電気自動車(EV)を、はじめて自動車市場の注目プレイヤーにしたテスラ社ですが、売上はどんどん伸びてきているにもかかわらず、相変わらず赤字が続いてます。この1〜3月は、売上高は前年同期から2倍余りの27億ドルに達していますが、純損益はの3億9720万ドルの赤字で前年よりも40%赤字が膨らんだことになります。たとえ赤字が続いても、どんどん事業を伸ばしていくのはアマゾンと同じでしょうか。
グラフはこの3期のテスラの年間売上高(緑)と損益(青)の推移です。
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そのテスラが車のネーミングで顧客に混乱を生じさせてしまったようです。問題は「テスラ3」のネーミングです。テスラ3は、販売価格が35,000ドル、およそ400万円弱で 、量産車としてのテスラを担う新モデルで、今年の半ばには量産がスタートします。電気自動車普及の弾みになる可能性を秘めたモデルではないでしょうか。
 
しかし、ネーミングに数字を入れてしまったために、あたかも現在の販売価格が最低でも900万円する高級モデル「テスラS」の次世代後継車種だという誤解を生み、顧客を混乱させることになってしまったとウォールストリート・ジャーナルが伝えています。数字で進化をイメージさせるスマートフォンのネーミングの影響でしょうか。現在は予約販売中ですが、そう思って予約した人もいるのでしょう。

誤解を生んだネーミングですが、もともとは、テスラのマスクCEOが、高級セダンのテスラ「S」、スポーツタイプSUVのテスラ「X」、そこにランワンク安い車種のテスラ「E」を投入して「S-E-X」のラインアップを完成させ、そしてその次がテスラ「Y」で「SEXY」のネーミングでシリーズ化しようとしていたようです。しかし、テスラ「E」はフォードとの商標権問題で使えず、苦肉の策で「E」を逆さにして「3」にしたことの思わぬ誤算のようです。

さてモデル3は、一回の充電で345kmの航続距離を目指しているとしています。日産のリーフが280Kmです。モデル3の売れ行きは、どのあたりにユーザーが求める航続距離の最低ラインがあるのかを占うだけに、注目したいところですが、デビュー前に、顧客がモデルSからより安いモデル3に流れてしまう事態をよんだことはなかなか世の中思い通りにはいかないということでしょうか。

電気自動車は価格にしても航続距離にしても、電池が鍵を握っていますが、電池はイノベーションの壁にぶちあたってしまっていると聞きます。ということは、電気自動車の時代への道のりはまだ遠く、見事にワープするにはもう一段の技術イノベーションが求められているようです。


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