日米で同時に政権にかかわる疑惑が生じてます。米国は国家の安全保障にもかかわりかねないロシアゲート疑惑、そして日本は安倍総理、また総理夫人の森友学園や加計学園をめぐる疑惑です。一方は、国家の安全保障にかかわりかねない問題、片や「美しい国、正体見たり美味しい国」、つまり身内への利益供与の問題で、深刻度が違うということでしょうか。

トランプ大統領は目先の駆け引きでは才覚があるかもしれませんが、ただでさえ、あまりに誤った思い込みにとらわれすぎていて、現実からかけはなれた政策しか出せなく、行く末は怪しいところに、ロシアとの関わりの疑惑はやがて火を吹くだろうと感じていました。


すでにトランプ大統領は就任前からこの疑惑で、第二のウォーター・ゲートとなるかもしれないという予感があり、このブログでも取り上げました。それが今や、成り行きによっては弾劾が現実になりかねない状況になってきています。賭けサイトでもその確率が急上昇してきているとか。
   トランプ疑惑は、第2のウォーター・ゲートになるか? (2017年1月13日) トランプ大統領の弾劾あるか、賭けサイトで確率が急上昇 | ロイター : 

トランプ大統領と安倍総理で共通しているのは、疑惑の指摘に対する異常なほどの強い反応です。
トランプ大統領を支援してきたという内容や、不名誉な情報をロシアが入手していることを記した英国情報機関の元職員による調査文書について報道したCNN、また全文を公開したBuzzfeedの記者に対してトランプ大統領が異常なほどの敵対心を示したことで疑惑を深めました。
安倍総理も、脊椎反応のように職を辞すとか、国会議員をやめるとおっしゃらなけれれば、これほど問題が長引いたでしょうか。強い口調、興奮した表情で、否定されればされるほど、やはりねと勘ぐってしまうのが我ら大衆です。
それと閣僚の脇の甘さやレベルの低さです。トランプ政権では、辞任した大統領補佐官(安全保障担当)のフリン氏がまさにロシアゲート疑惑の張本人でしたが、なんと大統領選挙のさなかに、日本で駐日ロシア大使と面会していたというのです。 日本でも接触! 「ロシアゲート」疑惑張本人のマヌケな失態 | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) : 
安倍内閣の周辺もいろいろありました。今村復興相の「(東日本大震災発生が)まだ東北だったから、よかった」発言での実質更迭とか、金田法相や稲田防衛相の答弁の怪しさなど、なにか脇から崩れてきている感が漂ってきています。 安倍内閣に居並ぶ「更迭予備軍」も酷すぎる | 国内政治 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準 : 
しかし日米で大きく違いが見えたのは、公正さや情報開示に対する姿勢ではないでしょうか。
米国の議会は与野党に限らず、党の利益よりも、公正さや情報の透明性を求めます。しかし、日本は、国民の目の前で、保身のための情報隠しが行われ、まるでテレビの官僚ドラマなのか、いや日本は民主主義とはほど遠い体質が残っている途上国なのかと感じさせてしまったことです。ほんとうに、情けない話です。
もうひとつの違いは、政権を監視する、また政権の牽制する力の違いです。


米国では共和党と民主党とが互いのパワーバランスを保ち、しかも議員内閣制ではないので、与党も大統領を牽制するメカニズムを持っています。さらにマスコミも日本とは比較にならないほど政権に厳しいのです。しかも司法もいかに大統領と言っても、独自で捜査に動きます。三権分立が機能しています。
日本の場合、政権を牽制するメカニズムが弱いのです。国会でのやり取りだけに終わり、構造的には一強です。拮抗力の役割を担うはずの民進党は目を覆うばかりの弱体化を起こしています。さらに小選挙区制の特徴として、官邸のパワーが高まるだけでなく、自民党内の派閥バランスが崩れ、国会も、党内も一強体制となり、それが政治の緩みや劣化の兆候となってきています。とくに権力が集中した官邸に人事権を握られた官僚は、ご家族がさぞかし肩身の狭い思いをされるのではと心配してしまうほど、なりふりかまわず、国民無視に走るようになりました。
まあ、いずれの政権がどうなっても、経済で大きな影響を受けるのは株価や為替といった金融経済の世界で、実体経済は、つまり民間企業にとっては政権や金融経済の混乱は迷惑な話だとしても、大きく構造が変わるわけではありません。それよりは、米国で長く続いてきた好景気が、景気循環もあって腰折れしそうな兆候がでてきており、そちらのほうが心配です。

【米国ウオッチ】トランプ大統領がおびえる「実にひどい経済」 (上) - Bloomberg : 

【米国ウオッチ】トランプ大統領が気付かぬ本当に「ひどい経済」 (下) - Bloomberg : 



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