも法外な給与となり、コストも高く付きます。補助金じゃぶじゃぶという状態になって肝心の待機児童ゼロは解決しません。こちらのブログが取り上げていますが、「東京23区の保育士の平均年収は800万円を超え、園長の給与は約1200万円。園長は都庁の局長レベル」だそうです。このあたりは橋下前大阪市長がお得意な分野でしょう。
獣医学部の新設よりは、保育園の規制緩和のほうが、はるかに重要で、国民の利益にかなう、優先順位も高い問題ではないでしょうか。もうそろそろ安倍内閣もなんらかの目に見える成果をつくらないと、ただ安定していることにしか価値のない内閣で終わってしまいそうです。

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